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耳【勉強会】
耳⑤
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とある日の放課後――。
先日耳を舐められての告白を受け付き合い始めた男子生徒は、遂に初めて彼女の部屋を訪れていた。
かなり片付けられていて色合いもシンプルな一般的な部屋ながら
自分の彼女の部屋だと全ての家具一つひとつを愛おしく感じた。
「あ、もう。また間違えてるよそれ」
なんて心臓の鼓動の速さを感じつつも、頭の中はそれどころでは無かった。
今日の目的はいちゃいちゃデート……などではなく勉強会。
まだもう少し先だが学校のテストに備え、2人で勉強会をする事になった。
しかし男子生徒の成績は決して良いものではなく、彼女は優秀な部類であった為
いつからか勉強を教えてもらう会となっていた。
初めは折り畳みテーブルに2人で向かいあって座って勉強していたが、
目的が変わった事で彼女は男子生徒のすぐ横に座り、男子生徒の解く問題集を覗き込んでいた。
「これはさっきの問題の応用でね――」
男子生徒に問題を教える為にカーペットに座ったまま上半身を傾ける。
彼女が身体を傾けると、ふわりと良い匂いが鼻をくすぐる。
いつも良い匂いがするが今日は一段と心地良く匂う。
「それでここがね――」
決して太くないのに柔らかそうな手で彼女は鉛筆を持ち何かを書き込んでいる。
彼女と付き合い始めてから強く意識してしまう内の一つはその彼女の手。
その手は告白してくる時に耳を舐めながら反対の耳を撫でてきた手。
その後、膨らんだ股間を鎮める為に優しく包み込んでくれた手。
「つまりこれがこうなって――」
その彼女の手を見るとあの日の出来事を思い出す。
今までの人生で無かった衝撃の快感。
脳みその焼ける感覚。
耳を襲う感触。
「だからこうなるの、分かった?」
彼女が顔を見てきて男子生徒はハッと我にかえる。
「…?分かった?」
訝しげな表情で見てくる彼女が男子生徒の目には一段と愛らしく映る。
あの日はこの可愛い彼女が顔を寄せ、耳を舐め、愛を囁いてきた。
あの日は自分の想いは最初は彼女に向いていなかった。
あの日と同じ事がもしも今行われたらどうなるか。
「もう!聞いてないでしょっ!」
「え!?あ、いや、聞いてるよ!うん」
彼女は少し口を尖らせる。
可愛い。
「じゃあ、この復習問題のページ解いてみて!さっきの説明聞いてたら分かるよね」
「え…!?」
男子生徒は問題集を見やる。
いや、たしかに話しに集中は出来ていなかったがこのページの問題なら分かりそうだ。
「わ、分かった」
鉛筆を構える。
まず1問目。
ふぅー。
「――っ!?」
と耳の穴をめがけて優しく細く、風が入り込み耳をくすぐった。
声にならぬ声を上げ、鳥肌が立つ。
「ほら?早く解いてよ」
いつの間にか男子生徒の耳元に口を近付けていた彼女は悪戯気味に囁く。
ふうううううっとじっくり長く息を吹き込む。
先日耳を舐められての告白を受け付き合い始めた男子生徒は、遂に初めて彼女の部屋を訪れていた。
かなり片付けられていて色合いもシンプルな一般的な部屋ながら
自分の彼女の部屋だと全ての家具一つひとつを愛おしく感じた。
「あ、もう。また間違えてるよそれ」
なんて心臓の鼓動の速さを感じつつも、頭の中はそれどころでは無かった。
今日の目的はいちゃいちゃデート……などではなく勉強会。
まだもう少し先だが学校のテストに備え、2人で勉強会をする事になった。
しかし男子生徒の成績は決して良いものではなく、彼女は優秀な部類であった為
いつからか勉強を教えてもらう会となっていた。
初めは折り畳みテーブルに2人で向かいあって座って勉強していたが、
目的が変わった事で彼女は男子生徒のすぐ横に座り、男子生徒の解く問題集を覗き込んでいた。
「これはさっきの問題の応用でね――」
男子生徒に問題を教える為にカーペットに座ったまま上半身を傾ける。
彼女が身体を傾けると、ふわりと良い匂いが鼻をくすぐる。
いつも良い匂いがするが今日は一段と心地良く匂う。
「それでここがね――」
決して太くないのに柔らかそうな手で彼女は鉛筆を持ち何かを書き込んでいる。
彼女と付き合い始めてから強く意識してしまう内の一つはその彼女の手。
その手は告白してくる時に耳を舐めながら反対の耳を撫でてきた手。
その後、膨らんだ股間を鎮める為に優しく包み込んでくれた手。
「つまりこれがこうなって――」
その彼女の手を見るとあの日の出来事を思い出す。
今までの人生で無かった衝撃の快感。
脳みその焼ける感覚。
耳を襲う感触。
「だからこうなるの、分かった?」
彼女が顔を見てきて男子生徒はハッと我にかえる。
「…?分かった?」
訝しげな表情で見てくる彼女が男子生徒の目には一段と愛らしく映る。
あの日はこの可愛い彼女が顔を寄せ、耳を舐め、愛を囁いてきた。
あの日は自分の想いは最初は彼女に向いていなかった。
あの日と同じ事がもしも今行われたらどうなるか。
「もう!聞いてないでしょっ!」
「え!?あ、いや、聞いてるよ!うん」
彼女は少し口を尖らせる。
可愛い。
「じゃあ、この復習問題のページ解いてみて!さっきの説明聞いてたら分かるよね」
「え…!?」
男子生徒は問題集を見やる。
いや、たしかに話しに集中は出来ていなかったがこのページの問題なら分かりそうだ。
「わ、分かった」
鉛筆を構える。
まず1問目。
ふぅー。
「――っ!?」
と耳の穴をめがけて優しく細く、風が入り込み耳をくすぐった。
声にならぬ声を上げ、鳥肌が立つ。
「ほら?早く解いてよ」
いつの間にか男子生徒の耳元に口を近付けていた彼女は悪戯気味に囁く。
ふうううううっとじっくり長く息を吹き込む。
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