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07 悪魔に産まれた事
072 ケリスの葛藤。
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ワレリーの部屋にて。
ワレリーは目覚めた。
ぼやける視界。
ベッドの横には、椅子に座って泣きじゃくるケリスの姿があった。
「ケリス…?」
ケリスは気づくと、泣きながら謝罪した。
「申し訳ありません牧師様…!ケリスが失態したばかりに…!」
ワレリーは何事かと思っていると、部屋にフレノアが入ってきた。
フレノアは言う。
「牧師様、なんでコソコソ血を抜いてた事を言わなかったんですか?
秘密にされちゃうのは、私達悪魔も悲しくなるわ。」
「言わなかった理由は…」
「無駄に心配かけたくなかった、でしょ。」
フレノアが言うと、ワレリーは少し黙った。
ワレリーは首を横に振る。
「そうではありませんよ。」
「嘘おっしゃい。」
強めに言われたので、ワレリーは思わず溜息。
それから鼻で「ふふ」と笑った。
「そうケリスを責めないであげてください。
私が念押しして黙らせたのですから。悪魔は、主人の言う事は絶対なのですよ。」
「そんなの、人間の私達からしたらわからない事だわ。」
「では理解してあげなさい。ケリスもなかなか皆さんと馴染めなくて、悲しい思いをしていますから。」
「そうかしら。」
フレノアがそう言うと、ワレリーはケリスを見た。
ケリスはワレリーの視線に驚くと、ワレリーは眉を困らせた。
「ケリス、…また私に怯えているのですか?」
ケリスは黙ってしまうと、フレノアは首を傾げる。
「なんでかしら。ケリスはなんだかんだ心を閉ざしているわね。
どうしたの?何かあるなら、私達に言ってごらんなさい。」
しかしケリスは言いづらい様子。
ケリスはさっきから、ワレリーの目をチラチラと見ていた。
ワレリーは思わず言った。
「まさか、私は嫌われているのですか?」
「ち、違います!!」
ケリスは言うが、それはワレリーは困らせるだけ。
「では、なぜ私を見て答えなくなるのですか。」
「そ、それは…」
ケリスはそう言うと、答えたくないのか黙ってしまう。
フレノアは呆れてしまうと、ケリスは思い切って言った。
「えっと!…牧師様の過去で、ケリスは色々思うところがあって…
牧師様は、人に過去を話そうとしないので……言ってもいいのやら…」
ケリスが言うと、ワレリーは驚いたような顔。
フレノアは首を傾げていた。
するとワレリーは微笑み、ケリスに言う。
「いいでしょう。皆さんに話しても結構ですよ。」
ケリスは顔色を伺うようにワレリーの顔を見ると、ワレリーは頷いた。
ワレリーは続ける。
「皆さんを集めて、ケリスの口から教えてもらいましょうか。」
「え…!みんなの前で…!?」
ケリスが怯えた様子で言うと、ワレリーは頷いた。
地下のリビングに教会のみんなが集まると、ケリスは緊張の表情を浮かべた。
フューレンは事の顛末を聞き、ワレリーに言う。
「だからってこんな公開処刑みたいにしなくていいだろ。」
ワレリーは席に着きながらも、紅茶を嗜む。
「ケリス。あなたの正体を、皆さんに教えてあげなさい。」
「は、はい。」
それを聞いたキリエルは首を傾げた。
「ケリスの正体…?」
ケリスは真剣な表情をすると言う。
「け、ケリスは、実は…」
そう言ってケリスは、ワレリーが持つ魔導書を持って見せた。
「この魔導書に住んでたんです。」
それを聞いてモルビスとスピムは目を丸くした。
キリエルは驚いた。
「えぇ!?フェオドラがいたわけじゃないの!?」
「ケリスは魔導書の門番みたいなものです。
ケリスの役割は、この魔導書と知的生命体を契約させ、その生命に呪いをかける事です。
呪いがかかった生命の子供は、悪魔として生まれ、やがてその悪魔は強大な魔力を持つ大悪魔となります。」
一同は驚いていると、フレノアは言った。
「じゃあつまり、フェオドラの両親が人間なのは事実なのね。
その呪いのせいで、牧師様の子であるフェオドラが悪魔として生まれた…。」
ケリスは頷いた。
ケリスは急に悲しそうな顔をした。
「ケリスはこの魔導書にいながらも、人間に儀式をされる日を待ちわびました。
ある日、牧師様がこの魔導書を手に取ったのです。
その頃の牧師様は、熱心に色んな儀式をしていました。
神や悪魔に、ひと目会ってみたかったんでしょう。」
「つまり、この魔導書を使って儀式をしてしまったと?」
フューレンが言うと、頷いた。
ケリスは続ける。
「しかし、儀式をしただけでは儀式は完了しません。
儀式は牧師様の子供がこの世に生を受けるまで続くのです。
ですが牧師様は、この儀式は外れだと思って暫く放っておいたのです。
…そして時が経って、牧師様が子供を授かった時です。
その時こそが、ケリスの出番です。ケリスは子供を悪魔にしました。」
それを言うと、ケリスは虚しそうな顔。
「牧師様は、既に儀式を辞めていました。
悪魔も神も望んでいない。…ケリスはそれも知らずに、勝手に子供を悪魔にしてしまいました。
その結果、牧師様は儀式の実行者として…最愛の人を殺めなければならなくなったのです…!」
一同は驚いた顔。
フューレンは冷静にも言う。
「そうか。悪魔を召喚する為に妻を殺したんじゃなくて、儀式に手を出してしまったからそうせざるを得なくなったんだな。」
ケリスは涙を目に溜め、鼻水をすすって頷いた。
「ケリスがもっと気を利かせて、そんな事しなければ良かったんです。
牧師様もガリーナさんも、いつかガリーナさんが儀式で死ななければならないと知っても、ケリスに沢山優しくしてくださいました…!
