陽のあたる場所

こたろ

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復興のキーマン

復興のキーマン14

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「…っ!!


…そうですよね。


確かにそんな事言っても今更どうにもなんないですもんね。」


「そうだよ。

別にそいつが何かしてくれるワケじゃないんだろ?」


「確かに…。

そんな事言って不安を煽るだけですもんね。


そんな放射能に詳しくてみんなを助けたいと思うなら、

ハナっから東電で働くか政治家にでもなってしまえって話ですよね(笑)


ってそれも極端過ぎですけどw」


「だいたいさぁ

今騒がれてる原発以外にも、

もう既に制御不能になっちまってるもっとヤバい原発もあるんだよ。」


「そうなんですか…。」


「だいたいそんな事騒いでたって、

俺らの仕事は結局アパレルだからな。


こっちの仕事はこっちでやるっきゃないからな。」


「でもこの震災で、なんだか実感させられました…。

人間の生活に必要なモノの順番が分かって…


ファッションなんてあまり生きる上で必要ないモノなんだなって(笑)」


「そうだな(笑)

でも…


俺はこれからもアパレルの仕事続けるけどな。」


その言葉を聞いて、なんだか少しホッとした…。


俺もこのまま仕事を続けていいんだと思えたんだ--。





それからまたしばらく、震災や被災地の話を2人で続けていた…。



「なんかさ、話してて思ったんだけど…」


「…はい?」


「俺とおまえとマナミってさ、

3人でいると、いつもそのうちの誰かが

気ぃつかってバカ話して…みんなを笑わせて…

なのに2人でいる時って、




いつもこうゆう暗い話ばっかしてんのなw」




「…ははw

確かに…。」



「なんか俺ら3人って、メンタル的に似てるのかな…って。」


「……。


そうかもしれませんね…。」



ケースケさんのその発言はなんだか俺には意外だった…。


確かに3人とも割と考え込むタイプだけど、

ケースケさんはなんだかんだ、いつも自分でサラリと問題を解決してるように感じたから…。




「で、フク

おまえは今日、何か話したいことあったんだろ?」




そう、


いつだってこうやって俺の前を進んでくれているから---。
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