陽のあたる場所2

こたろ

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愛の音

愛の音13

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篤史が脱臼した数日後、私が仕事から帰ってくるなり浩志さんがCDを渡してくれた。


「……えっ!?

ありがとうございます…。」



それは7月20日に発売された、YEN TOWN BANDのアルバム『diverse journey』だった…。


YEN TOWN BANDは1996年に公開された映画、『スワロウテイル』の劇中に出てくる

グリコ(CHARA)がボーカリストをつとめる架空の無国籍バンドだ。



私は中学からこの映画と音楽に影響を受けていた…。


この映画に影響され蝶のタトゥまでいれてしまうくらいの熱狂ぶりだった…。


あれから20年の時が経ち、先月アルバムが発売されてから、

私はYouTubeで毎日のように『アイノネ』を繰り返し聴いていた。


そして更には懐かしくなり、『スワロウテイル』の映画をレンタルし、先日浩志さんと一緒に観たばかりだった…。


「さっちゃんが珍しく音楽聴いてるからw

気になって買っちゃったわ(笑)」


こうゆうサプライズプレゼントって本来嬉しいものだけど、

もう離婚しようと考えてる時に貰うのって複雑だ…。


「さっちゃん、おなべの時音楽活動とかしてた割に普段全く音楽聴かないんだもん(笑)

俺より聴いてないやん!?(笑)」



私は何故か、女に戻ってから音楽にも流行のファッションにも一切興味が無くなってしまっていた…。


その代わり、心理学だとか統計学だとかそういった分野に興味を示すようになっていた。



「でもYEN TOWN BANDなら喜んで聴きますよ♪

とくに『アイノネ』は曲の最後まで聴いてみたかったんで♪」



「ほな、買って良かった♪



ところでさっちゃん…


”一番長く続く愛情”って、なんだと思いますか?(笑)」



……え?
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