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02 紫ヒヤシンス:悲しみ
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パーヴェルは教会に出かけ、ワレリーは仕事に向かった。
家に残されたガリーナは、まだ幼児である息子のニコライを連れて玄関まで来ていた。
息子のニコライは綺麗なストレート髪を背中まで伸ばし、オッドアイを持っている。
左はガリーナの様に美しい青の瞳を、右には琥珀の様な美しい黄の瞳を。
髪や美しい瞳はガリーナ似、髪色や目元や肌色はパーヴェル似の、二人の間に産まれた子供。
ガリーナは、ニコライの右目を隠すように眼帯を付ける。
「外では大人しくしているのよ?
今度外に出た事がワレリーさんにバレたら、あなただけじゃなく私も何て言われるか…」
パーヴェルからは、ニコライを外に出す事を禁じられている様だ。
「そと!マーマ!」
ニコライは表情は変えずとも、元気に言った。
するとガリーナはニコライの体に目がつく。
ニコライの体は惨いと思うほど、怪我とアザだらけなのだ。
「外で怪我したの?…もう…落ち着いて行動してよね。」
「マーマ!おやつ!レモンパイ!」
ニコライは気にせず言うと、ガリーナはニコライの髪を結びながら答えた。
「レモンはなかなか仕入れられないんだよ。アップルパイならいいわよ。」
「レモンパイ!」
返事をすればいいのに、ニコライは返事ではなく食べ物を答える。
それにガリーナは微笑むと、ニコライは髪を結び終えたと同時に走って外に飛び出してしまった。
「あ!待ってニコライ!」
ガリーナはニコライを追いかけると、ニコライは早速転んでしまう。
ニコライは泣きもせず平気な顔で立ち上がるが、着せられた服が砂だらけに。
ガリーナは困った様子で服の砂を払うが、ニコライはガリーナから離れようとする。
「いえヤダ!」
「言われなくともまだ帰らないわよ…」
「ヤダ!」
「んもう…いい加減、言葉の意味を理解して欲しいわ…」
ガリーナは言葉が通じていない事に困ってしまうと、ニコライは再び走り出した。
ニコライの勢いに疲れつつ、ガリーナはニコライを追いかける。
(若いなぁ…。)
早朝でまだ人が通らない中、ニコライが走る先にワレリーを発見。
それを確認したガリーナは目を見開く。
「大変…!」
ガリーナは急いでニコライを捕まえると、ワレリーは二人に気づく。
「おやガリーナ、また会いましたね。ニコライもおはようございます。」
ワレリーはそう言ってニコライに近づくと、ガリーナはニコライとワレリーを離す。
「ごめんなさい。この子、人にすぐ噛み付いちゃうの…」
「おや、犬の真似でもしてるんですか?」
ワレリーの問いを傍に、ニコライはワレリーに両手を伸ばして言った。
「レモン!レモンー!」
ニコライはなぜか、ワレリーを見てレモンと叫ぶ。
それを聞いたガリーナは苦笑。
「人間が食べ物に見えてしまうみたいで…」
ワレリーは口をポカンと開けると、次にクスッと笑った。
「これはこれは、想像力が豊かな子供ですね。」
ガリーナは辛うじて笑っていると、隙を見てニコライはガリーナを振り切って逃げる。
「こらニコライ!」
ガリーナは言ったが、その言葉に威厳はない。
ニコライは走っていると、近くを歩いていた子供に飛びつく。
子供はニコライが飛びついてくると驚いた。
「イヤーッ!」
子供の悲鳴を聞いてガリーナはヒヤッとすると、その光景に驚く。
ニコライが自分より大きな子供の腕に噛み付いているのだ。
ニコライは子供を食べようとしているのか、一度力を抜いてから再び噛み付く。
子供の腕からは血が滲み、大泣きしていた。
「やめてニコライ!」
ガリーナはそう言ったが、ニコライには聞こえていない。
大泣きしている子供を見て、ニコライはなんと拳で相手を殴る。
「うるさい!」
ガリーナはニコライに駆け寄ると、子供から離した。
「「うるさい」じゃないわニコライ!そんな事しちゃダメでしょ!離れなさい!」
「うるさい!ニコライ!」
ニコライはそう言って怒るが、ガリーナは参った顔を見せる。
「それはあなたの名前でしょ…!
