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第4章 侵食―エローション―
044 例え親がクズだったとしても… 後半
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守は第二故郷病院の前まで帰ってきていた。
病院前では車に乗った綺瑠と誠治。
誠治は笑顔で守に手を振った。
「ファイトだよ、守!」
それに対し、笑顔で守は手を振る。
「うん!」
すると綺瑠は、お菓子の小さなラムネボトルを見せて言った。
「これありがとう。誠治と仲良く食べるよ。」
「おう!食ってけ!」
そう言って守は走って帰っていった。
それを見送った二人。
綺瑠は小さなラムネを一つ食べると、しみじみした様子で言った。
「他人から物を奢られるなんて、きぃくん以外では初めてだよ…!」
対し、誠治は苦笑。
「いや、元は奈江島さんのお金でしょう。」
「それでも感動している。」
綺瑠はそう言うと、その小さいラムネボトルを見つめて言った。
「小さな物を一つしか貰ってないのに、とても嬉しい。
今なら、初めて誠治に会った時に言われた言葉を理解できる。」
誠治は首を傾げた。
「そう言えば、奈江島さんとの出会いってもみじ公園ででしたね。
もみじ公園にはよく来ていたんですか?」
「いや、彼が減量の為にランニングをしていて、一時的にもみじ公園を利用してたんだ。
そしたら君がいつもゴミ拾いをしていて、それが不思議でたまらなくてある日話しかけたんだよ。」
「そんなに不思議ですか?」
誠治の言葉に、綺瑠は頷く。
「人間は損得で生きる生き物だって彼は思ってる。だから君の何も得られない行動が不思議に思えたんだ。
君は一人で公園のゴミ拾いしている時に、彼が欲しい物を訪ねた事を覚えてるかい?」
誠治はそれを思い出すと、目を剥いて言った。
「勿論です。
それで『一緒にゴミ拾いしてくれる人』って言ったら、次の日大勢のボランティアが来て。
急な出来事に困惑して、気を失ってしまって…!」
「そうそう。それで彼が誠治に謝罪に行ったら、誠治は何て言ったか覚えてる?」
誠治は忘れているのか首を傾げた。
すると綺瑠は、車の窓の外を眺めながら言う。
「『一緒にお話しながら、この公園の為に頑張ってくれる人なら、例え一人でも嬉しい。』って。
僕も彼も驚いたよ。多くあった方がいい物を、一つで事足りるって言い出した人は初めてでさ。」
それを聞いた誠治は目を丸くした。
すると誠治は照れた顔。
「そんな事言いましたね…!
…その日からですね、奈江島さんが一緒にゴミ拾いに来てくれる様になったのも。」
「ああ。彼はどうしても君が気になってしまってね、君って本当に不思議な人だから。」
「そんな変ですかね…?」
誠治は眉を困らせてしまうと、綺瑠は頷いて言った。
「うん、すっごく変。」
「えぇえ…。」
誠治はそう言って困っていたが、すぐにいつもの表情に。
「あ、そうだ。
奈江島さんに唯一物を奢った『きぃくん』って誰か気になりますね。
富豪さんに物を奢る方…どんな方なんです?」
「ん?」
綺瑠はそう言うと、次にクスッと笑って微笑んだ。
穏やかな笑みだったので、誠治は目を丸くした。
綺瑠は照れた様子で言う。
「なんて言えばいいかな…。
彼で言えば誠治みたいな存在だよ、きぃくんは。」
守は五階の会議室まで帰ってきていた。
数男は光の届きやすい窓際にて、読書をしていた。
守は緊張した様子を見せながら、ネクタイの入った紙袋を胸に抱えた。
サチは守を見ると言った。
「お帰り守君。」
守はビクッと驚くと、サチに言う。
「たっ、たたたたタダイマスター!」
「あれ、この袋ってエンジェルスネイティブの…。今は全店閉店してるのに。」
サチに聞かれると、守は焦った。
