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2話・無理矢理が好き
6 *
しおりを挟む拒否は、できない。
だから俺は……震えながら、その時を待つ。
黙って高遠原の動きを待つこと、ほんの数秒。
すると。
「っ! お、お前、どこに……っ!」
あまりにも突然の感覚に、俺は情けないほど不安げな声を漏らした。
だって、そんな……ありえないだろ。
――肛門を、指で撫でられるだなんて。
「おまっ、お前……っ! こんなの、正気じゃないっ!」
「ココ使ってヤるんだよ。少しは頭使えっつの」
「お前こそちゃんと考えて――」
窘めるような物言いに腹が立ち、高遠原を睨みつけようとした瞬間。
「い、ぁあ……っ!」
――突然。
――指を、突っ込まれた。
「ひ、うぅ……く、っ!」
おそらく、俺の精液をローション代わりに使ってるんだろう。
さっき指で弄んでいたのは、この伏線だったんだ。
俺の精液で濡れた指を突っ込むと、高遠原はまるで……内側をほぐすかのように、動かしてくる。
「う、ぅ……っ! ぃ、やだ、やだ、ぁ……っ!」
怖いくらい優しい手つき、で。
「うわ……ッ。真冬の締めつけ、ハンパねェな」
「うる、さ――ひっ、ぐ……っ!」
奥まで指を挿入されると、体が勝手に跳ねてしまう。
ビクンと仰け反ると、指の本数が二本――三本に増やされてしまった。
「ふゥん……? 後ろも感じやすいんだな」
「そ、そんなワケ、ない……っ!」
「説得力ねェなァ? これだけ俺様の指に吸いついてるクセして。……なァ、真冬。日頃からココ……弄ってるのか?」
グリグリと、なにかを探るように動かされる、指。
したくないのに、神経が集中してしまう。
「いじ、って……な、い……ん、っ!」
ベッドのシーツを握り、首をゆるゆると横に振って、否定する。
指の動きは一向に止まらず、今もなにかを探しているようだった。
「ぁ、う……っ! はや、く……抜け、ばか、ぁ……っ!」
初めてで未知の感覚に、俺は終わりを望んだ。
――そのときだった。
「――ふ、ぁ……やっ、んんっ!」
――指が、ある一点をかすめたのは。
俺の反応に、高遠原は瞬時に気付く。
「ココ、か……?」
指が、同じところをもう一度擦る。
「ちが、っ! や、あっ!」
『違う』なんて反論したところで、意味はない。
高遠原は俺の声を無視して、弄ぶように指を動かす。
「やだ、あ、ぁ、っ! そこ、も……やめ、っ!」
どうせ、やめてなんかもらえない。
そうとは分かっているのに、俺は何度も『やめろ』と訴える。
だが、ついに。
「ふ、ぁ……っ!」
俺の望みが、叶ったのだ。
突然……高遠原の指が、引き抜かれたことによって。
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