陽のあたる場所

沈む太陽

沈む太陽1

あの頃の私は、沈む太陽をみるのが好きだった…。


自転車でいろんな海岸に行き、独りボッーと沈む太陽をみていた。



玉木さんも海が好きで、時々２人で沈む太陽を眺めていた－－。


あの頃は暗く沈んでゆく夕日が好きだった…。



真っ暗になっても私はずっと海を眺めていた……。









でも今は昇る太陽の方が好きだ。



朝日はどんな小さな隙間にも陽の光を差し込んでくれて、私に希望と元気を与えてくれる。



そして明るく壮大な朝の海は、

寄せてはくりかえす波と共にどんなちっぽけな悩みも遠くに流してくれる気がする。



そんな朝日が好きになったはいつ頃からだろうか…？





きっとあの頃から私達はすれ違ってしまったんだ…。



いつの間にか私は陽の光を求め…

２人は別々の道を歩みだしていたんだ－－－。





「玉木さんっ！

今日バイト終わった後ちょっと話があるから…

終わったら外で待ってるね？」