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06 忍び寄る悪魔
049 タイミのティータイム。
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フューレンは雇いの誘いが来た店にやってきていた。
そこはレストラン。
フューレンは早速エプロンを着用し、接客を始めている。
フューレンは仕事をしつつも思う。
(これだ…!俺が求めていた仕事…!人を狩るとかじゃなく、極まともな仕事だ!)
しみじみと普通の仕事を堪能しているフューレン。
そこに店長がやってきた。
「順調かな?」
笑顔の店長に、フューレンは頷く。
「はい。にしても、雇っていただきありがとうございます。まさかこんなお仕事ができるとは。」
フューレンはそう言いながら、店の入口の扉を見た。
扉のガラスから、外の様子が見える。
外にはフューレンの召喚した精霊達がいるのだ。
「召喚術師はとても珍しいからね、みんな興味を持つと思ったんだよ。」
店長がそう言うと、フューレンは店内を見る。
店内はそこそこ人が来ており、ガラの悪い人は一切見当たらない。
子供や親の笑顔、恋人の姿、どこを取っても平和そのもの。
フューレンはそれと同時に、アジトでの出来事やモルビスのギルドの出来事を思い出す。
(本当に同じ世界なのかってくらい、ここは平和だな。)
すると、店に見知った男性が入ってくる。
フレノアを狙っている悪魔使いタイミの姿だ。
「お前…!」
フューレンが驚くと、タイミも目を剥いた。
「お前はあの牧師のオマケ…!」
そう言われると、フューレンはタイミを睨んで言う。
「あ?俺にとっちゃお前はヴァレリカのオマケだけどな。」
すると、なぜかタイミはフューレンの口を塞いだ。
フューレンは驚くと、タイミは小声で言う。
「ヴァレリカの事はここで言うな!アイツ、昨日ここで暴れまわって街の奴等に目をつけられてんだ!ボクがここに来れなくなったらお前の責任だぞ!」
「関係ない。」
「ハァ!?」
そこに店長がやってくる。
「ああタイミ様、本日もご来店感謝いたします。いつものでよろしいでしょうか?」
それを聞いたタイミは少々焦りを見せつつも答えた。
「あ、ああ。そうだ店長、この新人借りてもいいかい?少し世間話で盛り上がってしまってねぇ。」
「ああ、どうぞどうぞ。」
そう言って店長は立ち去るので、フューレンは明らかに嫌な顔をタイミに見せる。
タイミは席に着くと、フューレンにも席に着くよう視線で訴えた。
フューレンは仕方なく席に着くと、タイミはメニューをフューレンに渡して言う。
「好きなものを頼め。話はそれからだ。」
「は?俺はここに働きに来てんだよ。食いに来たわけじゃねぇ。それにアシュターの事だって…」
「はいはいわかってるわかってる。お前がお怒りなのはわかるさ。ボクだってアシュターを殺せって命令したんじゃない。お前を殺せとは言ったけど。」
「あ?」
フューレンはタイミを睨みつけると、タイミは溜息。
「言っとくが、殺そうと思ったのもお前の正体がわからなかったからだ。お前に恨みはないぞ。」
「流石悪魔使い…他者の命って軽いんだな。」
フューレンはそう言って視線を逸らし、窓の外を眺めた。
タイミは言う。
「アシュターが死んだのがそんなにショックだったか?」
タイミの言葉で、フューレンはタイミに真摯な眼差しで語る。
「そうだよ。逆にお前は長年付き合ってきた悪魔が死んでなんとも思わないのかよ。」
「アシュターは屋敷のムードメーカーみたいな所もあったから、彼がいなくなってからは少し寂しい感じがしたね。それだけかな。
そんな事より、あの赤子に力を与えてしまった事だけが心残りだね。」
フューレンは眉を潜めてしまうと、タイミはフューレンの視線に気づく。
冷たい目。
タイミはそれを見ると、フューレンに言った。
「冷たいと思うか?こんなのボクだけじゃない、どこの悪魔使いも同じだ。勿論お前の所の牧師もさ。
悪魔はそういう人間の魂を好み、契約を交わす。悪魔が選ぶ人間なんぞ、どいつもこいつも似た者同士なのさ。」
フューレンは言葉を失った。
ワレリーも実の娘であるフェオドラを「道具」と発言していた事もあり、その言葉が妙に刺さったのだ。
フューレンは黙り込むと、タイミは外の精霊を見て言う。
「あれはお前が出したのか?」
「…あ?ああ。」
フューレンは返事をすると、タイミは続けた。
「召喚術を使える天使か。こりゃ厄介な相手だな。」
そう言われると、フューレンはふと思い出したのかタイミを睨む。
「と言うかお前と俺は敵同士だろ。」
「敵?今は客と店員だろ。」
「そうだけど…」
そこに店員がやってきて、料理と飲み物が運ばれる。
タイミは鼻で笑ってから、カップを手に取ってフューレンに言った。
「よく知らない相手と殺し合うより、よく知った相手と殺し合う方が楽しいだろ?
