陽のあたる場所２

真実の扉

真実の扉31

篤史が”男は金”と思っていたのは、周りの環境がそうさせてしまったというのも原因の一つだろう…。


決してそれが悪いことではないけど、世の中お金が絡むと人間の一番意地汚い面を直視する場合が多い…。


そしてそれを直視することもまた悪いことではない…。


大切なのは、”人間とは愚か”なのも当たり前で、その”愚かさ”と自分がどう向き合って行くかが重要なワケで……


「アハハっ！！嬉しいね♪

そう！愛があればなんだってオッケーだよ♪

だから私はこれから借りる家も別に風呂無しアパートとかでも全然構わないよ（笑）」


「いやいやいや！ww

北海道で風呂無しはキツいべや！？

毎回銭湯なんて寒くてやってらんねぇべや！？（笑）」


「あ、そっか（笑）

北海道で風呂無しは確かにキツいね！？

でもさ、最近北海道の物件見てたらとにかく安いのね？

月１万ちょっとの家賃で全然暮らせちゃうんだね！？」


「だべ？w 東京なんかよりずっと安いべ！？

 んでよ、お前にちょっと頼みがあんだけどよ

2、3万程度の物件でどこかいいとこないか探しておいてくんねぇか？」


「ぇえ！？

どうしちゃったの！？ww

篤史にしては随分と低い設定だね（笑）」


「とりあえず家買うまでの繋ぎの予定だからよ、あんま高望みしてもしゃあねぇべ？（笑）

鑑定士のヤツに頼んでたけどよ、いつまで経ってもまともな物件寄こさねぇからよっ！！（笑）」


「分かったよ♪ 探しておくね♪

それにしても随分と考え方変わったもんだね（笑）」



「もうさ、金だとか贅沢な暮らしとかに興味無いのさ。

全く興味が無いって言ったら嘘になるかもしんねぇけどさw

とりあえず住む家はおまえと住めれば何でもいいさ♪

でも俺さ、最近いろいろ考えたけど…

やっぱ仕事はさ、この建設業が大好きなんだわ。


そして今の会社に恩もあるし、ここまで俺を成長させてくれたことに感謝もしてる…。


でもよ、今の会社の在り方には俺は賛成できねぇ。

会社に社長が不在で連絡さえ取れないだなんて有り得ねぇ状態さっ！


だから幸子、俺は決めたさ！

別に今勢いだけで口走ってるワケじゃねぇさ？

ちゃんとおまえとの将来のこともよく考えて結論だしたさっ！！


俺はこの会社を退職して、

原点に戻って一からスタートしたい！


だから今の会社、3月末に辞めて…


個人で会社を立ち上げることにするわっ！！」