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のーまじん

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セカンドシーズン

別に良いんじゃないかな?

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 スマホで話して、しばらくの間、奈津子は豪快に笑っていた。
 そして、笑いが収まる頃、私を慰めるようにこう言った。

 「別に、書いても良いんじゃないかな?雄二郎、気にしてないと思うし。
 私、その変な話、読みたいわ~」
あははと笑いながら奈津子が言う。
「笑うことないじゃないっ。」
「いや、だって、キャベツメンチを買いに行って、そのまま車で異世界転移なんて、私には考えられないわ。」
奈津子はスマホの向こうで笑いを噛み殺している。

 私には、透視能力はないけど、でも、わかる。

「うるさいなぁ…。だから、この話は没にするんだから。いいのよっ(///∇///)
 私は、地味なファンタジーで小銭を稼ぐんだもん。
 きっと、一緒にはいけないけど…モーニングを食べるための500円。きっちり稼ぐわよ。」
私は、自分のこずかいでドーピングするしかないと焦りながらも言う。
「ぷっ…500円って。二万円、ジローの話でさっくり稼げば良いじゃない。
 そして、皆でいこうよ。
 お得に旅に行けるプランもあるらしいし、割引使えば、皆でプチ贅沢が出来るって。

 まあ、小説で稼げなくても、色々割引調べればあるし、雄二郎も働くんだから、大丈夫。

 ここら辺の人だって、秋には落ち着いてくるよ。
 旦那さんも説得すれば平気だよ。

 そうだ、なんなら、その勇者のファンタジーとジローの話、同時に投稿しようよ。私、手伝うし。」
奈津子は人懐っこくそう言う。
 確かに、7月に入って、少し落ち着いてきた感じはする。

 確かに、県外から来る人とか、都会から帰省するについては少し神経質になっているけれど、温泉や観光地など、人が戻ってきている。


 雄二郎だって、仕事が舞い込んできたのだから、秋にはきっと……。

 夢が少しだけ芽を出す。
 「そうね…、そうだったら良いわね。
 雄二郎の話は、本人が良いって言ったら、書いてみるわ。
 雄二郎の仕事は、9月からよね?
 あと2ヶ月あるし、どうせ、何処にも出掛けられないから。
 今年のお盆は、和尚様には回ってこなくても良いって言ってあるし…。旦那はどうせ釣りに行くんだと思うし。
 書いてみようかな…。
 でも、あんまり期待しないでね。」
私は、夏もまだなのに、秋を思う。

 色々心配だけど、考えたって仕方ない。
 どう運命が転んでも、お金を稼いでおけば、希望がわいてくるに違いない。

 私は、少しだけ楽しい未来に期待をする。
 色々、怪しいネットの情報は、今は必要ないのだ。
 まずは、異世界へ。
 そして、名古屋へ。

 秋に旅行へ行けたなら、伊勢詣りをしてこよう。

 ついでに長野のおじさんの家によってきても良い。
 私は、夢が膨らむのを感じた。
 奈津子は、期待していると私にプレッシャーをかけて電話を切り、
 しばらくすると、頃合いを見計らったように雄二郎からメールが来た。



 本文
 仕事は、9月からだよ。
 給料でたら、名古屋にいけるよ。
 小説は書いてもいいよ。


 雄二郎のメールを見つめながら、私が小説で二万円稼げたら、全てが上手く行くのではないか、なんて、錯覚に陥る。

 サイトを開いて、文芸大賞の予定を調べた。
 サイトには登録したし、過去のイベントの受賞作品を調べたりもした。
 大賞に参加すれば、少し、ポイントが加算されたり、色々な特典があるのも知っている。

 これに合わせて、底上げしよう。
 二万円は無理でも、千円…
 ビギナーズラックで千円を目指そう。

 私は、何か、良く分からない焦燥感に泣きたい気分になりながら、ノートに設定を書きはじめた。
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