そういう仲になるまで、もう少し楽しくお話しないか?」
「悪趣味だな。てか、お前の相手はワレリーであって俺じゃないだろ。」
「確かにミレサを手に入れるのはボクさ、そしてボクのライバルはあの牧師。
でもお前は、ヴァレリカに目をつけられた。お前とヴァレリカが殺し合うのは目に見えてる。」
そう言ってタイミは紅茶を一口、そしてカップを置いた。
「クッソ、お前達の考えている事がイマイチ理解できないな。」
フューレンは調子が狂ったように言った。
「そう言えば、お前は別の世界からやってきたんだろう?どうやって来たんだ?」
タイミの問いに、フューレンはまた調子が狂ったような反応。
「大魔導師って名乗る男に連れられてきたんだよ…」
大魔導師を思い出すだけで疲れるようだ。
タイミはその名前に反応し、顎に手を当てる。
その変化に気づいたフューレンはタイミに質問した。
「大魔導師の事、知ってるのか?」
「知ってるもなにも、あの男はヴァレリカの敵だ。」
「ヴァレリカの敵?」
フューレンは首を傾げると、タイミは頷く。
「ボクも詳しい事は知らないが、ヴァレリカはあの男を警戒していてな。ヴァレリカはいつもなら果敢に相手を殺害したがるが、あの男だけには触れようともしないな。むしろ逃げ回っている。」
フューレンは興味深く思った。
「あのヴァレリカが…?変な話だな。」
「お前、あの魔術科学園の生徒なんだろ?良かったら理由をあの男から聞いてみてはくれないか?」
「ヴァレリカが避けてるんだから、大魔導師を避けてる理由を聞くべきはお前だろ。」
「わかってないな。あのヴァレリカが黙りたがっているんだ。いくら主と言えど、無闇に話しかければボクが怪我をする。」
それに対し、フューレンは沈黙。
フューレンは考えていた。
(確かに大魔導師は少し怪しいってか、もう少し探りを入れないと何されるかわかったもんじゃないな。)
「聞けたらな。アイツ、たまに話をはぐらかすから。」
すると、店にフレノアとフェオドラとスピムがやってきた。
三人とも目立つ頭の色をしている為、フューレンはすぐに気づく。
「あ、」
三人もフューレンに気づいて駆け寄るが、フレノアだけはタイミに気づいたのか足を止めた。
フェオドラはフューレンの前にやってくる。
新しい洋服を買って、上機嫌なフェオドラ。
「フューレン!見てみて!」
フェオドラはフューレンの前で一回転。
フューレンは反応に困る。
スピムもタイミに気づき、思わず言った。
「アンタ!悪魔使いの!」
タイミは席を立つと、三人に礼をした。
「ご機嫌麗しゅう。特にミレサ、君はいつ見ても綺麗だ。」
タイミはそう言ってフレノアに距離を縮めるが、フレノアはタイミから離れる。
「二人は何の話を?」
フレノアが言うと、タイミは笑った。
「別に怪しい話はしてないさ。世間話をと。」
それを聞いたスピムはフューレンに対して激怒。
「ちゃんと仕事しなさいよ!せっかく見つけた仕事でしょ!」
「ごもっともだ。すまん、あまりに珍しいお客でつい。」
フューレンは素直に謝ると、スピムは気分が乗らないのかぎこちない反応で言った。
「じゃあさっさと仕事に戻んなさい。私達もさっさと帰るわよ!フューレンの邪魔になっちゃうわ!」
「そうね。行くわよフェオドラ。」
フレノアはフェオドラと手を繋いで立ち去ろうとする。
タイミはフレノアを止めた。
「待ってミレサ。」
しかしフレノアは言う。
「ごめんなさい、忙しいので。」
そう言って立ち去るフレノア。
タイミは面白くないのか無表情になると、小声で言った。
「諦めないよ。」
タイミは今来たばかりであるのに、もう勘定を済ませている。
フューレンはそんなタイミとは言葉を交わす事もなく、考えていた。
(そう言えば大魔導師に、カオスリートを見つけて何をするかとか聞いてもいなかった。今度会ったら聞いてみるのもいいかもしれないな。)
そこはレストラン。
フューレンは早速エプロンを着用し、接客を始めている。
フューレンは仕事をしつつも思う。
(これだ…!俺が求めていた仕事…!人を狩るとかじゃなく、極まともな仕事だ!)
