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web連載
祭
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晴れ渡る空、すんだ空気、賑わう人々、威勢の良い声をあげる出店の数々。
いつもは静かな筈のギルド演習場の周りは、本日は喧騒に包まれている。
「いらっしゃい、いらっしゃい! 異世界名物オコノミ焼きだよー!」
「エンガル名物エビの姿焼きはこちらブヒよー! 魅惑の珍味玉串焼きもあるブヒよ~!」
「ユベツの味はこちらです~、ホタテのくぱぁ焼きはこちら~」
老いも若きも揃って出店の味を楽しみ、これから行われる模擬戦を楽しみにしている。
模擬戦の行われるのは、夕方からなのに昼間っからすごい盛り上がりだ。
何故夕方からなのかと言うと、伯爵様がお日様が苦手らしい、立派な日焼けは無理して日焼けに勤しみ、表面が焦げただけらしい。
「さあさああ! 本日行われる勝負の行方は、こちらのオッズになります! 今の所伯爵様が有利! さあ張った張った!」
人の気も知らずに賭けまで行われている。
「おーい! 伯爵様に1000Nだ!」
賭けの対象になっている俺が直々に買ってやる。
「え……イント君が伯爵に賭けるって事は……勝つ気が無いって事か?」
掛札販売所にはどっと人が押し寄せた。
「おおおい! 俺も伯爵様だ! 10万N!」
「ちょ、ちょっと待って下さい、オッズ変更があります! ちょっと待って」
「俺、借金してくるぜ!」
掛札販売所はあっという間に人が押し寄せパニック状態だ。
「ダンナ、あんな事しちゃっていいのかよ?」
いつの間にか俺の隣を歩いているエステアが、人混みの中で手を握って来る。
「いいんですよ、勝つ気はないし、それより手がベタベタしてるっすよ?」
「ああ、リンゴ飴のせいだよダンナ」
エステアが俺のシャツで手を拭う。
「シャツで拭わないでくださいよ……」
「向こうで記念品のシャツが売られてたわよ? 私が選んであげる」
デックスがするりと姿を現す。
「デックスの服のセンスは俺には高度すぎるっす。
それより忍者みたいっすね、ヴィータもいるんすよね?」
するりと首に腕を回され、俺におんぶされる様な格好でヴィータが現れる。
「シャツは私が選んであげるから安心して~」
「ちょっとどう言う意味よ? まるで私の服のセンスが悪いみたいじゃない」
「ダーリンあたし、小エビの串焼きが食べた~い」
「エビと言えばリンダの奴が、エビの姿焼きの出店の前で、ゴーレムみたいに固まってんの見たけど何かあったのか? ダンナ」
女三人寄れば姦しいとは言うが、一気に騒がしくなった。
「そう言えば模擬戦って、どんなスポーツなんですか?」
デックスが呆れて溜息を吐く。
「あなたそんな事も知らずに、模擬戦を引き受けたの? ギルドの試験受けたでしょ? あれと同じようなもんよ」
「まいったって言えばいいんですよね?」
開始直後にまいったと言う簡単な仕事です。
「それは許さないわよ? うちの旦那様が簡単にまいったなんて言ったら、私達の格が落ちて笑い者になっちゃうじゃない、うちの旦那様は強いんだってのを見せてもらわなきゃ、それとね」
「それと?」
「帝国のブラックライセンスが勝利すると、王国とのパワーバランスがね、唯でさえブラックライセンスの伯爵を有して調子に乗って来ている帝国が、今度は戦争を起こしかねないわよ?」
「うっへえ」
帝国って敗戦国なんだから、軍事費とか奪い取って、向こう100年くらい賠償金を背負わせて黙らせちゃえばいいのに……。
「完膚なきまでに叩きのめしてやれよダンナ!」
「いや、そうなるとリンダの問題が……」
「んふふ~、あのキャラ被りは、わたしを口説く権利って言ったのよ? 権利を放棄するなり、譲渡するなりして放っておけばいいのよ~、一生嫁き遅れになったらいいのよ~」