ガリーナさんが死んだ時、ケリスも凄く心が痛くて…!本当は牧師様やガリーナさんの方が沢山苦しかったはずなのに…!」
ケリスは泣き出してしまうので、ワレリーは眉を困らせる。
「ケリス、それはもう気にしなくていいと、何度も言ったでしょう?」
「でも…!でもケリス…!ケリスは大好きな人を悲しませ、大好きな人を死に追いやってしまいました…!!」
ケリスはそれでも罪の意識で泣き続けるので、ワレリーは困った顔をしてみんなに言う。
「これをどうにかしたいのですが。皆さんからも何か声をかけてはくれませんか?」
「これは難しいわねぇ…」
とフレノア。
スピムも眉を潜めて言う。
「人間はいつか死ぬものでしょ。それが数十年早まっただけ。」
「いや、それフォローになってない。」
とフューレン。
するとワレリーは言った。
「ケリスは生まれてから、私やガリーナの様な人と生活した事がなかったそうです。
愛し愛され、可愛がられる幸せをケリスは知ったのだそうですよ。
だからか、それを一番教えてくれたガリーナとの別れは辛かったでしょう…」
それをずっと悲しそうな顔で眺めていたキリエル。
キリエルは思わずケリスの隣に来た。
ケリスはキリエルに気づくと、キリエルは言った。
「ケリス、ガリーナさんは、ケリスに向かって最後どんな顔をしていたの?」
「……顔は涙で濡れていましたが…笑顔でした…。
『別れは辛いけど、お腹の子が死んでしまう方がもっと辛い。この子をよろしく』と…」
ずっとフェオドラは黙って聞いていたが、ケリスの言葉でフェオドラの目にも涙が浮かぶ。
ワレリーも流石に思い出すのか、気を落とした様な様子に。
するとキリエルは言った。
「んじゃあ、ケリスの事、きっと大好きだったんだね。ガリーナさん。」
「えっ」
ケリスはポカンとすると、キリエルは笑って言う。
「いやだってさ、自分が死ぬ前に嫌いな人が目の前にいたら笑える?僕だったら嫌な顔しちゃうな。
笑うって事はさ、ケリスが大好きで、ケリスに沢山幸せになって欲しいって、そういう心の現れだと思うよ。」
「ガリーナさんが…」
ケリスが呟くと、キリエルは大きく頷いた。
「だからケリスがいつまでーも悲しい顔してたら、ガリーナさん悲しいだろうな。」
それを聞いたケリスは、急いで涙を拭いた。
「け、ケリスこれ以上、牧師様もガリーナさんも悲しませたくありません!」
「だったら笑おう!」
キリエルはそう言って、ニコッと笑った。
ケリスは泣いた後なのですぐには笑えず、黙り込んでしまう。
「あれ?」
キリエルは首を傾げてしまうと、フレノアは呆れた。
「笑顔を強要しちゃダメでしょ。」
するとフレノアはケリスの前に来る。
ケリスはフレノアを見上げると、フレノアはケリスの頭を撫でた。
「アタシもガリーナさんには沢山礼があるから…。
ガリーナさんが好きな子は、ちゃんと可愛がってあげないとね。」
ケリスは目に涙を溜める。
「ふ、フレノア…!」
ケリスはそう言ってフレノアに抱きつくので、フレノアは「あら」と驚いた。
そして頭を優しく撫でるので、ケリスは泣きじゃくる。
「ケリス…牧師様に悪くて…!この教会にいていいのか、不安でした…!」
「もう、いていいのに。」
フレノアはそう言って宥めるので、スピムは無愛想な顔。
「その程度の理由で、よそよそしくならないでよね。
今日から敬語禁止!」
「え!?それはできません…!」
「禁止!」
「そんなぁ…」
なんだかんだで、暫く地下のリビングは賑やかだった。
ワレリーは目覚めた。
ぼやける視界。
ベッドの横には、椅子に座って泣きじゃくるケリスの姿があった。
「ケリス…?」
ケリスは気づくと、泣きながら謝罪した。
「申し訳ありません牧師様…!ケリスが失態したばかりに…!」
ワレリーは何事かと思っていると、部屋にフレノアが入ってきた。
フレノアは言う。
「牧師様、なんでコソコソ血を抜いてた事を言わなかったんですか?
