陽のあたる場所2

こたろ

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恋の渦

恋の渦23

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もしも私が初めから女の姿で将吾くんに出会っていたとしたら……?


私は彼を好きになっていただろうか…?


そして彼は私を好きになってくれただろうか……?


少なくとも”気色悪い”とは思われなかっただろう……。


そもそも私が”男”になっていなかったとしたらーー?



私はそんな事を考えずにはいられなかった…。



だけど、これもまた全てこうなる運命だったのだろうーー。



だから今、篤史に出会うことが出来たワケで……



「幸子、今日ボスからまた連絡来てよw

給料を今の1、5倍に上げて欲しいんだとよ?(笑)」



2017年3月11日ーーー


6年前、東日本大震災の日だったその日、私は当時を思い出しながら夜に篤史と電話していた…。


「あはは…。

世間じゃ震災の話題で持ちきりで、みんな黙祷してる中、社長は相変わらずお金の話ですか(笑)」


「ホントだよな!?

呑気に沖縄で暮らしておいて、いきなりこんな日に給料の話しやがってっ!!」


「アハハっw

でもさすがに会社のみんなもこの現状じゃオッケー出来ないっしょ!?」


「…知らねぇけど、結局ボスの権限には従うことになるかもしんねぇ…。

こんな赤字抱えてる時に頭おかしいんじゃねぇのか!?

ホント胸糞悪りぃわっ!!!」


「まぁまぁw

社長の言いなりになるのも後半年なんだから、今は耐えて頑張ろうよ♪」



「ったく!あのハゲがっ!!

あ~っ!考えただけでアッタマ来るわっ!!!」


「篤史、落ち着いてっ!!w」


「ったく、自分の給料は上げろ!って都合の良いこと言ってよw

俺は暫定のままだとよ!!(笑)」



「……え?

…ってことは……?」




「俺の給料は上がらず、下がらず、

今のままってことよ……(笑)」
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