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真実へ

93.二人を繋ぐもの

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 包帯が取れた瞬間、ジンは構えを止めた。



 諦めたように笑ってライガを見ていた。

 その顔は、どこか寂しそうだった。





 ライガは初めて見る彼の顔が、目以外自分に結構似ていることに驚いていた。いや、驚いては居なかったのかもしれない。

 勿論ライガは彼ほど色も白くないし、輪郭も細くない。

 だが、目の色以外の目の形、眉の形が似ていた。



 そう言えば、彼の方が口元は端正だが、鼻の下の部分が似ている。



 ライガの顔は、母親でもなく父親でもない、父の祖母に似ているらしい。

 よく父が言っていた。



「俺にも母さんにも似てないけど、お前は俺の母親そっくりだ。」

「眉の形や、口元何か特にな。」

 父はライガの口元を軽くつつきながら言った。



「俺の母は美人だったから、よかったな。」

 父が笑うと、後ろで母が頬を膨らませていた。



 父は慌てて母に謝っていた。



 ただ、少し顔が似ているなら別の何の問題も無い。



 ジンは決定的な違いがあった。

 彼が王族であって、王族でない証が彼の目に現れていた。



「…鑑目…ですね。」



 ライガの言葉にジンは頷いた。



 ジンが包帯で顔を隠していた理由、王族だが、こんな役割を担った理由。



 王族に出ることのない、鑑目を持っていた。



「ヒロキの言っていた意味が分かった。」

 ジンは清々しい顔をしていた。



 目を細め、嬉しそうだが寂しそうに笑っていた。



「…お前に負けると…吹っ切れた。」

 ジンは、ライガに初めて見せる素顔の優しい笑みを浮かべた。



 ライガは剣を置いた。

 ジンもライガと同じように剣を置いた。



「…話してくれますね。」

 ライガはジンから目を逸らして言った。

 でないと、思ったことをどんどん言ってしまいそうだった。



 ジンは頷いた。



 二人は川辺に座った。

 ミラもライガの横に駆け寄って、二人はジンと向かい合う形になった。



 ジンはミラとライガ、二人を見た。



「…俺の母はお宝様だった。」

 ジンはぽつりと語り始めた。







 