もう止めて!あなたはいつもいつも近所の子に酷い事を…!」
それでもニコライは子供を虐めるのを止めない。
ワレリーもニコライに言う。
「おやめなさい、相手は痛がっていますよ?」
ニコライはそれでも噛み付こうとするので、ガリーナは目に涙を浮かべる。
(…ニコライやめて…!なんでいつもこんな事を……!)
するとガリーナはニコライの眼帯を見つめた。
(悪魔の瞳…。
黄色い目を持った者は、悪魔の生まれ変わり…だからニコライは誰の言う事も聞かないんだわ…!)
ニコライの右目の黄色の瞳。これを持つ人間は悪魔と呼ばれ、村では悪魔の生まれ変わりとして処刑されるほどのもの。
子供の泣き声に加え、言う事を聞いてくれない息子、ガリーナは完全にパニックになっていた。
ワレリーは泣いたガリーナを見て冷や汗。
(あなたが泣くとまた不祝儀が…)
「お願い…もうやめて…」
ガリーナの涙が落ちた瞬間だった、遠くから鷲が飛んでくる。
一同は気づかずにいると、なんと鷲がニコライを捕まえて飛び去った。
それに気づいてガリーナは空を見上げて唖然とすると、ワレリーは反射的にニコライを追いかける。
「お待ちなさい!」
ガリーナは再び目に涙を溜めると、ワレリーは大声でガリーナに言った。
「泣いてはなりませんッ!あなたの涙で、ニコライが死んだらどう始末をつけてくれるのですかっ!」
ガリーナはその言葉に目を見開いて呆然とする。
理由は簡単だ。いつも穏やかな声で話しかけてくる彼が、急に声を張ったからである。
不思議と、彼女の涙は止まっていた。
ワレリーは鷲を見上げて険しい顔を見せる。
常に閉じていた目は開き、ワレリーの目は小さい瞳の四白眼。
弟のパーヴェルと違ってその目は、一言で言うと怖い。
(こんな高い所を飛んでいては…どうにかしてニコライに抵抗してもらわないと!)
ワレリーは思考を巡らすと、ある事を思いつく。
(そう言えばニコライは人が食べ物に見えるから噛み付くんでしたね…では鳥だとどうなるでしょうか…)
「ニコライ!あなたの上にいるソレは一体なんですか!?」
ワレリーがそう聞くと、ニコライはワレリーの視線に反応する。
鷲に捕まっていたニコライは空を見上げ、鷲を見ると元気に言った。
「ねっこ!」
(ねっこ…?)
ワレリーはわからず微妙な反応をしていると、ニコライは食べようとしているのか口を開けていた。
そして鷲の首を強く掴むと、鷲は驚いてニコライを落としてしまう。
宙に放たれたニコライ、このままではニコライが地面に落下してしまう。
するとワレリーは、大声を上げて全力で駆けた。
村の花畑を走っていたワレリーは、多くの花を散らしながら走る。
「うおおおおおおおっ!」
目を見開き大声を上げ、まるで命をかけているよう。
さっきまでの穏やかさからは想像できない形相で、ニコライに追いつこうとするワレリー。
その気合のお陰か、間一髪のところでニコライをキャッチした。
そしてガリーナの元へ帰ると、ガリーナは感動して涙を流してしまう。
「ありがとう…!パーヴェルくん…!」
ワレリーは息を切らせて安心していると、ガリーナを見てギョッとした。
「あ、あの。泣かないでくださいガリーナ。」
ワレリーの声は半分死んでいる。
(私が苦労してニコライを助けた意味がなくなってしまいます。)
顔を若干青くしてワレリーは思ったが、ガリーナは感動の涙が止まらないらしい。
するとニコライはワレリーを見て言う。
「レモン!」
そしてワレリーの腕に思い切り噛み付くので、ワレリーは痛くて声を上げてしまう。
「いっ!」
更に疲れたのか、噛み付かれたままその場で座り込んだ。
「パーヴェルくん!」
そう言ってガリーナは駆け寄る。
ワレリーは苦しそうに言った。
「は…早くニコライを…!」
「ええ!ニコライ、離れなさい。」
しかしニコライは、噛んだまま離れない。
ワレリーの腕から血が滲むと、それを見たガリーナは「ひぃっ」と再び目に涙を溜める。
ワレリーはそれに気づくと言った。
「ああ、もう泣かなくてもよろしいですよ!擦り傷なので!」
そう言って血を隠し、ガリーナのご機嫌を伺っているのであった。
家に残されたガリーナは、まだ幼児である息子のニコライを連れて玄関まで来ていた。
息子のニコライは綺麗なストレート髪を背中まで伸ばし、オッドアイを持っている。
左はガリーナの様に美しい青の瞳を、右には琥珀の様な美しい黄の瞳を。
髪や美しい瞳はガリーナ似、髪色や目元や肌色はパーヴェル似の、二人の間に産まれた子供。
ガリーナは、ニコライの右目を隠すように眼帯を付ける。
「外では大人しくしているのよ?
