異世界で商売はじめました。（〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・｀)そんなー！ ）

１７８話.売り豚、再び蘇る！！

　そして、いつもの朝だ……
　今日は、ノルニルさんに伝えられた事をリリスに伝える必要がある。

　たった1年の差だが……
　一年で何か出来ると考えれば何もできない？　否、何かが出来るだ！！

　私は、朝イチにリリスの元へ移動した。

「お兄ちゃん、朝からどうしたの？」

「リリスにお願いがあって来たんだよ」

「どうしたの？　真剣な顔して」

「うん、大事な事だから。しっかり聞いてね」

　私は彼女に寿命の事についての説明と、美味しいと言っていた経験値を食べるのをやめて欲しいと提案した。

「私が美味しい部分食べちゃうと、お兄ちゃんが早く死んじゃうの？」

「あぁ……そうだ」

「私が食べすぎなかったら？　お兄ちゃんはもっと生きれてたの？」

「それは気にしなくていいよ、ソレに関しては私の責任だから。
　何より、リリスに苦労させたくはなかったしな」

「解った！！　私、頑張る。
　というより、既にソレできるよ。
　美味しい部分と美味しくない部分を無理して両方食べてたら……お腹が出て来ちゃった」 

「食べすぎが原因だったのかソレ？
　可愛かったけどね、そのお腹」と言って、リリスのお腹を撫でた。

「こんなに小さなリリスのお腹に私の子が……」

「そうだよー。お兄ちゃんは毎日食事を届けてね」

「経験値を奪わないならいくらでも。
　それと、食事したい時は直接、私の寝室に来ていいよ」

「それじゃ！！　毎食３０分を二回～三回！！」「望む所だよ……」

「やった！！　それじゃ早速……」と言って、リリスの魅惑により私は夢へと堕された。

　……
　…………

「おはよう、お兄ちゃん」

「ホントに３０分だけで終わるんだな。
　リリス成長したね……」と言って、彼女の頭を撫でてあげた。

「ふふーん！！　私もママになるんだからね。
　当然デス！！」

「そっか、無理だけはしないようにね」と言って、私は彼女の部屋を離れた。

　朝のお店の見回りが済むと本当にやる事がない。
　
　二時間位の時間が空いてしまう……
　自宅の裏庭の畑は、エミリー達が私の変わりに育ててくれてるし。
　屋敷の裏庭のアウラに水やりと言っても、朝イチにやりに行くので与えすぎは良くないし。

　こうなったら……縁側で将棋でも打って日がな一日でも過ごすか？

　ノンノン！！　まだ私は10代だ！！　暇過ぎて意識が変な方向に走ったな。
　よし、昔通りの暇つぶしでもやるとするか……

【異世界取引】のスキルでLV40の枠に［テレビ］LV41の枠に［ブルーレイレコーダー］をセットした。

　一つ、大きい寝室を潰してシアター室みたいに大きいテレビを用意して、スピーカーと奥に棚を用意してBD円盤をひたすら棚に並べていこう……

　そうと決まれば、即作業だ！！
　部屋の真ん中に鎮座していた大きなベッドを【アイテムボックス】にぶち込んで部屋に何もない状態にする。

【異世界取引】のスキルで、一番デカイサイズのテレビを購入。
　それと、ブルーレイレコーダーも同じ店で購入っと！！

　きっと若奥様  （ノルン様）が、裏でなんか作業をしてくれてるハズだ。
　1、2、3、ハイ！！　と、そんなノリで【アイテムボックス】の中を再確認した。
【アイテムボックス】に、どデカいテレビとブルーレイレコーダーが入っていた。

　何もない部屋にデカいテレビがあるのは殺風景だな。
　棚と、ソファーと［スピーカー］とあとテレビ台が欲しいな……

　決まったら、即行動！！
【転送魔法】で［セカンタの町］の家具屋に移動した。

　テレビ台は希望のサイズがなかったのでオーダーして作ってもらう事にして、他の棚やソファは既にお店にあるモノを購入した。
　テレビ台は2週間程かかると言われたが、それを了解した。
　あと、テレビ台が大きすぎるので、私が取りに来る予定だ。

　再び、お屋敷のシアタールーム(予定)に、戻ってきた。
　棚を設置して、スピーカーを設置していない事に気付いた。
　再び【異世界取引】を使用して、すでに取得している［スピーカー］からテレビ用のスピーカーを購入し、即スピーカーを設置完了した。

　テレビを視聴するための中央にソファーを設置して、テレビとブルーレイレコーダーを仮置きする。
　ぐぬぬ……！！　新作を調べる為に、この部屋にインターネット回線が欲しいな。
　自宅の社長室に突撃して、ノートパソコンとネットに繋げる為の箱と［ルーター］を持って再び部屋に戻ってきた。

　ノートパソコンはバッテリーの充電で動くがルーターには電気が通らないっ！！
　ウガァアアアアアア！！！　この建物には電気がねぇ！！
　テレビもスピーカーも無意味だった……否、断じて否！！　電気ないなら作ればいいじゃない！！

　そこから2週間程かけて、アウラの邪魔にならないように屋敷の裏庭に［太陽光パネル］を設置して、シアタールームに直接電気を引いた。

　しかし、こんなアホな事の為に2週間、全力を出していたが誰も突っ込んではくれなかった。
　ついでに、シアタールームは電力が余ってるので部屋に蛍光灯をつけた。
　テレビ台も設置して、ブルーレイレコーダーもその下に設置して、ケーブルをつないでいき……苦労の末シアタールームが完成した。

　俺、頑張ったよね。久々に昔の血が騒いだ感じがする……
　パソコンでチェックしたアニメ作品をクール買いだ！！

　ハッ！！　やってしまった久々の貴族買い！！
　購入した円盤が山のようにある……

　せっかくなら、アレをやるか？
　久々ではあるが……私はあのスレッドに降臨する事にした。

【俺、元貴族。
　久々に時間が取れたので、買った作品うぷするぜぇ！！】と、私はスレッドに書き込んだ。

　書き込みの後に続々とコメントが付き始めていた。

【あくしろよ】

【貴族きたー】

【IDなしで宣言とか釣りでしょ】

　……等、色々なコメントが流れた。

　この期待値を下げる前に急いで画像を上げねば！！
　いつもなら、スマホで……アッ！！
　異世界にスマホあるわけねーし！！　俺一人でスマホ使っても意味ないし！！

　デジカメを買わねば……SDカードもバッテリーの充電器も付属で付いてるだろ。

【異世界取引】のLV42の枠に［デジタルカメラ］をセットした。
　そこそこ、良い値段がしたが気にせず購入。

　IDを書いた紙を買った商品の上に置いてデジカメで撮影。
　パソコンで画像サイズを調整してアップロードしてから【今月の購入分】と、画像のURLと一緒に書き込んだ。

【マジモンきたー！！】

【貴族おかえりー！！】

【お前が来るのを待っていたんだ！！　誰か知らんけど】

【しかし、ごちゃついてんなぁ。もっと綺麗にうｐよろ】

　グハァ！！（吐血）

　ここで、言い訳するのは二流だ……来月、頑張る！！
　
　そのあとは、久々にBDを見て暇つぶしをした。
　その夜、誰もツッコミを入れてくれなかった理由を聞くと、仕事がなくなって暇そうにしてるより断然楽しそうだから黙ってたと、エミリー達が教えてくれた。
　身重の身なのに気を使わせちゃったな、反省しよう。

　やっぱり彼女達が心配なので自宅とお屋敷に家政婦を雇おう。
　きっと今回みたいなバカをやらかすと思うしな……