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149話.エロの殿堂
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あ、朝だ……
昨日の出来事があったので、エミリーが私の寝室にいるはずだが……
彼女は既に起きて寝室から出て行ったみたいだ。
私達の朝食の準備する為に早起きしてるんだろうなと思い、彼女には感謝するしかなかった。
さてと、[サドタの街]の4号店も仕事もひと段落ついたし、注文を受けたマジックミラー擬きを注文主に配るとしようかな。
代金は額も額なので売掛の形で販売するとしよう。
マジックミラー擬きに対しての主な出費(製造費)は鏡代くらいなのだ。
取引相手に代金を一割ほど頭金として貰えれば利益が出るので、先方に恩を売る為にも売掛販売の方向で動いていく予定だ。
そんな事を考えながら、[セカンタの町]にある自宅へ戻り、エミリーの用意してくれた朝食を食べていると……
仕事がなくなると突撃しにくる二名が案の定、私の元へ突撃しにきた。
「社長!! お話が!!」「社長!! 仕事をくれ!!」
ドワルドと私の嫁のフローラである。
ドワーフって働くのが好きなのかねぇ……?
「どうしたの? ……と、言いたいところだけど次の仕事の件だよね」
「そうじゃ!!(そうです!!)」と、即答で二人が答えてきた。
「5号店に関しては半年後みんなとの挙式をあげるんで、作業開始はその後になりそうなんですよね。
まずは、その土地を用意しないとねぇ」
「社長!! ウチの娘とも挙式をあげてくれるのか?」
「はい、当然じゃないですか? 義父親」
「社長!! それはやめてくれ恥ずかしいわい」
フローラは、自分の事を言われてるので少し照れていた。
「多分? フローラから話を聞いてると思いますが、半年後に嫁に来るのが人物が少しばかり大物すぎて何も無しで嫁にする訳には行かなくて……。
忙しいので皆と挙式あげる暇もなかったのが正しいですけど」
「あぁ、聞いとる。
姫さんが社長の嫁に来るんじゃろ?」
「そ、そうです。
花嫁姿のお披露目と5号店の力のお披露目パーティーみたいな感じになるんですよね」
「なぁ、社長。 ワシも来ていいよな?
娘の花嫁姿を見たいぞ!!」
「はい、ぜひ来てください。
既に、フローラの花嫁衣装を発注済みですよ」
「あの社長!! 土地はお屋敷の入り口辺りを改装するのは……どうでしょうか?」
たしかに屋敷には無駄に広い土地があるし……
お屋敷の囲いを調整すればできなくはないか?
「うん、行けなくはなさそうだね。
ただし頑丈な囲いを壊す行為になるから変な輩に襲われないように対処方法は考えておいてね。
それなら5号店は今日から建築を始めてもらって構わないよ。
城下街のギルドには、5号店を建築をする人間を手配するように頼んでもらっていいかい?
私の名前だしてもらっていいからね。
私の嫁だってフローラが言っておけば、ギルド職員の反応がきっと変わるよ」
「はい、わかりました」
「後、5号店の裏手にスペースがかなり余ると思うから兵士の詰所を作ってくれないか?」
「お店の建築の前に詰所を先に建築しますね……」
「囲いを壊す代わりに少しは防犯対策をしておかないとね」
「囲い壊したとしても、防犯対策を怠るつもりはないので安心して下さい」
「そっか、それなら大丈夫。
好きに建物を作ってくれ」
フローラへの指示はこんなものだろう。
「ドワルドさんは、今日は私と一緒に酒問屋の主人に会いに行きますよ。
ドコに建物を建築すればいいか解ってないからね」
「おう!!」
朝食を食べ終えて、ドワルドを酒問屋のロイズのいる歓楽街の酒場へと案内した。
「ロイズさん!! 例の物件の事だが、ウチの建築班のトップが対応するよ!!
先日、[サドタの街]で4号店の建築を終わらせたばかりだけど、次の仕事が欲しいらしいので」
「おう、そうか。
社長はドクタージッパー氏の家を知ってるか?」
「あぁ……あのお化け屋敷みたいな所か?」
「それだ……。
当人も住まなくなって取り壊していいようになったんでな。
歓楽街の住人としてはジッパー氏は恩人みたいな所があるからな。
景観をぶち壊しのあの建物だが本人が望まぬ形で取り壊しはできなかったんだよ。
それで、実はあの建物の裏庭がかなり広くてな建物の解体さえすれば大きな建物が建てれるんだ。
建物の解体作業が終わり次第工事に入ってもらって構わんよ」
「そっか、一度ジッパーさんに聞いてから解体は私がするとするよ。
それとコレが今回の建物見取り図な!!」
……と言って、ロイズとドワルドの二人に見取り図を手渡した。
「さ、三階建てだと!? そんな大型施設になるのか?」
「あぁ、何だかんだ言って性産業は強いからな。
そこでエロの殿堂を目指してもらうよ……!!」
「エロの殿堂か……」
「まぁ見取り図はあくまで土地が狭かった時のイメージだから。
土地が広ければ、もう一度見取り図作り直す予定だよ。
それより、覗きが大丈夫なキャストと覗かれたくないキャスト。
本番NGな、ショーキャストみたいなのも作れるんじゃないかな?