それから目を思い切り瞑りながら言った。
「検査したから、綺瑠さんに我儘言ったら開けてくれたの!」
サチは理解ができずに首を傾げると、そこに更にアンジェルがやってくる。
「服にしちゃ小さい荷物だね。小物かな?」
守はギョッとすると、サチも言った。
「守君なら小物より、とびきり可愛い服を買いそうな気もするわね。」
「うっ、うるさいさいさいさいのくにぃ!!」
守はそう言いながら、二人の間を駆け抜けた。
すると丁度数男が歩いてくる。
数男はどうやらサチに用がある様子。
守は数男にぶつかりそうな手前で足を止めた。
数男は眉を潜める。
「危ないぞ。」
「うるせぇ!」
守は反射的に言ってしまう。
すると数男は頭に来たのか、守の髪を掴もうとした。
それに恐怖で驚く守。
それをみたサチは止める。
「数男さん!暴力は駄目と言いましたよね!?」
すると数男は眉を潜めてから手を下ろした。
「すまない、つい癖で。」
それを見ると、守は驚いた顔。
サチは溜息をついて数男を睨んでいると、守は紙袋を強く抱えた。
「おい数男。」
「あ?」
守は紙袋を数男に押し付けた。
「やるよ。」
数男は紙袋を貰い、中の小さな箱を取り出した。
綺麗に包装されているので、サチは察したのか目を丸くした。
「守君、これって…!」
しかし数男は理解していないのか、そのまま開けた。
中から赤いネクタイが出てきたので、そこでやっと数男は目を丸くする。
「ネクタイ…?」
すると守は顔を真っ赤にして、サチの後ろに隠れてしまう。
サチは驚くと、守は言った。
「誕生日近いんだろ!!やるよ!!」
「誕生日…?」
数男は目を丸くしたままだった。
サチも驚いた様子だった。
「やっぱり、誕生日プレゼントなのね…!」
サチの言葉に数男は思う。
(プレゼント…?)
すると数男は、小さい頃を思い出していた。
――数男は小学三年生の頃、秀也に言われた。
「次の工作のテーマは『親へのプレゼント』か。
渡せばどうだ?もしかしたら親と仲良くなれるかもな。」
そう言われ、数男は数男なりに親にプレゼントを渡した。
学校の工作の時間で作った物だが、数男は数男なりにしっかり作ったプレゼントだった。
しかしそのプレゼントはすぐにゴミ箱に捨てられ、いつも通り罵られ暴力された。――
それを思い出しながら、守を見つめていた。
守は数男に怯えているのか、サチに強くしがみついたまま。
数男は眉を潜め、拳を握った。
守はそれを見逃しておらず、完全にサチの後ろに隠れてしまった。
数男は頭を抱えた。
(あの時は何とも思わなかったが…。なんなんだ、今思い出すと、悲しい…)
サチも数男の異変に気づき、不穏な表情を崩さない。
すると数男はサチの前まで来る。
サチは守を庇う体制に入ると、数男は言った。
「使ってやる。」
その言葉にサチは驚き、守も驚いて顔を出した。
守が顔を出すと、数男は守の目を見た。
守は少し怯んだが、数男は守の頭に手を乗せる。
「たまには気が利くじゃないか。」
数男はそう言ったが、若干照れた表情だった。
守は目を見開くと、サチはクスッと笑う。
数男はサチに笑われると、眉を潜めた。
「なんだ、変か?」
「だって、数男さんの事ですからまた悪い事しでかすんじゃないかって。」
それを聞くと、数男は深い溜息。
そして、守の頭を撫でながらも言った。
「クズ親と同じ事はしたくない、そう思ったんだ。」
サチは首を傾げていたが、守は話が理解できなくとも嬉しそうに声を溜めた。
守は涙をボタボタと落とし、サチから離れて数男に抱きついた。
「数男ぉぉ…!!」
そう言って。
数男は守を嫌がる事なく、だが眉を潜めて言った。
「私じゃなくて、お前の母親にでも買ってやれば良かったのに…」
すると守は声を若干枯らしながらも言う。
「母さんだけじゃ足りねぇよぉ…!!