秘密にされちゃうのは、私達悪魔も悲しくなるわ。」
「言わなかった理由は…」
「無駄に心配かけたくなかった、でしょ。」
フレノアが言うと、ワレリーは少し黙った。
ワレリーは首を横に振る。
「そうではありませんよ。」
「嘘おっしゃい。」
強めに言われたので、ワレリーは思わず溜息。
それから鼻で「ふふ」と笑った。
「そうケリスを責めないであげてください。
私が念押しして黙らせたのですから。悪魔は、主人の言う事は絶対なのですよ。」
「そんなの、人間の私達からしたらわからない事だわ。」
「では理解してあげなさい。ケリスもなかなか皆さんと馴染めなくて、悲しい思いをしていますから。」
「そうかしら。」
フレノアがそう言うと、ワレリーはケリスを見た。
ケリスはワレリーの視線に驚くと、ワレリーは眉を困らせた。
「ケリス、…また私に怯えているのですか?」
ケリスは黙ってしまうと、フレノアは首を傾げる。
「なんでかしら。ケリスはなんだかんだ心を閉ざしているわね。
どうしたの?何かあるなら、私達に言ってごらんなさい。」
しかしケリスは言いづらい様子。
ケリスはさっきから、ワレリーの目をチラチラと見ていた。
ワレリーは思わず言った。
「まさか、私は嫌われているのですか?」
「ち、違います!!」
ケリスは言うが、それはワレリーは困らせるだけ。
「では、なぜ私を見て答えなくなるのですか。」
「そ、それは…」
ケリスはそう言うと、答えたくないのか黙ってしまう。
フレノアは呆れてしまうと、ケリスは思い切って言った。
「えっと!…牧師様の過去で、ケリスは色々思うところがあって…
牧師様は、人に過去を話そうとしないので……言ってもいいのやら…」
ケリスが言うと、ワレリーは驚いたような顔。
フレノアは首を傾げていた。
するとワレリーは微笑み、ケリスに言う。
「いいでしょう。皆さんに話しても結構ですよ。」
ケリスは顔色を伺うようにワレリーの顔を見ると、ワレリーは頷いた。
ワレリーは続ける。
「皆さんを集めて、ケリスの口から教えてもらいましょうか。」
「え…!みんなの前で…!?」
ケリスが怯えた様子で言うと、ワレリーは頷いた。
地下のリビングに教会のみんなが集まると、ケリスは緊張の表情を浮かべた。
フューレンは事の顛末を聞き、ワレリーに言う。
「だからってこんな公開処刑みたいにしなくていいだろ。」
ワレリーは席に着きながらも、紅茶を嗜む。
「ケリス。あなたの正体を、皆さんに教えてあげなさい。」
「は、はい。」
それを聞いたキリエルは首を傾げた。
「ケリスの正体…?」
ケリスは真剣な表情をすると言う。
「け、ケリスは、実は…」
そう言ってケリスは、ワレリーが持つ魔導書を持って見せた。
「この魔導書に住んでたんです。」
それを聞いてモルビスとスピムは目を丸くした。
キリエルは驚いた。
「えぇ!?フェオドラがいたわけじゃないの!?」
「ケリスは魔導書の門番みたいなものです。
ケリスの役割は、この魔導書と知的生命体を契約させ、その生命に呪いをかける事です。
呪いがかかった生命の子供は、悪魔として生まれ、やがてその悪魔は強大な魔力を持つ大悪魔となります。」
一同は驚いていると、フレノアは言った。
「じゃあつまり、フェオドラの両親が人間なのは事実なのね。
その呪いのせいで、牧師様の子であるフェオドラが悪魔として生まれた…。」
ケリスは頷いた。
ケリスは急に悲しそうな顔をした。
「ケリスはこの魔導書にいながらも、人間に儀式をされる日を待ちわびました。
ある日、牧師様がこの魔導書を手に取ったのです。
その頃の牧師様は、熱心に色んな儀式をしていました。
神や悪魔に、ひと目会ってみたかったんでしょう。」
「つまり、この魔導書を使って儀式をしてしまったと?」
フューレンが言うと、頷いた。
ケリスは続ける。
「しかし、儀式をしただけでは儀式は完了しません。
儀式は牧師様の子供がこの世に生を受けるまで続くのです。
ですが牧師様は、この儀式は外れだと思って暫く放っておいたのです。
…そして時が経って、牧師様が子供を授かった時です。
その時こそが、ケリスの出番です。ケリスは子供を悪魔にしました。」
それを言うと、ケリスは虚しそうな顔。
「牧師様は、既に儀式を辞めていました。
悪魔も神も望んでいない。…ケリスはそれも知らずに、勝手に子供を悪魔にしてしまいました。
その結果、牧師様は儀式の実行者として…最愛の人を殺めなければならなくなったのです…!」
一同は驚いた顔。
フューレンは冷静にも言う。
「そうか。悪魔を召喚する為に妻を殺したんじゃなくて、儀式に手を出してしまったからそうせざるを得なくなったんだな。」
ケリスは涙を目に溜め、鼻水をすすって頷いた。
「ケリスがもっと気を利かせて、そんな事しなければ良かったんです。
牧師様もガリーナさんも、いつかガリーナさんが儀式で死ななければならないと知っても、ケリスに沢山優しくしてくださいました…!
