陽のあたる場所

こたろ

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儚いユートピア

儚いユートピア48

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「ま、それはそれで血の繋がってない弟の特権じゃん?w」


「そうなんよ(笑)

だけん、姉ちゃんにはいつもめいっぱい甘えとるw」


「ハハっ!!シスコンだもんな♪(笑)」


「うん(笑)

姉ちゃんはいつも優しいから俺もついつい甘えちゃって…


多分血ぃ繋がってる兄貴の方より、きっと俺の方が可愛がってもらっとる(笑)」


「ハハハっ!!

アンタ一番下だしね♪

多分姉ちゃんも将吾くんが可愛くてしょうがないんだろね♪(笑)」



そんな将吾くんのお姉さんの気持ちが俺にも少し分かる…。


俺も昔、弟を可愛がってあれこれプレゼントしたりお節介をしていた…。



弟であれ妹であれ、年下ってきっと可愛いもんなんだろうな…。


俺もなんだかんだで兄貴に可愛がってもらっていたし……。








「福永さんっ!!

またケンジさんと飲み行きたいっ!!」



2011年5月7日、この日ケンジは高円寺で働く最終日の前日となり

俺の家に泊まる最後の日となった…。



「…え、いいけどアイツ貧乏だからなぁ。」


「それなら俺も出すけんっ!!

ね?またみんな誘って飲み行かん!?」



「まぁいいよ♪

って、アンタもケンジ大好きだねぇ(笑)」



朝からハイテンションな将吾くんを見てると、俺も元気が湧いてくる♪


ケンジを高円寺に連れてきて良かったと俺は改めて思った--。



「…あっ!福永さんっ!!

聴こえる!?」


「ぉおっ!!『陽はまたのぼりくりかえす』じゃん!?

シゲルっ!!ラジオの音量上げてっ!!w」


「…え!?」


「シゲルさんっ!!福永さんこの曲好きやから上げてやって!!w

お願いっっ!!」


「…あ、うん♪」



仕事中、ラジオから流れる『陽はまたのぼりくりかえす』を聴きながら

俺は将吾くんの誕生会の計画を1人で進めていた…。



5月22日、将吾くんの誕生日当日を特別なスペシャルデーにしようと--。
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