エステアが黒い微笑みを向けてくる。
「黒さに関してはヴィータさんの勝利ですね」
「引っかかる言い方だけど、ありがと~ダーリン」
いつもは静かな筈のギルド演習場の周りは、本日は喧騒に包まれている。
「いらっしゃい、いらっしゃい! 異世界名物オコノミ焼きだよー!」
「エンガル名物エビの姿焼きはこちらブヒよー! 魅惑の珍味玉串焼きもあるブヒよ~!」
「ユベツの味はこちらです~、ホタテのくぱぁ焼きはこちら~」
老いも若きも揃って出店の味を楽しみ、これから行われる模擬戦を楽しみにしている。
模擬戦の行われるのは、夕方からなのに昼間っからすごい盛り上がりだ。
何故夕方からなのかと言うと、伯爵様がお日様が苦手らしい、立派な日焼けは無理して日焼けに勤しみ、表面が焦げただけらしい。
「さあさああ! 本日行われる勝負の行方は、こちらのオッズになります! 今の所伯爵様が有利! さあ張った張った!」
人の気も知らずに賭けまで行われている。
「おーい! 伯爵様に1000Nだ!」
賭けの対象になっている俺が直々に買ってやる。
「え……イント君が伯爵に賭けるって事は……勝つ気が無いって事か?」
掛札販売所にはどっと人が押し寄せた。
「おおおい! 俺も伯爵様だ! 10万N!」
「ちょ、ちょっと待って下さい、オッズ変更があります! ちょっと待って」
「俺、借金してくるぜ!」
掛札販売所はあっという間に人が押し寄せパニック状態だ。
「ダンナ、あんな事しちゃっていいのかよ?」
いつの間にか俺の隣を歩いているエステアが、人混みの中で手を握って来る。
「いいんですよ、勝つ気はないし、それより手がベタベタしてるっすよ?」
「ああ、リンゴ飴のせいだよダンナ」
エステアが俺のシャツで手を拭う。
「シャツで拭わないでくださいよ……」
「向こうで記念品のシャツが売られてたわよ? 私が選んであげる」
デックスがするりと姿を現す。
「デックスの服のセンスは俺には高度すぎるっす。
それより忍者みたいっすね、ヴィータもいるんすよね?」
するりと首に腕を回され、俺におんぶされる様な格好でヴィータが現れる。
「シャツは私が選んであげるから安心して~」
「ちょっとどう言う意味よ? まるで私の服のセンスが悪いみたいじゃない」
「ダーリンあたし、小エビの串焼きが食べた~い」
「エビと言えばリンダの奴が、エビの姿焼きの出店の前で、ゴーレムみたいに固まってんの見たけど何かあったのか? ダンナ」
女三人寄れば姦しいとは言うが、一気に騒がしくなった。
「そう言えば模擬戦って、どんなスポーツなんですか?」
デックスが呆れて溜息を吐く。
「あなたそんな事も知らずに、模擬戦を引き受けたの? ギルドの試験受けたでしょ? あれと同じようなもんよ」
「まいったって言えばいいんですよね?」
開始直後にまいったと言う簡単な仕事です。
「それは許さないわよ? うちの旦那様が簡単にまいったなんて言ったら、私達の格が落ちて笑い者になっちゃうじゃない、うちの旦那様は強いんだってのを見せてもらわなきゃ、それとね」
「それと?」
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「いや、そうなるとリンダの問題が……」
「んふふ~、あのキャラ被りは、わたしを口説く権利って言ったのよ? 権利を放棄するなり、譲渡するなりして放っておけばいいのよ~、一生嫁き遅れになったらいいのよ~」
エステアが黒い微笑みを向けてくる。
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「引っかかる言い方だけど、ありがと~ダーリン」
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