2 / 27
1話「妹たちと朝」
しおりを挟む
俺の朝は決まってこう始まる。 どう始まるかって? 毎朝妹が起こしにくるのだ。
「ダーッイブ! 陽兄! 起っきろー!」
「うう……重い。 茜、俺の上に乗っかるな……」
俺の双子の妹、高崎茜たかさきあかねが俺を起こしにやってきた。 決まっていつもこうやって俺の上にダイブして起こしてくるのだ。
「陽兄が起きないからいけないんだよー! 早くおっきしないと学校間に合わないよー?」
茜はそう言いながら俺の上に跨り、体を上下に弾ませる。
「分かった分かった! 起きるからぴょんぴょんするのはやめてくれ!」
茜はニヒヒっと笑い、よいしょっとベッドから降りた。
茜は黒髮のショートカットで目の下に泣きぼくろがある。 目鼻口は整っており、兄の俺がいうのも何だがかなりの美人だ。
「ちょっと兄さん! 早く起きないと学校遅刻するわよ! 茜も!」
声の方を見るとそこにはもう一人の妹である、高崎智咲たかさきちさきが険しい表情で腕を組んでいる。
「ちーちゃんそんなに怒ってたら顔にシワ増えちゃうよー」
茜はニヒヒっと笑う。
「うるさいわね! いいから兄さん、茜! 朝ごはん食べなさい!」
茜に煽られ、智咲は更に険しい顔になる。
黒髮ロングで、茜と同じく目鼻口が整っており、かなりの美人だ。
ちなみに二人は一卵性双生児であり、顔はそっくりである。 見分け方は目の下に泣きぼくろがあるか、髪型だ。
俺たちは朝ごはんを食べためダイニングへと向かった。
「おー、今朝はハムエッグだ! これちーちゃんが作ったの?」
「そうよ、感謝して食べなさい」
茜の問いに智咲は誇らしげに答える。
最近母さんから教わった料理でたまに俺と茜のために作ってくれる。
「いつもありがとな、智咲」
俺は智咲にそう言ってハムエッグを口に運ぶ。 美味い。
「べ、別に……自分の朝ごはん作るついでよ!」
「出たー、ちーちゃんのツンデレー」
「っ! 茜うるさい! 黙って食べてなさい!」
「ははは、二人とも仲良くしろよなー」
俺はそう言って朝食を食べている二人を見つめる。
……今日は二人の誕生日、今日伝えると決めたのだ。 父さんと母さんからは了承を得ている。 中学生になった二人になら受け止められる事実だと信じて。
朝食を食べ終え、3人で片付けをし、学校へ行く準備をした。
「陽兄ー、いってきますのチュー」
そう言って茜は俺の首へとキスをしてきた。
「ニヒヒっ。 キスマークつけちゃった~これで陽兄に学校の女の子は近づかないね!」
そう言って笑って俺の顔を覗き込む茜。
「あほか! 跡ついてるのか? どうすんだよこれ!」
「ふ、二人とも私の前で何してんのよ! 変態!」
怒りを露わにする智咲。
「ちーちゃんやきもちー? 言っとくけど陽兄は茜のだからねー」
「や、やきもちなわけないじゃない! ……ていうか兄さん! まんざらでもなさそうな顔してるんじゃないわよ!」
俺としたことが妹にキスマークをつけられ建前で嫌がっていたが、無意識にニヤついてしまっていたようだ。
「す、すまん! は、早く学校行こうぜ!」
俺はそう言って逃げるように家を出た。
「こら兄さん待ちなさい!」
「陽兄待って~」
これが俺たち兄妹の朝だ。
「ダーッイブ! 陽兄! 起っきろー!」
「うう……重い。 茜、俺の上に乗っかるな……」
俺の双子の妹、高崎茜たかさきあかねが俺を起こしにやってきた。 決まっていつもこうやって俺の上にダイブして起こしてくるのだ。
「陽兄が起きないからいけないんだよー! 早くおっきしないと学校間に合わないよー?」
茜はそう言いながら俺の上に跨り、体を上下に弾ませる。
「分かった分かった! 起きるからぴょんぴょんするのはやめてくれ!」
茜はニヒヒっと笑い、よいしょっとベッドから降りた。
茜は黒髮のショートカットで目の下に泣きぼくろがある。 目鼻口は整っており、兄の俺がいうのも何だがかなりの美人だ。
「ちょっと兄さん! 早く起きないと学校遅刻するわよ! 茜も!」
声の方を見るとそこにはもう一人の妹である、高崎智咲たかさきちさきが険しい表情で腕を組んでいる。
「ちーちゃんそんなに怒ってたら顔にシワ増えちゃうよー」
茜はニヒヒっと笑う。
「うるさいわね! いいから兄さん、茜! 朝ごはん食べなさい!」
茜に煽られ、智咲は更に険しい顔になる。
黒髮ロングで、茜と同じく目鼻口が整っており、かなりの美人だ。
ちなみに二人は一卵性双生児であり、顔はそっくりである。 見分け方は目の下に泣きぼくろがあるか、髪型だ。
俺たちは朝ごはんを食べためダイニングへと向かった。
「おー、今朝はハムエッグだ! これちーちゃんが作ったの?」
「そうよ、感謝して食べなさい」
茜の問いに智咲は誇らしげに答える。
最近母さんから教わった料理でたまに俺と茜のために作ってくれる。
