陽のあたる場所

こたろ

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沈む太陽

沈む太陽25

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家に帰って居候の宗介に今日の話をすると、

宗介は熱くなって珍しく怒っていた(笑)


「ハハっw

まぁ確かに普通に考えたらハギの発言は有り得ねーよな(笑)」


「有り得ないっすよ!!カメラマンっすよね!?

そんな仕事してるのに音楽を理由に辞めたいとか…

仕事舐めてるんですかっ!?」


「…うるせぇよ。

人それぞれ価値観がちげぇんだよ。


俺らからしてみたら"カメラマン"なんて特別な仕事だから

宗介は勿体無いって思うかもしんないけど、

ハギからしてみれば、仕事以上に今やりたいのが音楽なら

それはそれでしょうがないだろ?


仕事と趣味が一緒にできている宗介とはワケが違うんだよ!!」


「でもフクさん、

カメラマンなんて誰でもなれるわけではないんですよ!?」


「…分かってるよ。」


「俺の友達のキヨシだってカメラマンになりたくて、もう3年近くアシスタントやってるのに

まだまだ上にも先輩アシスタントがいて、カメラマンになれるかさえ分からないのにっ!!


そんな音楽ごときで仕事を辞めるだなんて…信じらんないっ!!」


宗介の親友"キヨシ"もまたカメラマンを目指している。

テレビカメラではないが、かなり大物のカメラマンの元でもう3年近く修行している。

しかし芽がでる見込みも今のところない…。


つまりは宗介が言うように、誰でもなれるわけではなく、

かなりの努力と根性が必要とされる。


だからこそ辞めたら"勿体無い"のだ。



「まぁ、辞めたら勿体無いのは間違いないよな。

でも大丈夫だよ♪

とりあえず辞めずに済んだしさ♪


上司がハギにちゃんと休みや時間を与えて、

将吾くんと音楽をやれる時間が少しでも増えれば俺は嬉しいね♪」
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