しみじみと普通の仕事を堪能しているフューレン。
そこに店長がやってきた。
「順調かな?」
笑顔の店長に、フューレンは頷く。
「はい。にしても、雇っていただきありがとうございます。まさかこんなお仕事ができるとは。」
フューレンはそう言いながら、店の入口の扉を見た。
扉のガラスから、外の様子が見える。
外にはフューレンの召喚した精霊達がいるのだ。
「召喚術師はとても珍しいからね、みんな興味を持つと思ったんだよ。」
店長がそう言うと、フューレンは店内を見る。
店内はそこそこ人が来ており、ガラの悪い人は一切見当たらない。
子供や親の笑顔、恋人の姿、どこを取っても平和そのもの。
フューレンはそれと同時に、アジトでの出来事やモルビスのギルドの出来事を思い出す。
(本当に同じ世界なのかってくらい、ここは平和だな。)
すると、店に見知った男性が入ってくる。
フレノアを狙っている悪魔使いタイミの姿だ。
「お前…!」
フューレンが驚くと、タイミも目を剥いた。
「お前はあの牧師のオマケ…!」
そう言われると、フューレンはタイミを睨んで言う。
「あ?俺にとっちゃお前はヴァレリカのオマケだけどな。」
すると、なぜかタイミはフューレンの口を塞いだ。
フューレンは驚くと、タイミは小声で言う。
「ヴァレリカの事はここで言うな!アイツ、昨日ここで暴れまわって街の奴等に目をつけられてんだ!ボクがここに来れなくなったらお前の責任だぞ!」
「関係ない。」
「ハァ!?」
そこに店長がやってくる。
「ああタイミ様、本日もご来店感謝いたします。いつものでよろしいでしょうか?」
それを聞いたタイミは少々焦りを見せつつも答えた。
「あ、ああ。そうだ店長、この新人借りてもいいかい?少し世間話で盛り上がってしまってねぇ。」
「ああ、どうぞどうぞ。」
そう言って店長は立ち去るので、フューレンは明らかに嫌な顔をタイミに見せる。
タイミは席に着くと、フューレンにも席に着くよう視線で訴えた。
フューレンは仕方なく席に着くと、タイミはメニューをフューレンに渡して言う。
「好きなものを頼め。話はそれからだ。」
「は?俺はここに働きに来てんだよ。食いに来たわけじゃねぇ。それにアシュターの事だって…」
「はいはいわかってるわかってる。お前がお怒りなのはわかるさ。ボクだってアシュターを殺せって命令したんじゃない。お前を殺せとは言ったけど。」
「あ?」
フューレンはタイミを睨みつけると、タイミは溜息。
「言っとくが、殺そうと思ったのもお前の正体がわからなかったからだ。お前に恨みはないぞ。」
「流石悪魔使い…他者の命って軽いんだな。」
フューレンはそう言って視線を逸らし、窓の外を眺めた。
タイミは言う。
「アシュターが死んだのがそんなにショックだったか?」
タイミの言葉で、フューレンはタイミに真摯な眼差しで語る。
「そうだよ。逆にお前は長年付き合ってきた悪魔が死んでなんとも思わないのかよ。」
「アシュターは屋敷のムードメーカーみたいな所もあったから、彼がいなくなってからは少し寂しい感じがしたね。それだけかな。
そんな事より、あの赤子に力を与えてしまった事だけが心残りだね。」
フューレンは眉を潜めてしまうと、タイミはフューレンの視線に気づく。
冷たい目。
タイミはそれを見ると、フューレンに言った。
「冷たいと思うか?こんなのボクだけじゃない、どこの悪魔使いも同じだ。勿論お前の所の牧師もさ。
悪魔はそういう人間の魂を好み、契約を交わす。悪魔が選ぶ人間なんぞ、どいつもこいつも似た者同士なのさ。」
フューレンは言葉を失った。
ワレリーも実の娘であるフェオドラを「道具」と発言していた事もあり、その言葉が妙に刺さったのだ。
フューレンは黙り込むと、タイミは外の精霊を見て言う。
「あれはお前が出したのか?」
「…あ?ああ。」
フューレンは返事をすると、タイミは続けた。
「召喚術を使える天使か。こりゃ厄介な相手だな。」
そう言われると、フューレンはふと思い出したのかタイミを睨む。
「と言うかお前と俺は敵同士だろ。」
「敵?今は客と店員だろ。」
「そうだけど…」
そこに店員がやってきて、料理と飲み物が運ばれる。
タイミは鼻で笑ってから、カップを手に取ってフューレンに言った。
「よく知らない相手と殺し合うより、よく知った相手と殺し合う方が楽しいだろ?