「いつもありがとな、智咲」
俺は智咲にそう言ってハムエッグを口に運ぶ。 美味い。
「べ、別に……自分の朝ごはん作るついでよ!」
「出たー、ちーちゃんのツンデレー」
「っ! 茜うるさい! 黙って食べてなさい!」
「ははは、二人とも仲良くしろよなー」
俺はそう言って朝食を食べている二人を見つめる。
……今日は二人の誕生日、今日伝えると決めたのだ。 父さんと母さんからは了承を得ている。 中学生になった二人になら受け止められる事実だと信じて。
朝食を食べ終え、3人で片付けをし、学校へ行く準備をした。
「陽兄ー、いってきますのチュー」
そう言って茜は俺の首へとキスをしてきた。
「ニヒヒっ。 キスマークつけちゃった~これで陽兄に学校の女の子は近づかないね!」
そう言って笑って俺の顔を覗き込む茜。
「あほか! 跡ついてるのか? どうすんだよこれ!」
「ふ、二人とも私の前で何してんのよ! 変態!」
怒りを露わにする智咲。
「ちーちゃんやきもちー? 言っとくけど陽兄は茜のだからねー」
「や、やきもちなわけないじゃない! ……ていうか兄さん! まんざらでもなさそうな顔してるんじゃないわよ!」
俺としたことが妹にキスマークをつけられ建前で嫌がっていたが、無意識にニヤついてしまっていたようだ。
「す、すまん! は、早く学校行こうぜ!」
俺はそう言って逃げるように家を出た。
「こら兄さん待ちなさい!」
「陽兄待って~」
これが俺たち兄妹の朝だ。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
見知らぬ男に監禁されています
月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。
――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。
メリバ風味のバッドエンドです。
2023.3.31 ifストーリー追加
婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい
棗
恋愛
婚約者には初恋の人がいる。
王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。
待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。
婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。
従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。
※なろうさんにも公開しています。
※短編→長編に変更しました(2023.7.19)
【完結】帰れると聞いたのに……
ウミ
恋愛
聖女の役割が終わり、いざ帰ろうとしていた主人公がまさかの聖獣にパクリと食べられて帰り損ねたお話し。
※登場人物※
・ゆかり:黒目黒髪の和風美人
・ラグ:聖獣。ヒト化すると銀髪金眼の細マッチョ
酔って幼馴染とやっちゃいました。すごく気持ち良かったのでそのままなし崩しで付き合います。…ヤンデレ?なにそれ?
下菊みこと
恋愛
酔って幼馴染とやっちゃいました。気付いたら幼馴染の家にいて、気付いたら幼馴染に流されていて、朝起きたら…昨日の気持ち良さが!忘れられない!
…え?手錠?監禁?ジョークだよね?
んん?幼馴染がヤンデレ?なにそれ?まさかー。
小説家になろう様、ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
幸せなのでお構いなく!
棗
恋愛
侯爵令嬢ロリーナ=カラーには愛する婚約者グレン=シュタインがいる。だが、彼が愛しているのは天使と呼ばれる儚く美しい王女。
初対面の時からグレンに嫌われているロリーナは、このまま愛の無い結婚をして不幸な生活を送るよりも、最後に思い出を貰って婚約解消をすることにした。
※なろうさんにも公開中
転生先が羞恥心的な意味で地獄なんだけどっ!!
高福あさひ
恋愛
とある日、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを知ってしまったユーフェミア。そこは前世でハマっていたとはいえ、実際に生きるのにはとんでもなく痛々しい設定がモリモリな世界で羞恥心的な意味で地獄だった!!そんな世界で羞恥心さえ我慢すればモブとして平穏無事に生活できると思っていたのだけれど…?※カクヨム様、ムーンライトノベルズ様でも公開しています。不定期更新です。タイトル回収はだいぶ後半になると思います。前半はただのシリアスです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる