陽のあたる場所

崩壊の序曲

崩壊の序曲13

「…ぞんな幸せ俺は望んでねぇっ!!

俺の幸せが結婚だと勝手に決めつけんなっ!!

ぅう…ぉ…俺は充分幸せなんだっ!!!!」


「…じゃあなんで泣いてるの？」


「…ぅ…ぅう…お母さんが変な事言うからだっ!!


…ぉ…お母さんは…ぅ…自分が…ぅう…ぅ…自分が子供がいっばいいるがら…

…うぅ…ぉ…女の幸せは出産と思いこんでるんだっ!!」


「そうよ？お母さんは幸子やみんながいて幸せなのよ？

だから幸子にもそうやって幸せになって欲しいのよ…。

幸子だって子供好きだったじゃない？」


「…っ!!

ぅぐっ…うぅ…うぅっ…」



…そうさ

子供が好きでお母さんと児童福祉のボランティアに行ってたさ…。


でも俺にはもうそんな未来は描けないんだよ…。



「ぅう…うぅっ…うぅっぅっ…えっ…うぅ…っ」



「…大丈夫？

幸子はいつも溜め込んじゃうから…

いつも自分１人で全部背負い込んじゃって…


もっと楽になっていいのよ…？」


「…あぁっ…ぅうっ…うぅ…」


「本当はお母さんに言いたい事、今までいっぱいあったんじゃないの？」


「…うぅ…うーっ…うぅ…えっ…うぅ…」


「お母さんに言えなかった事、いっぱいあるんじゃないの…？」




…え



お母さんに言えない事…？





…ぁ



…あの日…


幼稚園から独りぼっちの帰り道…




"お母さんたちに言ってはいけないよ…？"



…ぁあ…



「ぁあっ…あっ……!!」








うぁぁぁあああああああああああっっ!!!!!