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163話.砂漠に篭って、トラウマ発動!!

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 魔道具屋で購入したを一つだけ利用し、毎日[栄養ドリンク]を飲んで朝・昼・夜と狩りを行った。
 翌日の朝方に前日狩ったモンスターを[フォースの城下街]のギルドに卸して再び狩りを再開する。

 食事は嫁達と一緒に取れるように食事時には必ず帰っていた。
 家に帰ったら、そのまま眠りにつきリリスに食事をさせる一週間が過ぎた。
 夢の中で彼女に食事させれば、時間が無駄にならないからだ。
 あくまでも睡眠時間だから……

 嫁達の中には相手をしてもらえず不満は感じられたかもしれないが、この一週間は相手ができないと彼女達に諦めさせた。
 確実に私が毎日会う事ができているのは……
 裏庭にいるアウラとリリスの人外コンビであった件で、ノルニルさんあたりが軽く不満を漏らしてていた。

 一週間の狩りが終了して、[サドタの街]にある4号店に加工済みの肉を持って行った。
 肉に関しては、約半年分くらいの材料を納品できたと思っている。
 ついでに調味料も大量に納品しておいた。
 そして、4号店の店長に商品の納品のあと話をしておいた。

「品物の代金は後払いで構わない。
 その代わり商品は私から仕入れたと、レクターさんに確実に伝えといておいてくれ。
 すでに肉の在庫も半年分以上あるから、お店が潰れる事はないともな」

「ハイ、わかりました。
 けど、それを伝える事で何か変わるんですか?」と、4号店の店長が問うた。

「[サドタの街]のギルドを使わずに1~2日程度で、私が違う所に切り替えて肉の加工を行った事を理解させる。
 ラッキーインセクトがいない砂漠に魅力がないので狩りに行く奴がいない。
 それが原因で既に冒険者が離れているので、金額をあげて狩りに行かせようとしても。
 加工肉の取引先の4号店は既に倉庫が満杯なくらいに在庫を持ってる。
 だから買取金額をあげてまで冒険者達を砂漠に狩りに活かせる魅力がギルドにもない。
 つまり途方にくれるしかないって訳だ」

 それで、ギルド長も現状ってヤツが理解できるだろ。
 私としては、ギルドと敵対はする気はないが身の程しらずの相手する程暇じゃないしな。

[死の森]を通り抜けるのに、あの腐臭を感じる事はなくなったが[サドタ~フォース城下街]の間の移動は1週間程かかるのだ。
 砂漠にラッキーインセクトが居ない以上、冒険者は戻ってこない。
 むしろ、生活をするだけなら[セカンタの町]の方が過ごしやすいので、冒険者は勝手に[サドタの街]を離れる。

 ギルドが利益を出して何が悪い?
 悪くはないと思うが利益の得かたってモノがある。
 敵を作って得た利益は使い切ればすぐに終わりだ。
 世の中の商売、倍々ゲームに進む方が珍しいのだ。
 だからこそ、味方を作って商売を続ける必要がある。
 冒険者を敵に回すような商売をしているから冒険者に逃げられる。
 今回は、唯一と言っていい大口の顧客にギルド側が喧嘩を売ってきたのだ。
 このまま、諍いが続くと悲惨な事になるので早い段階で状況に気づいてくれる事を信じよう。

 夕方……
 家に帰って食事をとった後に、私が狩りの終了宣言をすると嫁達が寝室のベッドに潜り込んできたのは言うまでもない。
 魔道具屋で買ってたアレの効果がギリギリで残っていた為、その夜をなんとか乗り切った。

 適度に鬱憤を晴らしておかないと、一気にくるという例である。
 一週間がハードであった為、その翌日は寝室に鍵を掛けて何もせずにベッドの中で寝て過ごす事になった。
(主な原因は最終日の嫁達であるが……)

