陽のあたる場所

こたろ

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崩壊の序曲

崩壊の序曲14

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「…はぁっ

…はぁ…ぁっ…」


それから俺は…

お母さんに言えなかった昔の事を思い出していた---。







幼稚園の帰り道、見知らぬおじさんにレイプされたこと…


それが怖くて眠れなくなっていたこと…


眠っても夢にでてきて怖くて目が覚めてしまったこと…


だから"おばけの夢をみた"と嘘ついて母親に泣きついていたこと…


独りぼっちでいたこと…


生理がきたことをずっとずっと隠していたこと…


友達がいるフリをしていたこと…


学校に行っているフリをしていたこと…


自殺しようとマンションの屋上にのぼったこと…


だけど足がすくんでそんな勇気さえない自分が情けなかったこと…


セックスが恐怖になってしまったこと…


毎日が苦痛で毎日"死"を考えていたこと…。




お母さんに言えなかったことが走馬灯のよう蘇ってきてしまった…。




言えなかった事を全部思い出して…


「はぁっ…はぁっはぁっ…ひっ…はっ…はぁっ…」


…俺はうまく呼吸ができなくなっていた--。





「どうしたの幸子っ!?

ねぇ!?大丈夫!?」
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