 母は、嫁ぐ前に思い合った者と最後に一回だけ通じた。

 それを母は思い出にして生きていくようだった。



 その時に俺を授かった。

 母は、俺を生んだことにより、不道徳な行いをしたとなじられ、虐待され、俺が幼い時に死んだ。



 王族に出ない鑑目が出たからだ。



 そんな出自だが俺の待遇は違った。



 王族は俺を手放すことや殺すことは避けたかったらしい。



 王族以外の貴族が把握しているお宝様以外に鑑目を持った存在を所有できるからだ。



 俺の出自は、完全に隠されることになった。

 王族の者がどこかの女に産ませた子供とされ、俺は決定的な政治の道具になった。



 王族でも知っているのはごくわずか、今はもう王しか知らない。



 ただ、道具であると同時に疎ましい存在であったのは間違いない。

 誰も嘘を言えない。



 俺は隔離されて育てられた。



 そんな中、王族を守る帝国騎士団が俺の護衛についた。



 その時に俺に付いた騎士の顔を忘れられない。

 彼は俺を見て驚いた顔をした。

 それと同時に、とても悲しそうだった。



 彼が何を思ったのか俺はわからなかった。

 だが、彼が教えてくれる剣は俺を変えた。



 それからその騎士は俺の剣を見てくれた。

 隔離され、疎まれていた俺にとっては、唯一の自分が認められる時だった。



 才能があったのか、俺は直ぐに剣の腕を上げた。



 剣の腕が伸びていくと、俺は騎士になりたいと思った。



 その騎士は、俺を騎士にするように王達に掛け合った。



 俺を隠したい王族だが、騎士団の力が強くなっていることから、条件付きで認められた。

 俺の鑑目を隠すという条件だ。

 そして、俺の傍にはその騎士がつくことだった。



 俺は嬉しかった。

 その騎士は、俺にとって唯一の存在だった。



 彼は、まず俺を一族の元に連れて行った。

 そこで俺は、キョウに会った。



 彼は、俺の祖父だった。

 他人行儀だが、初めて俺は家族を得た。



 彼は俺に外の世界を見せてくれた。

 俺は彼のようになりたくて剣の腕を磨くように励んだ。



 一族のために動いていた彼と一緒に皇国に行った時だ。

 皇国の大臣に俺を合わせて、鑑目の保護を訴えた。

 その時、俺はヒロキに会った。



 最初は俺は、あいつを女と間違えたが、あいつは俺に取って初めての同世代の友人だった。彼も俺と同じだった。



 そして、大臣は殺され、ヒロキも命の危機に陥った。

 俺と騎士の彼は、ヒロキの両親に頭を下げられた。



 皇国で一族を守ることは出来ない。

 絶対に利用される。

 それに、自分達もいずれ殺される。

 だから守ることは出来ない。



 というものだった。



 そして、その時にヒロキを守ってくれと言われた。



 俺達のせいで彼らは死ぬことになった。

 ヒロキを助けるのは当然だった。

 それに、俺にとってあいつは友人だけでなかった。

 保護しないといけない、守らないといけないと思える兄弟のような存在だった。



 ヒロキを保護し、俺達は帝国に戻った。



 新たな家族のような存在を得て、俺は気付き始めた。



 俺に剣を教えている騎士の不自然さを。



 剣の腕も俺はもう彼を抜いていると自覚していた。

 彼に聞きたいことがあった。

 だが、どうしてもこの目を使って聞くのが嫌だった。



 俺は、彼に決闘を挑んだ。



 その時の彼の顔は嬉しそうだが、寂しそうだった。



 彼との決闘は俺が勝った。

 この包帯をしている状態で勝つことで、完全に彼より上であることを示した。

 そこで王族は俺を団長に祭り上げたが、俺はどうしても彼と話したかった。



 俺は、決闘の後、彼を呼び出した。



 彼は俺の呼び出しに応じた。

 その時の彼の顔は清々しく、嬉しそうにしていた。



「…流石、俺の息子だ。」

 彼は俺を見て微笑んだ。

 欲しかった言葉なのに、俺は彼に言われたその言葉がとても許せなかった。



 俺は全身の血が逆流するかと思った。

 自分がどんな気持ちで暮らしていたか、母がどんなふうに死んだか、王族がどんな者達か。



 全てぶちまけた。

 彼に剣を振り、ヒロキに止められるまで彼を斬りつけた。



 その時の彼の顔は忘れない。



 母の死の真相を聞いた時の彼の顔は…



 









 ジンはライガを見た。



 ライガもジンを見た。

 ミラはライガの手を握って下を向いていた。



「…団長は…俺の兄なんですね。」

 ライガはジンを見た。



 ジンはゆっくりと頷いた。

「…そうだ。俺は、お前の兄だ。」





「…何で、団長は王族に従ったんですか?だって…」



「俺は、父を…前団長を引きずり下ろしたのを後悔していた。彼は俺よりも団長に相応しかった。」

 ジンは自嘲的に笑った。



「過去形…、団長は…もしかして…」



「俺は殺していない。いや、ある意味殺したのかもしれない。」

 ジンは悲しそうだった。



「…団長の母親の死…、一体何があったのですか?」



「…俺の母は、俺の父に殺された。」



「はあ?」

 ライガは思わず声を裏返した。



「…王族の方だ。血縁上は父ではないが、名目上は父だ。」

 ジンは顔を手で押さえた。



「あの日は、いつもよりもひどかった。父は母をなじり、侮辱し…辱めて…度が過ぎて…」

 ジンは口を歪めていた。



「…団長は、それを…見て…」



 ジンは頷いた。



 ライガの手を握るミラの手が強張った。



 ライガはミラを見た。



「…ひどい…」

 ミラは悲痛な顔をしていた。



「それを聞いて、彼はおかしくなった。…おそらく、彼にとってやはり母は最愛の人だったらしい。」

 ジンはライガを申し訳なさそうに見た。



「俺のいらない言葉が、お前から父親を奪った。妻子のある男を壊した。」

 ジンはライガの方を見て姿勢を正した。



「…父さんは…何を…」



「俺の父を殺した。」

 ジンは少しだけ口元に笑みを浮かべた。



「え?」



「王族が隠していることだ。帝国騎士団の前団長が王族を殺した。人望のあった彼の行いが騎士団の暴走を招くのではないかと隠された。そして、俺はその行いを繰り返さないため騎士団を王族と離して、なおかつ族長の孫である俺は一族のパイプ役を担うことになった。」

