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蘇る日常
昔の出来事
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私が龍哉に再会したのはつい1ヶ月前のことだった。
「領海?」
後ろから私を呼ぶ声には聞き覚えがあった。あまりいい思い出などではなかったけど。
「龍哉…………。なんで………。」
「久しぶりだな。2年前かな、最後に会ったの。」
「そーだね。元気だった?」
「あぁ。でも、やっぱり領海以上の女なんていなかったよ……。なぁ、俺たち今からでも……」
「やめて!もう無理よ!
あなたには私は合わなかったんでしょ?過ぎたことは悔やんでも仕方ないじゃない。それにあなたが私を振ったのよ?」
「そーだけど……。でもやっぱり!」
ドサッ!
「きゃっ!」
「領海っ!」
グイッ!
「大丈夫か?」
「う、うん…。」
「す、すいません!大丈夫ですか?」
「あ、はい!こっちこそすいません。」
私にぶつかった人は落ちた物を拾い集めてそのまま帰って行った。
「領海ー!まだー?なにしてんのよ!」
「あー。じゃぁ、またな?」
「う、うん。」
「あ!連絡先変わってない?」
「え!うん。」
「わかった。ありがと。じゃ!」
そう言って龍哉は行ってしまった。
「領海っ!もー!!あんたね~……」
「ありがとって言わなかったな……」
「え?なに?なんか言った?」
「ううん。なんでもない。」
この日を境に龍哉と私の距離は一気に縮まり、私たちの関係も変わっていった。
『領海……。今日お前ん家でいい?』
「うん。あ、でも…彼氏にバレないようにしなきゃ………。」
『大丈夫。すぐ帰るから。』
「うん。わかった。」
最初は龍哉や私の悩み相談だった。
友達関係のことや私のいじめのことも。なぜか龍哉には素直に話せた。
「まじか!?サイテーだなそいつら!
意味わかんねーよ!小学校から?なんだそれ!」
「ね…。なんで私なんだろ…。」
「彼氏には話したの?」
「…………………………言ってない。
今、直弥は大変な時なんだよ。こんなこと言って困らせたくない!」
「そんなの恋人っていわねーだろ!
相手が大変な時、それを聞いて守ってやる!支えてやるのが恋人ってもんだろ?それなら……。そいつより俺のほうがお前のことわかってるよ…………。」
…………………………………。龍哉。知ってるよ?私と別れたのは私の為だって。
私が直弥のこと好きって気づいちゃった事。龍哉は知ってたんだよね?なのに私はそれを知ったうえで龍哉のこと利用したんだよ?ひどい女じゃない?なのに…なんで?なんで私のこと好きなんて言うのよ………。
「私知ってたのよ?龍哉が私と別れた理由。浮気だってフリだったんでしょ?
利用したのよ?なのに…なんで!?罵ってよ!ひどい女だって!裏切り者って!」
「領海っ!!!!
違うよ領海……。お前のせいなんかじゃない。利用なんてお前はしてない。ほんとだったんだよ麻布柚とのことは。もしフリなら麻布柚なんかに頼まない。お前と麻布柚の仲を切り裂くだけだろ?ほんとに一時の気の迷いだったんだ…………。俺が麻布柚を誘ったんだ。麻布柚は領海を裏切る事になるって反対してたんだ。だけど………俺が無理矢理麻布柚を襲ったんだ。」
それは初めて聞くことで…………今まで麻布柚から聞いたこともないことだった。「じゃ、じゃぁ……ま、麻布柚とは……」
「肉体だけの関係だ。それも1回だけ。わかっただろ?俺が悪いんだ。麻布柚は悪くないし、お前はもちろん悪くない!だから自分を責めるのはやめてくれ。」
「さいってい!あんたなんか!
どーしてくれんのよ!?あんたに費やした私の時間。あんたに潰された私と麻布柚の信頼関係。全部全部取り戻してよ!
私の時間を返せ!麻布柚を返せ!」
「領海………。ほんとに………」
「ごめんなんて言わないでよ!
謝られたってなにも戻ってこないのよ?
いいの!私はあんたが好きだった!それでいいの!ダメなの?私の気持ちに嘘はないよ!それじゃダメなの?」
「ダメなわけ………ないだろ?
俺だってお前が好きだ!お前を失ってどれだけ俺が後悔したかわかるか?もう…お前のことは手放さない!」
ダメ。そんなこと言わないで…………。
私には直弥がいる。龍哉。なんで私の前に現れたの?なんで私の気持ちに気付かせたの?余計なことしないでよ…………。私、もう…もう!
