陽のあたる場所

こたろ

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剥落の虚偽

剥落の虚偽16

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「……はい…?」


「まずは、フクくんが病院に行くかどうか。

そして、それをお母さんに世話になるかどうか。」


シャドーさんは相変わらずの落ち着いた口調で、俺を諭すように話してきた--。




「……。

病院に行く気はないです…。



別に俺は自分が異常だなんて思ってないですっ!」


「…別に、俺も行く必要なんてないと思うよ?」


「…ですよね?


俺、時々思うんですけど"心の病"なんてホントにあるのかな?って…。」


「俺もそう思うよ…。」


「だって…

日本って医療が発達してるから、精神医学まで介入してるだけで、

他の貧しい国に生まれてたら、もし自分が精神病だったとしても

精神病だと知らないまま…


例えば鬱病なら鬱病と知らないまま一生を終える人も多いと思うんですっ!!


それならそれでいいのかな…って。


別に知らないまま生きていてもいいんじゃないかなって…。



俺は精神病なんて後付けの病名で、

結局自分次第なんじゃないかって……。」



「分かるよ…。


俺も妹が俺のお金盗んだ時、

『病気だからしょうがない』

って言われた時、正直納得いかなかったよ…。」



そんなシャドーさんの妹さんは、ずっと病院でカウンセリングを受けていたようだ…。


そして、シャドーさんの弟さんは障害者で障害者施設にいる…。


シャドーさんは健常者であるが、そんな兄弟たちの面倒をみていて、苦労が絶えないようだった…。




「俺もそんなん納得いかないですよ…。


前々から思ってましたけど、シャドーさんの妹さんはちょっと

自分を"悲劇のヒロイン"だと勘違いしてますよ…。」



「妹は、両親が障害者の弟の面倒ばかりみて

私は構ってもらえなかったってせいで病気になったって未だに怒ってるけどね(笑)」


「…だって、

そんなこと言ったらシャドーさんだってそうなるって話ですよね?


そうやって人のせいにしてる以上、妹さんは同じ事の繰り返しだと思いますっ!」


「ね?w

相変わらず、子供を親に預けて男と遊びに行っちゃうからね(笑)」
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