そういう仲になるまで、もう少し楽しくお話しないか?」
「悪趣味だな。てか、お前の相手はワレリーであって俺じゃないだろ。」
「確かにミレサを手に入れるのはボクさ、そしてボクのライバルはあの牧師。
でもお前は、ヴァレリカに目をつけられた。お前とヴァレリカが殺し合うのは目に見えてる。」
そう言ってタイミは紅茶を一口、そしてカップを置いた。
「クッソ、お前達の考えている事がイマイチ理解できないな。」
フューレンは調子が狂ったように言った。
「そう言えば、お前は別の世界からやってきたんだろう?どうやって来たんだ?」
タイミの問いに、フューレンはまた調子が狂ったような反応。
「大魔導師って名乗る男に連れられてきたんだよ…」
大魔導師を思い出すだけで疲れるようだ。
タイミはその名前に反応し、顎に手を当てる。
その変化に気づいたフューレンはタイミに質問した。
「大魔導師の事、知ってるのか?」
「知ってるもなにも、あの男はヴァレリカの敵だ。」
「ヴァレリカの敵?」
フューレンは首を傾げると、タイミは頷く。
「ボクも詳しい事は知らないが、ヴァレリカはあの男を警戒していてな。ヴァレリカはいつもなら果敢に相手を殺害したがるが、あの男だけには触れようともしないな。むしろ逃げ回っている。」
フューレンは興味深く思った。
「あのヴァレリカが…?変な話だな。」
「お前、あの魔術科学園の生徒なんだろ?良かったら理由をあの男から聞いてみてはくれないか?」
「ヴァレリカが避けてるんだから、大魔導師を避けてる理由を聞くべきはお前だろ。」
「わかってないな。あのヴァレリカが黙りたがっているんだ。いくら主と言えど、無闇に話しかければボクが怪我をする。」
それに対し、フューレンは沈黙。
フューレンは考えていた。
(確かに大魔導師は少し怪しいってか、もう少し探りを入れないと何されるかわかったもんじゃないな。)
「聞けたらな。アイツ、たまに話をはぐらかすから。」
すると、店にフレノアとフェオドラとスピムがやってきた。
三人とも目立つ頭の色をしている為、フューレンはすぐに気づく。
「あ、」
三人もフューレンに気づいて駆け寄るが、フレノアだけはタイミに気づいたのか足を止めた。
フェオドラはフューレンの前にやってくる。
新しい洋服を買って、上機嫌なフェオドラ。
「フューレン!見てみて!」
フェオドラはフューレンの前で一回転。
フューレンは反応に困る。
スピムもタイミに気づき、思わず言った。
「アンタ!悪魔使いの!」
タイミは席を立つと、三人に礼をした。
「ご機嫌麗しゅう。特にミレサ、君はいつ見ても綺麗だ。」
タイミはそう言ってフレノアに距離を縮めるが、フレノアはタイミから離れる。
「二人は何の話を?」
フレノアが言うと、タイミは笑った。
「別に怪しい話はしてないさ。世間話をと。」
それを聞いたスピムはフューレンに対して激怒。
「ちゃんと仕事しなさいよ!せっかく見つけた仕事でしょ!」
「ごもっともだ。すまん、あまりに珍しいお客でつい。」
フューレンは素直に謝ると、スピムは気分が乗らないのかぎこちない反応で言った。
「じゃあさっさと仕事に戻んなさい。私達もさっさと帰るわよ!フューレンの邪魔になっちゃうわ!」
「そうね。行くわよフェオドラ。」
フレノアはフェオドラと手を繋いで立ち去ろうとする。
タイミはフレノアを止めた。
「待ってミレサ。」
しかしフレノアは言う。
「ごめんなさい、忙しいので。」
そう言って立ち去るフレノア。
タイミは面白くないのか無表情になると、小声で言った。
「諦めないよ。」
タイミは今来たばかりであるのに、もう勘定を済ませている。
フューレンはそんなタイミとは言葉を交わす事もなく、考えていた。
(そう言えば大魔導師に、カオスリートを見つけて何をするかとか聞いてもいなかった。今度会ったら聞いてみるのもいいかもしれないな。)
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