ガリーナさんが死んだ時、ケリスも凄く心が痛くて…!本当は牧師様やガリーナさんの方が沢山苦しかったはずなのに…!」
ケリスは泣き出してしまうので、ワレリーは眉を困らせる。
「ケリス、それはもう気にしなくていいと、何度も言ったでしょう?」
「でも…!でもケリス…!ケリスは大好きな人を悲しませ、大好きな人を死に追いやってしまいました…!!」
ケリスはそれでも罪の意識で泣き続けるので、ワレリーは困った顔をしてみんなに言う。
「これをどうにかしたいのですが。皆さんからも何か声をかけてはくれませんか?」
「これは難しいわねぇ…」
とフレノア。
スピムも眉を潜めて言う。
「人間はいつか死ぬものでしょ。それが数十年早まっただけ。」
「いや、それフォローになってない。」
とフューレン。
するとワレリーは言った。
「ケリスは生まれてから、私やガリーナの様な人と生活した事がなかったそうです。
愛し愛され、可愛がられる幸せをケリスは知ったのだそうですよ。
だからか、それを一番教えてくれたガリーナとの別れは辛かったでしょう…」
それをずっと悲しそうな顔で眺めていたキリエル。
キリエルは思わずケリスの隣に来た。
ケリスはキリエルに気づくと、キリエルは言った。
「ケリス、ガリーナさんは、ケリスに向かって最後どんな顔をしていたの?」
「……顔は涙で濡れていましたが…笑顔でした…。
『別れは辛いけど、お腹の子が死んでしまう方がもっと辛い。この子をよろしく』と…」
ずっとフェオドラは黙って聞いていたが、ケリスの言葉でフェオドラの目にも涙が浮かぶ。
ワレリーも流石に思い出すのか、気を落とした様な様子に。
するとキリエルは言った。
「んじゃあ、ケリスの事、きっと大好きだったんだね。ガリーナさん。」
「えっ」
ケリスはポカンとすると、キリエルは笑って言う。
「いやだってさ、自分が死ぬ前に嫌いな人が目の前にいたら笑える?僕だったら嫌な顔しちゃうな。
笑うって事はさ、ケリスが大好きで、ケリスに沢山幸せになって欲しいって、そういう心の現れだと思うよ。」
「ガリーナさんが…」
ケリスが呟くと、キリエルは大きく頷いた。
「だからケリスがいつまでーも悲しい顔してたら、ガリーナさん悲しいだろうな。」
それを聞いたケリスは、急いで涙を拭いた。
「け、ケリスこれ以上、牧師様もガリーナさんも悲しませたくありません!」
「だったら笑おう!」
キリエルはそう言って、ニコッと笑った。
ケリスは泣いた後なのですぐには笑えず、黙り込んでしまう。
「あれ?」
キリエルは首を傾げてしまうと、フレノアは呆れた。
「笑顔を強要しちゃダメでしょ。」
するとフレノアはケリスの前に来る。
ケリスはフレノアを見上げると、フレノアはケリスの頭を撫でた。
「アタシもガリーナさんには沢山礼があるから…。
ガリーナさんが好きな子は、ちゃんと可愛がってあげないとね。」
ケリスは目に涙を溜める。
「ふ、フレノア…!」
ケリスはそう言ってフレノアに抱きつくので、フレノアは「あら」と驚いた。
そして頭を優しく撫でるので、ケリスは泣きじゃくる。
「ケリス…牧師様に悪くて…!この教会にいていいのか、不安でした…!」
「もう、いていいのに。」
フレノアはそう言って宥めるので、スピムは無愛想な顔。
「その程度の理由で、よそよそしくならないでよね。
今日から敬語禁止!」
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