陽のあたる場所

こたろ

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幸福の変革者

幸福の変革者2

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「日常生活で不便とかってありますか?」


「ん~…、

ホルモン注射を打つまでは、声が高かったんで

喋るたびに奇異の目で見られるのがキツかったですけど…


ホルモン注射打ってから声も低くなったし、

日常はそんなに普通の男性と変わらない生活してますね♪」


「そうですよね、見た目は完全に男に見えますからね♪」



「ただ…やっぱり一番ネックなのが



セックスですね(笑)」


「アハハっ!!」



「普通の男性と違って、結局モノがないし、

ちゃんと満足してくれてるのか正直自信はないですね…w


たまに"性の不一致"が理由で別れたなんて友達の話を聞くと怖くなりますね。


本物の男でもそうゆうことがあるのに、

"おなべ"でそうゆう相性が一致するなんてもっと難しいんじゃないかって…。」


「"性の不一致"ですかぁ…

それは俺も耳の痛い話ですね。」



「馬場さんでもそうですか(笑)


それにあとは子づくりできないという壁もありますしね。」



「子づくりですかぁ…。」



…?


「まぁ、元々不妊症の女性もいますし、

あと相手が子供欲しくないとかなら全然問題ないんですけどね♪


ただ俺は、兄貴や弟の"種"をもらって"人工授精"なんてのも考えてます♪


ま、その前に相手ですけどね(笑)」



それから、馬場さんは無言で灰皿においたタバコの火を消し、

ジョッキに少しだけ残っているビールをクイッと飲み干して、またビールを注文した。



「……。」




それからまた新しいタバコに火を付け

一息ついてからやっと口を開いた。



「実は…



俺も人工授精を考えてるんですよ。」





……え?
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