誰かの戯言

アルミ

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『コヨミちゃん、来てくれてありがと~』
夢夢さんが笑顔で私を迎え入れる。
緑が強調される草原でその人は手を振りながら立っていた。

『別にいいよこのぐらい、それで要件は?」
私が本題を切り出せば夢夢さんは白い封筒を何も無い空間からポンッと取り出した。

『この手紙を現世さんに渡して欲しいんだ~』
『何時もの奴ね、了解」
私は夢夢さんから手紙をしっかりと受け取る。

現世さんと夢夢さんはお互いにクソデカ感情が向き合っている位に愛しあっている関係だけど何時でも一緒にいられるわけしゃない。

現世さんと狭間さんと夢夢さんは各々の持ち場について管理者としての責務を果たさなければならない。

何かの運と偶然が合わなければ二人が出会う事もないし、四人で集まれる事はない。

アッチの世界とコッチの世界を行き来出来る私、コヨミだけが三人の連絡を繋ぐ橋渡しの役割を持っている。

現世さんと夢夢さんはお互いに近況報告も兼ねたラブレターを送り合っているらしいけど、正直私には二人で何のやり取りをしているのかサッパリ分からない。

独自の象形文字で文通をしているので読めと言われても流石の私も解読に四苦八苦する。

『狭間さんには手紙は?」
『勿論あるよ、これは狭間兄さんによろしくね』
黒の封筒を夢夢さんから受け取る。
夢夢さんは狭間さんの事をまるで本当の兄みたいに接しており、狭間さんも夢夢さんの事を本当の弟として仲良くやっている所詮、疑似兄弟の関係だ。

それと私は…

『コヨミちゃん、アッチの事教えてよ~それに恋愛用語も行為も知らないんだよ~今度現世さんに会えたら自慢したいんだ~』
疑似妹みたいな扱いかつ、便利な情報屋としてパシられている気がする。
…それに、三人が直に触れられるのは私だけ、だから私を仲介してイチャイチャしだすのは正直勘弁してほしい。
どういう感情で接すればいいのか分からなくなるから。

『ね、ちょっとだけいいでしょ!現世さんロスで辛いんだからさー』
思いっきりハグされているが、力加減が分からないのか私の肋骨が圧迫されて、呼吸が苦しい。
『は…はな…して…しぬ…」
『大丈夫、コヨミちゃんが死ぬことはないよー』

そういう問題じゃないから早く放して。
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