今度外に出た事がワレリーさんにバレたら、あなただけじゃなく私も何て言われるか…」
パーヴェルからは、ニコライを外に出す事を禁じられている様だ。
「そと!マーマ!」
ニコライは表情は変えずとも、元気に言った。
するとガリーナはニコライの体に目がつく。
ニコライの体は惨いと思うほど、怪我とアザだらけなのだ。
「外で怪我したの?…もう…落ち着いて行動してよね。」
「マーマ!おやつ!レモンパイ!」
ニコライは気にせず言うと、ガリーナはニコライの髪を結びながら答えた。
「レモンはなかなか仕入れられないんだよ。アップルパイならいいわよ。」
「レモンパイ!」
返事をすればいいのに、ニコライは返事ではなく食べ物を答える。
それにガリーナは微笑むと、ニコライは髪を結び終えたと同時に走って外に飛び出してしまった。
「あ!待ってニコライ!」
ガリーナはニコライを追いかけると、ニコライは早速転んでしまう。
ニコライは泣きもせず平気な顔で立ち上がるが、着せられた服が砂だらけに。
ガリーナは困った様子で服の砂を払うが、ニコライはガリーナから離れようとする。
「いえヤダ!」
「言われなくともまだ帰らないわよ…」
「ヤダ!」
「んもう…いい加減、言葉の意味を理解して欲しいわ…」
ガリーナは言葉が通じていない事に困ってしまうと、ニコライは再び走り出した。
ニコライの勢いに疲れつつ、ガリーナはニコライを追いかける。
(若いなぁ…。)
早朝でまだ人が通らない中、ニコライが走る先にワレリーを発見。
それを確認したガリーナは目を見開く。
「大変…!」
ガリーナは急いでニコライを捕まえると、ワレリーは二人に気づく。
「おやガリーナ、また会いましたね。ニコライもおはようございます。」
ワレリーはそう言ってニコライに近づくと、ガリーナはニコライとワレリーを離す。
「ごめんなさい。この子、人にすぐ噛み付いちゃうの…」
「おや、犬の真似でもしてるんですか?」
ワレリーの問いを傍に、ニコライはワレリーに両手を伸ばして言った。
「レモン!レモンー!」
ニコライはなぜか、ワレリーを見てレモンと叫ぶ。
それを聞いたガリーナは苦笑。
「人間が食べ物に見えてしまうみたいで…」
ワレリーは口をポカンと開けると、次にクスッと笑った。
「これはこれは、想像力が豊かな子供ですね。」
ガリーナは辛うじて笑っていると、隙を見てニコライはガリーナを振り切って逃げる。
「こらニコライ!」
ガリーナは言ったが、その言葉に威厳はない。
ニコライは走っていると、近くを歩いていた子供に飛びつく。
子供はニコライが飛びついてくると驚いた。
「イヤーッ!」
子供の悲鳴を聞いてガリーナはヒヤッとすると、その光景に驚く。
ニコライが自分より大きな子供の腕に噛み付いているのだ。
ニコライは子供を食べようとしているのか、一度力を抜いてから再び噛み付く。
子供の腕からは血が滲み、大泣きしていた。
「やめてニコライ!」
ガリーナはそう言ったが、ニコライには聞こえていない。
大泣きしている子供を見て、ニコライはなんと拳で相手を殴る。
「うるさい!」
ガリーナはニコライに駆け寄ると、子供から離した。
「「うるさい」じゃないわニコライ!そんな事しちゃダメでしょ!離れなさい!」
「うるさい!ニコライ!」
ニコライはそう言って怒るが、ガリーナは参った顔を見せる。
「それはあなたの名前でしょ…!