僕は家族みんなに愛されたいんだよぉ…!」
数男の胸で泣きじゃくる守。
数男は溜息をつくと、次に言う。
「今頃だが、今だけ親面させろ。」
「しろぉ~…!」
守はそう言いながらも泣き続けるので、数男は静かに頭を撫でるだけ。
サチは微笑んでそれを眺めていた。
数男は静かに目を閉じる。
(私はいつからこんな人間になってしまったんだか…
でも不思議だ。
……この気持ち……いつまでも忘れたくない……)
病院前では車に乗った綺瑠と誠治。
誠治は笑顔で守に手を振った。
「ファイトだよ、守!」
それに対し、笑顔で守は手を振る。
「うん!」
すると綺瑠は、お菓子の小さなラムネボトルを見せて言った。
「これありがとう。誠治と仲良く食べるよ。」
「おう!食ってけ!」
そう言って守は走って帰っていった。
それを見送った二人。
綺瑠は小さなラムネを一つ食べると、しみじみした様子で言った。
「他人から物を奢られるなんて、きぃくん以外では初めてだよ…!」
対し、誠治は苦笑。
「いや、元は奈江島さんのお金でしょう。」
「それでも感動している。」
綺瑠はそう言うと、その小さいラムネボトルを見つめて言った。
「小さな物を一つしか貰ってないのに、とても嬉しい。
今なら、初めて誠治に会った時に言われた言葉を理解できる。」
誠治は首を傾げた。
「そう言えば、奈江島さんとの出会いってもみじ公園ででしたね。
もみじ公園にはよく来ていたんですか?」
「いや、彼が減量の為にランニングをしていて、一時的にもみじ公園を利用してたんだ。
そしたら君がいつもゴミ拾いをしていて、それが不思議でたまらなくてある日話しかけたんだよ。」
「そんなに不思議ですか?」
誠治の言葉に、綺瑠は頷く。
「人間は損得で生きる生き物だって彼は思ってる。だから君の何も得られない行動が不思議に思えたんだ。
君は一人で公園のゴミ拾いしている時に、彼が欲しい物を訪ねた事を覚えてるかい?」
誠治はそれを思い出すと、目を剥いて言った。
「勿論です。
それで『一緒にゴミ拾いしてくれる人』って言ったら、次の日大勢のボランティアが来て。
急な出来事に困惑して、気を失ってしまって…!」
「そうそう。それで彼が誠治に謝罪に行ったら、誠治は何て言ったか覚えてる?」
誠治は忘れているのか首を傾げた。
すると綺瑠は、車の窓の外を眺めながら言う。
「『一緒にお話しながら、この公園の為に頑張ってくれる人なら、例え一人でも嬉しい。』って。
僕も彼も驚いたよ。多くあった方がいい物を、一つで事足りるって言い出した人は初めてでさ。」
それを聞いた誠治は目を丸くした。
すると誠治は照れた顔。
「そんな事言いましたね…!
…その日からですね、奈江島さんが一緒にゴミ拾いに来てくれる様になったのも。」
「ああ。彼はどうしても君が気になってしまってね、君って本当に不思議な人だから。」
「そんな変ですかね…?」
誠治は眉を困らせてしまうと、綺瑠は頷いて言った。
「うん、すっごく変。」
「えぇえ…。」
誠治はそう言って困っていたが、すぐにいつもの表情に。
「あ、そうだ。
奈江島さんに唯一物を奢った『きぃくん』って誰か気になりますね。
富豪さんに物を奢る方…どんな方なんです?」
「ん?」
綺瑠はそう言うと、次にクスッと笑って微笑んだ。
穏やかな笑みだったので、誠治は目を丸くした。
綺瑠は照れた様子で言う。
「なんて言えばいいかな…。
彼で言えば誠治みたいな存在だよ、きぃくんは。」
守は五階の会議室まで帰ってきていた。
数男は光の届きやすい窓際にて、読書をしていた。
守は緊張した様子を見せながら、ネクタイの入った紙袋を胸に抱えた。
サチは守を見ると言った。
「お帰り守君。」
守はビクッと驚くと、サチに言う。
「たっ、たたたたタダイマスター!」
「あれ、この袋ってエンジェルスネイティブの…。今は全店閉店してるのに。」
サチに聞かれると、守は焦った。
それから目を思い切り瞑りながら言った。
「検査したから、綺瑠さんに我儘言ったら開けてくれたの!」
サチは理解ができずに首を傾げると、そこに更にアンジェルがやってくる。
「服にしちゃ小さい荷物だね。小物かな?」
