陽のあたる場所

こたろ

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剥落の虚偽

剥落の虚偽11

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俺は昨年音楽活動をしている友人から合法ドラッグを勧められて吸ってしまっていた…。


その友人は、ここ最近周りの音楽仲間達が何人も立て続けにマ○○○ナの所持で捕まってしまったと話していた--。



「俺はそんなんで捕まりたくねぇ!!

やるなら"法"の中だけで健全に生きる!!」


とか言って、最近はずっと合法ドラッグにハマっていたようだ…。



合法ドラッグ…。



合法には間違いないけど、合法ドラッグなんて法と売人のいたちごっこだ……。



例えば仮に10種の成分を混ぜたある違法のドラッグがあるとしよう…


合法ドラッグはそのうちの9種が一緒でもう1種はそれに似たような成分を混ぜ合わせ、

それだけの事で違法のドラッグとほぼ同じような合法ドラッグが完成してしまうのだ……。


これはあくまで分かりやすく簡単に説明しただけで事実とは別である。



例えばそれが見つかって問題視されると、またそれは違法になって、

また別のドラッグを開発する…。



つまりただ『一時的に"合法"になっているだけ』という解釈もできる…。




しかしその時点で合法には間違いない。



だからこそ合法だから大したことないと舐めてかかった俺は、そのドラッグのあまりの効き目にびっくりした。


直ぐに効いて直ぐに抜ける…そしてマ○○○ナと違って臭いもほとんどしない…。


これは良いものを見つけた!!とばかりに俺は数人の友人に勧めてしまった…。



そして数日後には自ら購入して再び吸って、

あまりの効き目に今度は怖くなってしまって、その後もうやらないことにした…。



別に合法だから罪ではないし、やるもやらぬも個人の自由だ。



でも俺が辞めた理由は、依存しそうで怖いから…。


効き目が強いほど、中毒性があって危険だからだ……。



俺はその後、再びやる事はなかった。





…しかし



後に勧めた友人がそのまた友人に勧め、その友人は依存してしまい、

度々買いに行くようになってしまったと聞かされた…。



ハマってしまったその彼は、元々ドラッグ自体に知識も免疫も全くない無垢な青年であった--。
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