陽のあたる場所

Ｂ型行進曲

Ｂ型行進曲16

兄と観たその番組とは、

１人の中年男性が、センター街などの繁華街にさまよう家出少女や薬物中毒者などの問題児、

悩める現代の若者の悩みや話を聞いて、時にアドバイスしたりするものだった…。




「フクさん確かに向いてそうですね!!」



「いや…

俺はそうは思わないんだ。


言われた時は自分でもそうなのかな!?って嬉しかったけど

俺って一々必死になっちゃうからさ


多分その若者達にのめり込んで、自分の私生活まで影響を及ぼしちゃうと思うんだよね(笑)」


「あー…。」



「だからさ、俺はせいぜい問題児は周りの友達くらいにしといた方がいいなって(笑)


兄貴はよく俺が問題抱えてる友達の相談役になったりしてるのをみて、

俺に向いていると思ってくれたみたいだけどね。」


「確かにフクさんて普段からそうですよね。

俺もそのおかげで家に住まわせてもらってますけど(笑)」



「ホントはお前なんか住まわせたくねぇけどな!!

おかげで女の子を連れ込めなくなったしよぉっ！(笑)」



「アハハハっ！」


「でもさ、俺は逆に兄貴のような人間の方がまだ向いていると思うんだ。

兄貴って優しいけど時にドライで…

でもシゲルのように根っから明るい奴だからさ。

俺はそれで救われたりしてるんだ。」


「へぇ。確かにフクさんよくお兄さんの話してますよね♪」


「俺さ、昔FTMとして…男として人生を生きて行くと決めた時、

兄貴に一番先に相談したんだよ。


そしたらさ、『ウケるｗ』って笑われてさ(笑)


『別にいいじゃん。元々女じゃなかったしな(笑)』って言われて、

すごく気持ちが楽になったんだよ。


俺が男として生きる選択は別に大した事じゃないんだなってさ、

１人で勝手に考え過ぎてたなって(笑)」



「良いお兄さんですね♪

ちなみにお兄さんは何型なんですか？」


「え、兄貴？





兄貴はＢ型だよ(笑)」