「あなたなしじゃ生きていけない。」
「うん。」
「好き……龍哉。愛してる。」
「うん。」
ふぅっ!ふぐっ!ふぅぅぅぅ。ああああ
ごめんなさい。直弥。私ね……あなたのこと……………裏切ります。
「領海?」
後ろから私を呼ぶ声には聞き覚えがあった。あまりいい思い出などではなかったけど。
「龍哉…………。なんで………。」
「久しぶりだな。2年前かな、最後に会ったの。」
「そーだね。元気だった?」
「あぁ。でも、やっぱり領海以上の女なんていなかったよ……。なぁ、俺たち今からでも……」
「やめて!もう無理よ!
あなたには私は合わなかったんでしょ?過ぎたことは悔やんでも仕方ないじゃない。それにあなたが私を振ったのよ?」
「そーだけど……。でもやっぱり!」
ドサッ!
「きゃっ!」
「領海っ!」
グイッ!
「大丈夫か?」
「う、うん…。」
「す、すいません!大丈夫ですか?」
「あ、はい!こっちこそすいません。」
私にぶつかった人は落ちた物を拾い集めてそのまま帰って行った。
「領海ー!まだー?なにしてんのよ!」
「あー。じゃぁ、またな?」
「う、うん。」
「あ!連絡先変わってない?」
「え!うん。」
「わかった。ありがと。じゃ!」
そう言って龍哉は行ってしまった。
「領海っ!もー!!あんたね~……」
「ありがとって言わなかったな……」
「え?なに?なんか言った?」
「ううん。なんでもない。」
この日を境に龍哉と私の距離は一気に縮まり、私たちの関係も変わっていった。
『領海……。今日お前ん家でいい?』
「うん。あ、でも…彼氏にバレないようにしなきゃ………。」
『大丈夫。すぐ帰るから。』
「うん。わかった。」
最初は龍哉や私の悩み相談だった。
友達関係のことや私のいじめのことも。なぜか龍哉には素直に話せた。
「まじか!?サイテーだなそいつら!
意味わかんねーよ!小学校から?なんだそれ!」
「ね…。なんで私なんだろ…。」
「彼氏には話したの?」
「…………………………言ってない。
今、直弥は大変な時なんだよ。こんなこと言って困らせたくない!」
「そんなの恋人っていわねーだろ!
相手が大変な時、それを聞いて守ってやる!支えてやるのが恋人ってもんだろ?それなら……。そいつより俺のほうがお前のことわかってるよ…………。」
…………………………………。龍哉。知ってるよ?私と別れたのは私の為だって。
私が直弥のこと好きって気づいちゃった事。龍哉は知ってたんだよね?なのに私はそれを知ったうえで龍哉のこと利用したんだよ?ひどい女じゃない?なのに…なんで?なんで私のこと好きなんて言うのよ………。
「私知ってたのよ?龍哉が私と別れた理由。浮気だってフリだったんでしょ?
利用したのよ?なのに…なんで!?罵ってよ!ひどい女だって!裏切り者って!」
「領海っ!!!!
違うよ領海……。お前のせいなんかじゃない。利用なんてお前はしてない。ほんとだったんだよ麻布柚とのことは。もしフリなら麻布柚なんかに頼まない。お前と麻布柚の仲を切り裂くだけだろ?ほんとに一時の気の迷いだったんだ…………。俺が麻布柚を誘ったんだ。麻布柚は領海を裏切る事になるって反対してたんだ。だけど………俺が無理矢理麻布柚を襲ったんだ。」
それは初めて聞くことで…………今まで麻布柚から聞いたこともないことだった。「じゃ、じゃぁ……ま、麻布柚とは……」
「肉体だけの関係だ。それも1回だけ。わかっただろ?俺が悪いんだ。麻布柚は悪くないし、お前はもちろん悪くない!だから自分を責めるのはやめてくれ。」
「さいってい!あんたなんか!
どーしてくれんのよ!?あんたに費やした私の時間。あんたに潰された私と麻布柚の信頼関係。全部全部取り戻してよ!
私の時間を返せ!麻布柚を返せ!」
「領海………。ほんとに………」
「ごめんなんて言わないでよ!
謝られたってなにも戻ってこないのよ?
いいの!私はあんたが好きだった!それでいいの!ダメなの?私の気持ちに嘘はないよ!それじゃダメなの?」
「ダメなわけ………ないだろ?
俺だってお前が好きだ!お前を失ってどれだけ俺が後悔したかわかるか?もう…お前のことは手放さない!」
ダメ。そんなこと言わないで…………。
私には直弥がいる。龍哉。なんで私の前に現れたの?なんで私の気持ちに気付かせたの?余計なことしないでよ…………。私、もう…もう!
「あなたなしじゃ生きていけない。」
「うん。」
「好き……龍哉。愛してる。」
「うん。」
ふぅっ!ふぐっ!ふぅぅぅぅ。ああああ
ごめんなさい。直弥。私ね……あなたのこと……………裏切ります。
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