陽のあたる場所２

不実な策略

不実な策略21

調停の翌日、私はいつも通りお昼に篤史と電話をしていたーー。


「あぁ、ちゃんと支払ってきたことは認めてたさ。」


「良かったぁぁっっ！

これで第一関門はクリアだね♪（笑）

奥さんもさすがに篤史が履歴残してないとは思わなかったか♪（笑）」


「でもよ？もう調停の内容はひでぇモンよっ！

向こうは俺と言ってることが７割方違うのさっ！！」


「奥さんが嘘を付いてるってこと？」


「あぁ、作り話もいいとこさっ！！

とりあえず、向こう側は今回とにかく慰謝料云々ではなくて

俺とヨリを戻したいって話を訴えてきたワケよ。

んで、向こうはそもそも離婚した原因は俺にあるってことになってるから、

もしそれを受け入れられないんであれば、それ相応の金額を支払ってくれって言ってるワケさ。」


「もう慰謝料散々払ってきたのに、ヨリ戻せないならお金欲しいってどんだけワガママよ！？w

他の男と子供作っておきながら、篤史に請求するなんてっ！

普通に考えたら篤史じゃなくてその旦那さんと裁判でしょ！？」


「それがよ？

向こうはその生活保護受けてる男とは籍を入れてなかったらしくて”事実婚”だったみたいなんだわ…。」


「…え、籍入れてなかったんだ！？」


「そうらしいんだわ。

だから事実婚だけにそいつと一緒に住んでたって証拠が何もないわけさっ！

だから向こうはその男と付き合ってた事実はなかった事として話してきたのさっ！！」


「はぁ！？子供までいるのにぃ！？」


「そうなのさっ！

向こうは子供までいながら、子供できてしまった理由が

”俺と離婚した腹いせ”でその男と一度だけ関係を持ってしまったって言ってきたのさっ！！」