 流石に二日続けて寝るのもだるい、鍵を開けて部屋から出る事にした。
 お屋敷のお風呂に入った後に、自宅へと移動した。

「あぁ、皆。おはよう」

「あっ、ハジメさん。
 やっと出てきてくれた!!」

「ちょっと、急ぎの用があるんで出てきます!!」と、私は挨拶だけして朝食も食べずに彼女達から逃げるように出て行った。

 一度なりかけた、女性不信に再びなりかけていた。
 今回のは、エミリーもシェリーも加担しているので軽く根が深い。

 はぁ……
 ギルドに入って農場と学校の予定地見つかったか聞いてみるかな?
 仕事をしてた方が気が晴れるだろう。

[セカンタの町]のギルドに久々に入った。
 案内のお姉さんが私がきた事に気づき、すぐに応接室へと案内してくれた。

「やぁ、ハジメ君。久しぶりだね」

「あぁ、そうですね。
 一応は、ギルドに依頼はかけてたので、ソレの確認だけ聞きにきました」

「いつものヤル気がないというか……
 私達が君を失望させてしまったかな?」

「あー、今のこの状況ソレとは違うんで気にしないでください。
 まぁ、軽く失望はしてますけどね」

 言うつもりのない一言が出てしまった。

「やっぱり、そうか……。
 ルーカスさんから、こっぴどく注意されたよ。
 今までの町長のつもりで甘えてるんじゃないのか? この人なら利益を作ってくれるんじゃないか?
 ……とね。
 貴族として相談されているのにソレを無視してあの体たらく、失望されて当然だってな」

 続けて、マルコさんが話を続けた。

「最後にこうも言われたよ。
 敵に回るつもりのない人間に対して自ら敵に回ってどうするってね」

「あぁ、あの後……
 そんな注意が入ったんですね」

「失ってしまった信頼は取り戻せないかもしれないが……
 一からでいいから取引をさせてくれ」

「あぁ、いいですね。そう言うのは好きですよ。
 それで、調べる依頼をお願いしていた土地見つかりましたか?」

「あぁ、候補が百箇所以上あるので書類に纏めているので時間がある時に見てくれ」

「そうそう……
 時間がないから、エミリー達といるのが貴重な時間なんだよな」

 アレ? なんで、俺は女性不信になりかけたっけ?
 まぁ、いいや。 書類もらったら家に帰ろう。

「依頼費は後日、ウチの秘書のアリアが払いにきますから。
 それでいいですか?」

「あぁ、それで大丈夫だ」と言われて、マルコから書類の束を渡された。

「あぁ、どーも」と言って、私は家に戻る事にした。

 一度、家に帰ろう……

「ただいま」

 エミリーがテーブルに伏せて泣いてた。
 慌てて駆け寄って、エミリーに話しかけた。

「ちょっと!! 
 エミリーどうしたの!!」

「ハジメさん。おかえりなさい」

「ちょっと、なんで泣いてるの?」と言って、私はポケットに入ってるハンカチで彼女の顔を拭いてあげた。

「だって、またハジメさんに無理させて……
 みんな嫌われちゃった」

「あー。
 その件か正直に言うね。
 正直、今朝まで怖かったよ。
 女性が怖いって感じじゃなくて好意が怖いって感じで、どこまでこの人たちは私を求めてくるんだろうって」

「やっぱり……」と、エミリーが言った。

「それでも、みんなといる時間って大事なんだなぁと思い出したら。
 そんな気持ちも治ったかな」と、エミリーの頭を撫でてやった。

「この状況に心当たりがあってさ、魔道具屋で買ったあの薬を使ったんだよね。
 狩りに行って効果が効いてる間は大丈夫だけど、力を前借りした分を支払うような感じになると薬が切れた後に気分が最悪になるんだよね」

「また、あの薬使ったんですか?」

「一週間だけ頑張るつもりで使ったよ。
 一つの使用なら問題ないって聞いてたからね」

「今後は、あの薬使った時は教えてください」

「使うなとは言わないんだ……」

「それでも使うって事は、それに救いを求めてるわけですから……否定は出来ません」

「今後はアレを使った後は言うよ。
 あんな事を繰り返してエミリー達に嫌われたくないからね」

 エミリーに少し提案をしてみた。

「エミリー達に決めてもらいたい事があるんだ」と言って、農場と学校の建設予定の候補の書類を出した。

「みんなで学校と農場の場所を決めないかい?」

「わ、わかりました。みんなを呼んできますね」と言ってた 、エミリーが皆を呼びにいった。

 その後、皆で農場と学校の建築予定地を決めて、場所の下見を行い学校と農場の候補地を決めた。


※ (魔道具屋のアレ)あの薬は本来は便利なアイテムです。
  今回は効果が切れかけの状態で主人公に無理をさせた為に回復できず反動が起きています。
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