陽のあたる場所

こたろ

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幸福の変革者

幸福の変革者31

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Dragon Ashのアルバム発売が目前というのに、

私は待ちきれずシングルCDの『陽はまたのぼりくりかえす』をレンタルしに行った。


「ヤバいっ!!かっこいいっ!!」


とすぐにハマって、それからアルバムも発売後すぐ手に入れた。


新学期が始まると、私はもうすっかりDragon Ashの虜になっていた。


Dragon Ashを聴いてると、聴いてる私もちょっとカッコ良くなった気がして、

それからかっこいい音楽を探すようになってきていた。



山嵐、宇頭巻、RIP SLYME、麻波25、BACK DROP BOMB、etc.…



あれこれ見つけてきて、私はどんどん好みが変わっていった---。




「ぉお!?ずいぶん思い切ったじゃん!?」



9月も半ばになった頃、私はずっと伸ばし続けていたロングの髪を

バッサリ切ってショートにした。


兄は驚きながらも『だいぶマシになった(笑)』と割と好評だった。



長くて重苦しい毛をバッサリ落としたら、

重苦しい私の心の奥も少し軽くなった気がした。




その日の夜も『陽はまたのぼりくりかえす』を聴きながら

私はドキドキと胸が高鳴っていた。



新しい髪型と、新しい音楽…


そして新しい髪型に合わせた新しいファッションが

私を幸福(しあわせ)に導いてくれる気がした。



そう、

いつまでクヨクヨしても何も始まらない。


結局陽のまたのぼりまたくりかえすのだ。



だからこそ、ほんの少しでも自ら陽のあたる場所へ…。







そしてその翌日--



玉木さんには内緒のまま、

私は堂々とバイト先に向かったのだった---。
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