陽のあたる場所２

誘惑とジェラシー

誘惑とジェラシー1

「福永っ！

お前、水泳の授業1回も出てないらしいじゃねぇか！？

次出ねぇと成績つかねぇぞ！？」


1995年9月ーー


当時、中学2年生だった私はずっと水泳の授業をサボっていた…。


”カナヅチ”だから恥をかきたくないし、胸も小さくて水着姿になるのが恥かしくて…

普段真面目な私も水泳の授業だけは1年の時から”生理”か”風邪気味”を理由に休み

担任の”磐田先生”からは去年から注意を受けていた…。


「磐田先生、すみません…。

次の授業はちゃんと出ますからっ！！」


担任の磐田先生は数学の授業を担当していて、柔道部の顧問でもある。


私は一番得意な教科が数学だったから、数学得意な女子って珍しいのか磐田先生はいつも私も目にかけてくれていた。


目にかけてくれてるのは有り難い事ではあるけど…


「福永…解けたか？」


授業中磐田先生は難解問題を出す度、みんなが解いている間に私の席に来ては様子を伺ってきていた…。


そして、解き終わると……


「よしっ！福永、前に出て解いてみろっ！」


私はみんなより磐田先生に当てられる率が異常に高かった…。

でもそんなの私の自意識過剰なのかもしれないし、なるべく気にしないようにしていた…。


そんなある日、私はトイレに行ったあと、色付きリップを付けてお色直しして教室に戻ると…


「あっ！さっちゃん口紅つけてるっ！

かっわいい～っ♪」


そんなクラスメイト”浜口さん”の褒め言葉は、とても本心とは思えなかったけど……


「あ…ありがと…。」


私は苦笑いしながら、小声でそう応えた…。



「アハっ！さっちゃんはさぁw


磐田先生の為に口紅つけてるんでしょ？（笑）」



……え？