きっと、叶うから

横田碧翔

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低学年編

市大会予選

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 リフティング大会から一週間後の日曜日、市大会の予選一回戦と二回戦が行われた。市大会はチーム数が多いため、四チーム総当たりの予選を行い、上位二チームが決勝トーナメントに進めるというルールだ。僕たちは初日の二試合を1―0、3―2とギリギリ勝利し、予選突破を決めた。真守がいなくなったことで守備力は落ちたが、勇武を中心に体を張って守ってくれた。攻撃では僕と勇気を中心に攻めることで、今まで以上に得点力がついてきている。僕たちが上手くなっているし、強くなっている。そう実感した。
次の週の試合は相手が強く、1―2で負けてしまったため、僕らはグループ2位で予選を通過となった。僕たちのチームが市大会で予選を突破したのは六年振りだったらしく、選手や保護者以上に監督は大喜びだった。僕個人としても、予選三試合で三得点と大活躍で、満足のいく結果が得られている。得意のドリブルは取られることはほとんどないし、苦手だったシュートもだいぶ入るようになってきた。それに加え、ドリブルを練習しているうちに足が速くなり、フェイントを使わなくても、スピードだけで抜けることも多くなってきた。
「小さいのに、速いし上手い」
会場では、そんな声がちらほらと聞こえるようになっている。そう言われるのが嬉しくて、身長が小さいことも、むしろ良いと思っていた。正直、個人としてならどんな相手とやっても互角以上にやれると思っていた。だから、来週から始まる決勝トーナメントでも大活躍で勝ち上がれるだろうと、高をくくっていた。
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