陽のあたる場所3

桜ノ雨

桜ノ雨23

篤史にメールした後、私は一目散に羽田空港に向かった！


この日、篤史とはまともに連絡が出来なかったけど、黒田さんとは朝からメールをしていて、心配してくれていたから……


『とりあえず羽田空港きましたが今日も会えそうにないですね（ ;  ; ）』


黒田さんにメールしたけど、しばらく返事もなく私は諦めて京急線で帰ることにした……。


すると……


『今、羽田ですか？』


黒田さんから返事が返ってきた！



『今諦めて京急蒲田まで一旦戻ってきました(ノ_＜)

もしかして篤史さん羽田空港にいますか⁉︎』



『最終便かもですね

ただ、わかりません！連絡つかず！』



『了解です(ノ_＜)ありがとうございます！

とりあえず羽田空港戻ります！

せめて第1か第2だけでも分かるといいのですが(＞＜)』


『金子君、突貫工事してる見たいで、彼も電波悪いようです！m(_ _)m

本当にごめんなさいと伝えて欲しいと！』


私は黒田さんとメールをしながら再び羽田空港に戻り、黒田さんの言う"最終便"にかけ、藁にもすがる思いで第２ターミナルのインフォメーションに駆けつけた！


「すみませんっ！札幌に帰る婚約者と途中から連絡つかなくなってしまって……

多分いつもの流れだと、最終便で帰ると思うんですが、どの航空会社かも分からなくて……。

今までANAとエアドゥ の割合が多かったので、とりあえず第２ターミナルに来てみたんですけど……。

多分最終便で帰るとしたら、もう空港には来てると思うんですっ！」


インフォメーションにいた受付嬢2人は、私の切羽詰まった姿を見て、すぐに館内放送をしてくれた……。


『神楽篤史様～、神楽篤史様～

お約束している桜庭幸子様が…………』


それから、しばらく第２ターミナル内に館内放送が流れ続けた……。


だけど………



「あの………

大丈夫ですか？」


待てど暮らせど婚約者は現れず、今にも泣きそうな私をみて、

インフォメーションの女性が心配して話し掛けてきてくれた……。


「はい……。

ありがとうございます…。」



「あの、良かったら………


第１ターミナルの方でも放送流しましょうか？」