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のーまじん

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セカンドシーズン

カタルシス

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  カタルシス…それはアリストテレスが悲劇を見たとき、うっ積した色々が解放される様を表現した言葉…らしい。

 私にとってカタルシスとは、

 破壊的解放(カタルシス)と言う感じだ。

 多分、ロボットアニメや終末ものの映画から、そんなイメージが、私に定着してきたのかもしれない。

 何にしても、私のファンタジーの世界は、ジローの『仕事が決まった、給料出たら名古屋に行こう』の一撃で消し飛んでしまった。
 書かなくて良くなると、今度は壊した世界に文句を言いたくなってくる。

 いわゆる『すっぱい葡萄』と言うやつだ。

 酔いが良い感じに回ってきて、私はノート片手に今まで見ないようにしていた違和感と向き合った。

 まずは、今流行りの『追放もの』と言うやつだ。

 これは、勇者を中心とした一団の、さえないけれど地味に頑張る主人公が誤解されて追放され、逆転する。と、言う内容だ。

 まあ、昔から沢山あった設定だけれど、web小説では細かい設定は省かれる。

 皆、なんかわかっていて、早い作品だと冒頭で追放されたりする。

 私には訳が分からないが、皆はそれで納得して読み進める。

 で、主人公は、なんか知らないが、パワハラ勇者に怒鳴られるまで気がつかないパターンが多い。

 そこで、小さな悪事を働いては、起こられていた雄二郎を思い出して笑ってしまう。

 大体、優秀な人物なら、怒られる前に、グループの雰囲気で自分の立ち位置が分からないのだろうか?
 五人ぐらいのグループ、そうそう、この世界では、パーティと呼ばれる集団が一般的なようだが、これが微妙に違う。

 グループと言う昔の表現の仲間の場合、
 大概、五人ぐらいの仲間の中には、一際、親しい友達が出来たり、
 グループの世話焼きがいて、大事にならないうちにアドバイスをしてくれた。

 例えば、雄二郎の場合は、奈津子だったり、私だったりが、雄二郎の相談役になり、問題を解決していった。

 それに、喧嘩は良くしたけれど、一回、何かがあったくらいで、付き合いが無くなるなんて、そんな事はない。

 コンビニで酒と競馬新聞を買う為に、遅刻しようと、寝坊しようと、

 順番をとる為に早出をするのをグズって断り続けようと………。

 ここまで思い出して、なんだか腹が立ってきた。

 本当に雄二郎はロクデナシなんだから。

 でも、それでも、ここまで付き合い続けるのは、それなりに良いところもあったからで、

 私と奈津子と雄二郎の三人でフリマにいった帰り、
200円しか売り上げの無かったときも、雄二郎はそれを使って奢ってくれた。
 ハンバーガー店で100円1枚づてくれて

「好きなものを買いなさい。」
と、誇らしく笑った雄二郎を思い出した。
 「消費税が足りないから買えないよ。」と、奈津子に突っ込みを入れられてたっけ。


 今度は笑いが込み上げて、それから、web小説では主人公を庇ってくれる仲間がいないことを不思議に感じた。

 ロクデナシでも無能でも、長くいれば情も移るし、良い思い出や活躍だってあるはずではないのだろうか?

 様々なフリマの思い出がよみがえり、
 それと同時に、web小説の『勇者パーティ』と言う人間関係に混乱する。

 クラブでも、団でもグループでもない、

 パーティと言う得たいの知れない集団の扱いをもて余した。


 web小説ファンタジーでは、ゲームのファンタジーをベースに作られてゆく。
 オンラインゲームをした事の無い私は、
 パーティと言う集団の喜怒哀楽が理解できずにいる。

 この時点で既に、今流行りの追放ものが、私には書けない事に気がついた。

 ゲームの仲間は、ハンバーガーを分けあったり、
 ソバ粉のパウンドケーキをねだったりしないからだ。

 時間軸の違う世界を一次共有し、
 そこから離れたら接点の無い世界で、
 突然の追放命令は、ゲームの世界を知る人たちには日常なのかもしれない。
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