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第22話 復讐者リベン、NTRられた男に変わり復讐する

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 静かな森林の中、魔物たちが平和に暮らしていた。

 魔物たちが静かに旅人を襲ったり、農作物を荒らしていると、そこへ一人の男が現れた。

「環境破壊キモチェェェ~」

 復讐者リベンは片手に“全自動環境破壊剣”を装備し、片っ端から木を伐採する環境破壊に特化した武器であり、今さっきそこで彼が拾った剣だ。

 その剣の効果はとにかく環境を破壊することだけに特化した迷惑極まりない剣であり、木を切り倒すのに非常に便利だ。

 環境破壊剣の効果により、魔物たちの住処はあらかた丸裸になった。

「GRYAAAAAAAAAA!?」

 知能がある魔物たち(オークとか)はその意味不明さに驚いた。

「ふぅ…これだけ伐採すればゴブリン畑を作るのに十分だろう…」

 リベンはそう言うと、籠から瀕死のゴブリンを取り出した。

 そして、それを片っ端からゴブリンを頭から地面に埋めた。

「GRYAAAAAAAAAA(何してんの)!?」

 それを見ていたオークたちは驚愕するが、近くにいたゴリラみたいな怪物にその姿を見られた。

「GRY(何だ、この不愉快な化け物は)!?」

 ゴリラみたいな怪物はオークを掴むと、牙をへし折った。

「GYAAAAAAAAAA!!」

「ウホッー!!アッーイヤー!アッーイヤー!」

 化け物はオークが苦しむ姿を見て、とても喜んでいる。

「うるせぇええええええええええええええええ!!ゴブリンが育ちづらいだろうが!!」

 ドバギャア!!

 リベンはいつものようにゴリラみたいな怪物を殴り飛ばした。

「んもうぅ♡ゴブリンは繊細な作物なんだから、静かにしなきゃダ・メだ・ぞ♡」

 彼はそう言いながら、ゴブリンを再び埋め始めた。

 その様子を見ながら、ルミエはこう言った。

「あれ、なんなの?」

 それに対して、ロークスはこう答えた。

「さぁ?」

「ボウって言う勇者パーティでも結構偉い人復讐してやるー、って言っておきながら、何がしたいの?あのおじん」

「さぁ?」

 ロークスがそう言うと、フラムが昼食を持ってきてくれた。

「まぁまぁ、暗い話ばかりしててもよくないよ」

 そう言いながら、フラムは机の上に人数分のオムライスを置いてくれた。

「これは?」

「私が作ったの。よかったら、みんなで食べない?」

 ルミエはその言葉に少し驚いた。

「今更なんだけど、フラムって本当に王女なの?」

「?そうだけど?」

 その言葉にフラムは不思議そうに答えた。

「だって、噂では“召喚魔法を使えるセレナーデ王国の王女”って聞いたけど、召喚魔法を使っているところを見たことないし、一人でこの町に来ちゃうし、本当なのかなーって、思っただけよ」