 ジンは投げやりに言った。



「何で、団長はそんな役割を…」



「俺には騎士団しかなかった。そして、後悔があったからか…」

 ジンは寂しそうに呟いた。



「…でも、団長には…ヒロキさんがいるじゃないですか?」

 ライガはジンを励ますように言った。



 父の失踪の原因を聞いても、ライガはジンを責めることは考えられなかった。



 それよりも、王族に対して父が恨みを抱いたことに納得してしまった。

 母がいるにも関わらずというのがよぎるが、ミラと言う存在を持っているライガは父に共感した。



「…」

 ジンは俯いた。



「…団長?」

 ライガはジンの顔を覗き込んだ。





 ガガガ

 ドゴン



 村の方から異様な音が響いた。



 ライガとジンは立ち上がって剣を持った。



「…一体…」

 ライガは辺りを見渡した。



 ジンは素早く顔に包帯を巻いた。どうやらキョウ以外の村の者はジンが鑑目を持っていることを知らないようだ。



「ミラ。ここで隠れていて。」

 ライガはミラに動かずに隠れているように言った。



「…わかった。」

 ミラは頷いた。



 ライガとジンは頷き合って村の方に向かった。



 





 村の方に行くと、何やら人影が見える。

 沢山の人影だ。



 そして、幾つかの馬車が止まっている。



「…何だ?これ…」

 ライガは姿の見えない一族の者達を探した。



「…皇国軍だ…」

 ジンは口元を歪めていた。



「え?…どうして…」



「前団長が残した繋がりはまだあったらしい。…一族の者が、皇国に特権階級を条件に亡命したがっているらしい…が、まさか今日だとは…」

 ジンは歯軋りをしていた。



「亡命…でも、どうや…」

 ライガは物陰に隠れ村の様子をジンと窺っていた。

 見渡していると、見つけてしまった。



「団長…キョウさんが…」

 ライガはジンの肩を叩いた。



 彼にはおそらく見えていないだろう。



「…何があった?」



「…倒れています。」

 ライガは控えめに言った。



 キョウは、家の前で倒れていた。

 血まみれで。



 ジンは顔色を変えて、キョウの元に走った。

 見つかるとか気にしている様子はなく、必死な様子だった。



「団長!!」

 ライガは慌ててジンを止めようとした。



 やはり、皇国軍の集団はジンに気付いた。



 ジンは剣を構え、皇国軍の集団に斬りかかった。



 強い。

 辺り一帯が血の海になるのに時間はかからなかった。



 ライガに対して手を抜いていたというよりかは、思うものが違うようだった。



 ジンは一通り倒すとキョウの元に向かった。



 血だらけのキョウを抱き起した。



「…団長殿…?」

 キョウはジンを見て優しく微笑んだ。



「…死ぬな。お前まで…」

 ジンは悲痛な顔をしていた。



「…早く…逃げて…」

 キョウはジンの後ろを指さした。





 ガギン



 ジンに向けられた剣撃をライガが防いだ。



「ライガ…」

 ジンは驚いたようにライガを見た。



「油断しないでください!!」

 ライガは剣を弾いて言った。



 ジンに斬りかかった皇国軍の男はライガと距離を取った。

「お前もここにいたのか…」

 彼はライガを見て驚いていた。



 ライガはその男を見て驚いた。

「アシ…」



 彼は、ライガの逃亡に協力を持ちかけ、協力を無理やりでも続けた皇国の襲撃犯の一人だった。



「何で仲がいいのか分からないけど…ってことは、ミラちゃんもいるんだ。」

 アシは嬉しそうに微笑んだ。



 ジンはライガを見た。



「今すぐ逃げろ!!」



 ライガの腕を引き、元居た方へ、ミラの元に行くようにジンは言った。



 アシは皇国軍の集団に何かを探すように指示を始めた。



 ライガは慌ててミラの元に向かった。



 アシはジンを見て笑った。

「そうだ…団長さん。」

 アシは懐から一つの小刀を出した。



 ライガもそれを見た。



 黒くなった血で汚れている小刀だった。



「あんたの人形、とても美しかったよ。」

 アシはとても楽しそうに笑った。





「お前…お前が!!」

 彼の言葉を聞いた途端、ジンの顔が変わった。



「これでの傷が、致命傷だろ?」

 アシはジンに見せつけるように小刀に頬ずりした。



 ライガは彼が何を言っているのかわからなかった気がした。

 だが、ジンの表情の変化と…



「お前…まさか。」

 ライガはアシを見た。





「ライガさん!!早くあの子の元に!!」

 キョウが途切れ途切れの息の中叫んだ。



 ライガは慌ててミラの元に向かった。



 だが、ジンとアシの会話は…



「ダメだ!!」

 ライガはミラのことだけ考えた。



 何があっても、守らないといけない。



 だが、不思議と涙が溢れてきた。



 ライガは涙を拭い、ミラの元に走った。



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