守はギョッとすると、サチも言った。
「守君なら小物より、とびきり可愛い服を買いそうな気もするわね。」
「うっ、うるさいさいさいさいのくにぃ!!」
守はそう言いながら、二人の間を駆け抜けた。
すると丁度数男が歩いてくる。
数男はどうやらサチに用がある様子。
守は数男にぶつかりそうな手前で足を止めた。
数男は眉を潜める。
「危ないぞ。」
「うるせぇ!」
守は反射的に言ってしまう。
すると数男は頭に来たのか、守の髪を掴もうとした。
それに恐怖で驚く守。
それをみたサチは止める。
「数男さん!暴力は駄目と言いましたよね!?」
すると数男は眉を潜めてから手を下ろした。
「すまない、つい癖で。」
それを見ると、守は驚いた顔。
サチは溜息をついて数男を睨んでいると、守は紙袋を強く抱えた。
「おい数男。」
「あ?」
守は紙袋を数男に押し付けた。
「やるよ。」
数男は紙袋を貰い、中の小さな箱を取り出した。
綺麗に包装されているので、サチは察したのか目を丸くした。
「守君、これって…!」
しかし数男は理解していないのか、そのまま開けた。
中から赤いネクタイが出てきたので、そこでやっと数男は目を丸くする。
「ネクタイ…?」
すると守は顔を真っ赤にして、サチの後ろに隠れてしまう。
サチは驚くと、守は言った。
「誕生日近いんだろ!!やるよ!!」
「誕生日…?」
数男は目を丸くしたままだった。
サチも驚いた様子だった。
「やっぱり、誕生日プレゼントなのね…!」
サチの言葉に数男は思う。
(プレゼント…?)
すると数男は、小さい頃を思い出していた。
――数男は小学三年生の頃、秀也に言われた。
「次の工作のテーマは『親へのプレゼント』か。
渡せばどうだ?もしかしたら親と仲良くなれるかもな。」
そう言われ、数男は数男なりに親にプレゼントを渡した。
学校の工作の時間で作った物だが、数男は数男なりにしっかり作ったプレゼントだった。
しかしそのプレゼントはすぐにゴミ箱に捨てられ、いつも通り罵られ暴力された。――
それを思い出しながら、守を見つめていた。
守は数男に怯えているのか、サチに強くしがみついたまま。
数男は眉を潜め、拳を握った。
守はそれを見逃しておらず、完全にサチの後ろに隠れてしまった。
数男は頭を抱えた。
(あの時は何とも思わなかったが…。なんなんだ、今思い出すと、悲しい…)
サチも数男の異変に気づき、不穏な表情を崩さない。
すると数男はサチの前まで来る。
サチは守を庇う体制に入ると、数男は言った。
「使ってやる。」
その言葉にサチは驚き、守も驚いて顔を出した。
守が顔を出すと、数男は守の目を見た。
守は少し怯んだが、数男は守の頭に手を乗せる。
「たまには気が利くじゃないか。」
数男はそう言ったが、若干照れた表情だった。
守は目を見開くと、サチはクスッと笑う。
数男はサチに笑われると、眉を潜めた。
「なんだ、変か?」
「だって、数男さんの事ですからまた悪い事しでかすんじゃないかって。」
それを聞くと、数男は深い溜息。
そして、守の頭を撫でながらも言った。
「クズ親と同じ事はしたくない、そう思ったんだ。」
サチは首を傾げていたが、守は話が理解できなくとも嬉しそうに声を溜めた。
守は涙をボタボタと落とし、サチから離れて数男に抱きついた。
「数男ぉぉ…!!」
そう言って。
数男は守を嫌がる事なく、だが眉を潜めて言った。
「私じゃなくて、お前の母親にでも買ってやれば良かったのに…」
すると守は声を若干枯らしながらも言う。
「母さんだけじゃ足りねぇよぉ…!!
僕は家族みんなに愛されたいんだよぉ…!」
数男の胸で泣きじゃくる守。
数男は溜息をつくと、次に言う。
「今頃だが、今だけ親面させろ。」
「しろぉ~…!」
守はそう言いながらも泣き続けるので、数男は静かに頭を撫でるだけ。
サチは微笑んでそれを眺めていた。
数男は静かに目を閉じる。
(私はいつからこんな人間になってしまったんだか…
でも不思議だ。
……この気持ち……いつまでも忘れたくない……)
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