「ああ、そのことね。私たちセレナーデ王国の王女が使う召喚魔法は少し特殊なの」

「どういうこと?」

 フラムは少し困ったような表情をすると、こう曖昧に答えた。

「そのうち、ね」

 彼女はそれだけ答えると、椅子に座った。

「旨そう!!」

「ロークス、まだみんな揃ってないよ」

 フラムは一足先に食べようとするロークスをそっと窘めた。

「ふーんこれどうやって作ったの!?」

「ああ、それはね…」

 その言葉と共に、草むらから手足が生えた消しゴムが現れた。

「オールデリート!!」

 たぶん、住処を追いやられた魔物の一匹だろう。

 消しゴムはゴブリンを埋めている最中のリベンの目の前に現れた。

 リベンは消しゴムを見ると、刀を抜いた。

「こいつ!!ゴブリンを獲りに来やがったな!!食らえ、芭啞火保二刀流奥義“料理の基本は卵料理から”!!」

 そう言って、リベンは二本の刀で消しゴムを切り裂いた。

「練り消し!!」

 消しゴムは料理教室«拷問»が始まる前に走馬灯を見た。

◇昔◆
 あれはまだ平和だったころの話だ。

 消しゴムはゴム兄弟の次男であり、成績優秀な消しゴムであった。

 彼には付き合っている恋人鉛筆と婚約しており、近いうちにテキスト王国の王になる予定であった。

 だが、ある日のことだった。

 突然、婚約者の鉛筆が行方を晦ましたのだ。

 不審に思った消しゴムは友人の定規と兄の輪ゴムに鉛筆を探すことを要請した。

 そして、見つかった。

「え、鉛筆…その男は…」

 そう、彼女は寝取られたのだ。

「あら、消しゴム。どうしてここに」

「ん~?消しゴム~?懐かしい名前だな~」

 そう、かつて消しゴムをいじめていた男、その名もコン〇ームの手によって。

「き、貴様はコン〇ーム!!」

「なんだ?覚えていてくれて嬉しいぜ、消しゴム」

「これは…一体どういうことだ!!鉛筆!!これは!!」

 必死な消しゴムの訴えに、鉛筆はうざったそうにこう答えた。

「消しゴム、残念ね」

「はぁ、何のことだよ…!!お前は、俺の…」

 消しゴムはそう言うと、鉛筆はため息を付きながらこう答えた。

「ああ、あんたの婚約者って話?忘れたわよ、そんなこと」

「な、何を言っているんだ!!鉛筆!!おい、コン〇ーム!!彼女に何をした!」

 その言葉にコン〇ームは笑いながらこう返した。

「はぁ?俺は何もしてねぇよぉ!」

「私はねぇ、あんたみたいな使い込みすぎて黒ずんで丸くなったできた男なんかより、この男らしいフォルムの彼を選んだのよ!!」

「な…!!」

 その言葉に消しゴムは開いた口が塞がらなかった。

 そもそも口などないが。

「な…なんだと!!嘘だっ!!」

「本当だぜ~消しゴム!!この女は俺を一目見るなり、『あのくそゴムと別れるから、私と付き合って!!』って言うんだぜ!!」

「そ、そんな馬鹿な!!そんなはずはない!!目を覚ませ、鉛筆!!お前は、俺の…」

 その言葉に鉛筆は信じられない言葉で返した。

「だって、あんた子供しか使わないじゃない!!」

 消しゴムはその言葉に絶句した。

「私はね、あんたみたいな子供しか使わないゴムじゃなくて、大人が使うゴムの方がいいの!!」

「そ…そんな…!!」

 消しゴムはその場に倒れた。

「へっ、お笑いだぜ。ここまで使い古された負け犬はとっとと消えろ」

 そう言うと、コン〇ームは消しゴムを掴み、外へ放り投げた。

「畜生…畜生…!!」

 消しゴムはそう言うと、意識を失った。

◆今◇
「なるほど…お前にもつらい過去があったんだな…」

 消しゴムを倒したリベンは横たわる彼を見てそう呟いた。

「死ぬほどどうでもいいが」

 そう言って、リベンはゴブリンを埋める作業に戻ろうとした瞬間だった。

「ん~あれはどっかの負け犬だな~」

 何と、消しゴムの憎き仇であるコン〇ームと鉛筆が通りかかったのだ。

「下ネタじゃねぇかぁああああああああああ!!」

 それを見たリベンは作業を放棄し、コン〇ームと鉛筆を猛スピードでしばきに行った。

「うぉ!なんだこのおっさん!」

 リベンは二つの刀を抜くと、早速二つをオムライスにすることにした。

~◇ちょっと前◆~
 フラムは人数分のオムライスを作るためにまず玉ねぎをみじん切りにした。

 続いて、鶏肉を食べやすいようにサイコロ状にに斬った。

「これでよし、と」

~◆一方その頃◇~
 リベンは刀で二つをみじんに切り裂いた。

「死ねぇえええええええええええ!下ネタぁあああああああああああ!!」

「「ぎゃああああああああああああああああああ!!」」

~◇フラムサイド◆~
「次はフライパンにオリーブオイルをひいて、玉ねぎを先に入れると…」

 そう言って、彼女は魔法で弱めの炎で玉ねぎ炒めた。

「しんなりしたら、さらに鶏肉を加えて塩で味付けをするよ。十分に火が通ったら、ケチャップを加えて、酸味を飛ばしながら炒めたら、ご飯を入れてかき混ぜれば…チキンライスの出来上がり!」

 そう言って、彼女はチキンライスを丁寧に分けた

~◆リベンサイド◇~
「“復讐の業火”!!」

 ゴォオオオオオオオオオオオ!

 リベンはみじんに切り裂いた二人に口からの火炎を吐いた。

「あちちちち!!溶ける!溶ける!!」

「きゃあああああああああ!!私は木製だから燃えちゃう!燃えちゃう!!」


 そして、リベンは近くにいたゴリラみたいな怪物を胴体を貫いた。

「ウ…ウホッ…」

 彼が手を引き抜くと、血が大量に噴き出した。

「ひっ!血ぃ!!」

「きゃあああああああああ!!」

 そして、彼は大量のシルバーボールを掴むと、彼らに投げた。

「消えろ!!下ネタがぁあああああああああああああああ!!」

 シルバーボールは弾丸のように二人を貫いた。

「「ぎゃああああああああああああああああああ!!」」

~◆フラムサイド◇~
 フラムはあらかじめ牛乳淹れたよく溶いた卵を、バターが溶けたフライパンに注いだ。

 彼女は五秒触らずに待つと、箸でフライパンの淵から中心の方へ大きく混ぜた。

「コツとしてはスクランブルエッグを作るみたいによ」

「誰に解説してんだ?」

 彼女はフライパンを前後に動かしながら、チキンライスの上に滑り込ませた。

「これでよし!!と」

 これでオムライスの完成だ。

~◆リベン側◇~
 リベンはコン〇ームを唐辛子付けにして殺した。

「これだからしょうもねぇ下ネタは!!」

 その光景を見た鉛筆は言葉を失った。

「あ…あ…」

 リベンはくるりと向き、鉛筆の方を向いた。

 彼女はびくっとなり、素早く土下座をした。

「お、お願いです!!許してください!!私はそこの下ネタに脅されただけです!!見逃してください!」

 リベンはその言葉を聞くと、彼女を掴んだ。

 そして、

「お前は突っ込む側だろうがぁああああああああああああああ!!」

と彼女にバッグドロップを食らわせた。

 その一撃で鉛筆は真っ二つに折れた。

「ふっ、仇を取ったぜ」

 彼はそう言うと、ゴブリンを埋めるのを再会した。

 こうして、彼はゴブリン畑を完成させたのだ。

 そこには一つのオムライスが置いてあった。

 一人の男を労わるかのように。

「何いい話で終わらせようとしてんだよ!!続くからな!!」

「あのぉ…オムライス覚めますよ?」

 フラムは困りながら、リベンにそう言った。

 だが、彼らは知らなかった。

 このゴブリン畑がリベン最大の敵をおびき出すことに。
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