もう止めて!あなたはいつもいつも近所の子に酷い事を…!」
それでもニコライは子供を虐めるのを止めない。
ワレリーもニコライに言う。
「おやめなさい、相手は痛がっていますよ?」
ニコライはそれでも噛み付こうとするので、ガリーナは目に涙を浮かべる。
(…ニコライやめて…!なんでいつもこんな事を……!)
するとガリーナはニコライの眼帯を見つめた。
(悪魔の瞳…。
黄色い目を持った者は、悪魔の生まれ変わり…だからニコライは誰の言う事も聞かないんだわ…!)
ニコライの右目の黄色の瞳。これを持つ人間は悪魔と呼ばれ、村では悪魔の生まれ変わりとして処刑されるほどのもの。
子供の泣き声に加え、言う事を聞いてくれない息子、ガリーナは完全にパニックになっていた。
ワレリーは泣いたガリーナを見て冷や汗。
(あなたが泣くとまた不祝儀が…)
「お願い…もうやめて…」
ガリーナの涙が落ちた瞬間だった、遠くから鷲が飛んでくる。
一同は気づかずにいると、なんと鷲がニコライを捕まえて飛び去った。
それに気づいてガリーナは空を見上げて唖然とすると、ワレリーは反射的にニコライを追いかける。
「お待ちなさい!」
ガリーナは再び目に涙を溜めると、ワレリーは大声でガリーナに言った。
「泣いてはなりませんッ!あなたの涙で、ニコライが死んだらどう始末をつけてくれるのですかっ!」
ガリーナはその言葉に目を見開いて呆然とする。
理由は簡単だ。いつも穏やかな声で話しかけてくる彼が、急に声を張ったからである。
不思議と、彼女の涙は止まっていた。
ワレリーは鷲を見上げて険しい顔を見せる。
常に閉じていた目は開き、ワレリーの目は小さい瞳の四白眼。
弟のパーヴェルと違ってその目は、一言で言うと怖い。
(こんな高い所を飛んでいては…どうにかしてニコライに抵抗してもらわないと!)
ワレリーは思考を巡らすと、ある事を思いつく。
(そう言えばニコライは人が食べ物に見えるから噛み付くんでしたね…では鳥だとどうなるでしょうか…)
「ニコライ!あなたの上にいるソレは一体なんですか!?」
ワレリーがそう聞くと、ニコライはワレリーの視線に反応する。
鷲に捕まっていたニコライは空を見上げ、鷲を見ると元気に言った。
「ねっこ!」
(ねっこ…?)
ワレリーはわからず微妙な反応をしていると、ニコライは食べようとしているのか口を開けていた。
そして鷲の首を強く掴むと、鷲は驚いてニコライを落としてしまう。
宙に放たれたニコライ、このままではニコライが地面に落下してしまう。
するとワレリーは、大声を上げて全力で駆けた。
村の花畑を走っていたワレリーは、多くの花を散らしながら走る。
「うおおおおおおおっ!」
目を見開き大声を上げ、まるで命をかけているよう。
さっきまでの穏やかさからは想像できない形相で、ニコライに追いつこうとするワレリー。
その気合のお陰か、間一髪のところでニコライをキャッチした。
そしてガリーナの元へ帰ると、ガリーナは感動して涙を流してしまう。
「ありがとう…!パーヴェルくん…!」
ワレリーは息を切らせて安心していると、ガリーナを見てギョッとした。
「あ、あの。泣かないでくださいガリーナ。」
ワレリーの声は半分死んでいる。
(私が苦労してニコライを助けた意味がなくなってしまいます。)
顔を若干青くしてワレリーは思ったが、ガリーナは感動の涙が止まらないらしい。
するとニコライはワレリーを見て言う。
「レモン!」
そしてワレリーの腕に思い切り噛み付くので、ワレリーは痛くて声を上げてしまう。
「いっ!」
更に疲れたのか、噛み付かれたままその場で座り込んだ。
「パーヴェルくん!」
そう言ってガリーナは駆け寄る。
ワレリーは苦しそうに言った。
「は…早くニコライを…!」
「ええ!ニコライ、離れなさい。」
しかしニコライは、噛んだまま離れない。
ワレリーの腕から血が滲むと、それを見たガリーナは「ひぃっ」と再び目に涙を溜める。
ワレリーはそれに気づくと言った。
「ああ、もう泣かなくてもよろしいですよ!擦り傷なので!」
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