お客によっては覗かれたくない人もいるだろうし……ここは金銭的なサービスで調整かな」
「オイオイ……
まるで、そういうお店を知ってるような物言いだな?」
「あぁ、それならああいうお店の早朝の価格割引きサービスとかは割と定番だよな」
「まさか、社長がこっちの業界にも明るい人物だったとはな……」
「いやいや、これでも真剣に考えた結果を話してるだけなんで、明るいとか詳しいとかは殆どないですよ」
魔法使い喪失の為に、いつか行こうと下調べだけは万全にしてたからなぁ。
ソレが役に立つとは何とも恥ずかしい話だ……。
「それじゃ、一度ジッパーさんを連れてから建物の解体作業に入りますね」
「ドワルドさんは、ココで待ってて下さい!!」
「おう!!」
その後、町の研究室に移動してジッパー氏に元住居の解体の旨を伝えた。
「そうですか……。
とうとう私の家を解体するんですね」
「あの建物に大切な物とかは残してたりはしないかい?
感傷に浸る事も出来ない位に、すぐ解体作業が終わっちゃうので……」
「すぐにですか? それじゃ、最後の姿だけでも見に行ってもいいですか?」
「あぁ、構わないよ!!
それと例の鏡なんだけど、注文分は出来上がってるかな?」
「あっ、ハイ。出来てますよ。
梱包して倉庫に積んでますんで持って行って下さい」
「ちょっとだけ倉庫に行ってくるから、ココで待っててね」
倉庫に移動して、注文された分の60枚のマジックミラー擬きを【アイテムボックス】に詰め込んだ。
一枚5万ゴールドで全部で300万ゴールドか……
大商いココに極まりだな。
昼からは配送に回ろう……等と考えながら、再び研究室へ戻って来た。
「早かったですね。町長」
「まぁね。
それじゃ行こうか……酒場でドワルドさんを拾っていくから」
「はい」
ジッパー氏と歩きながら、扇風機と洗濯機の話を始めた。
「コーラの研究もお願いしたんだけどさ……
扇風機と洗濯機の進捗はどんな感じだい?」
「その二つは、来月くらいにはお披露目できると思いますよ」
「そっかそっか、順調ならそれでいいよ」
「しかし、あのコーラという飲み物は不思議なモノですね」
「そうだね。自分も正直どうやって出来てるのかがよくわからない。
聞いた事があるのは眉唾レベルの話をくらいだしな。
とりあえず、炭酸水が作れれば一気に開発が進むんだけどね」
「あの泡のシュワシュワですか?
それに近いモノなら、作れますよ?」
私はジッパー氏の両肩を掴み問い詰めた。
「本当か? それは飲めるのか? 味は? 匂いは? 原価は? 製造方法は?」
「待ってください!!
一気に質問攻めされても困りますよ!!」
「研究してた時にできた副産物みたいな感じだったんですけど、舐めても問題なかったですね。
後味と匂いはないです」
「原価に関しては水に薬品を混ぜるだけなので安価です」
「その方法を知っているのは?」
「町長は私が何と言われてたか知ってるでしょ。
私の発明を堂々と認めてくれたのは、貴方が初めてだ」
「そういう意味では、スミス神父も貴方の発明を認めていたのでは?」
「私達3人は同期なんですよ。
ミルコよりはスミスの方が幾分か、私の発明に興味を示してくれたという感じですね。
だから、私みたいな馬鹿な事をやっているのはそういませんよ」
「ソレの作り方は、秘匿する事はできますか?」
「町長には教えていいんですよね?」「ああ、ソレは構わん」
「大丈夫です!! 町の研究員の前に貴方に評価してもらった研究家です。
町長の言われる通りに私は動きますよ……」
「あははは、炭酸水が出来れば……。
あとはスイーツ組の二人次第じゃないか!!」
そんな話をしていたら歓楽街にある酒場についた。
酒場にいたドワルドと合流し、ジッパー氏の元住居の所まで移動した。
「それじゃ解体始めますけど……いいですか二人とも?」
「社長!! アレをやるんだな」
「はい、やりますよ。
ただし今回は[聖域]の魔法を二重に張るつもりです。
運命剣で性能で魔法の威力が上がりすぎてさ……
この前[聖域]を二発で突き破って来たんだよ」
「あははは、本当に恐ろしすぎる武器を作ってしまったんじゃな。
久しぶりの社長の解体作業を楽しみにしてるぞ!!」
建物の周りを移動して、一点に魔石を二つずつ設置した。
それを計4カ所に設置して、[聖域]の魔法を2度使い二重の結界を完成させた。
運命剣を構えて声を上げて気合を入れた。
久々に[ビッグボイス]が発動した気がする。
「行きますよ!! [エクスプロージョン]」
……
…………
結界の中で爆音が響き爆炎と爆風が荒れ狂っていた。!!
一撃で建物が綺麗さっぱりと破壊された。
あまりの魔法の威力に、ドワルドとジッパーが目を点にしていた。
「解体完了……」と言って、壊れずに残っていた[聖域]を解除した。
「ついでに整地もして来るから少し待ってて!!」
[アースウォール]を利用した整地もささっと終了させた。
「社長と運命剣の組み合わせは鬼に金棒というよりは……
ソレ以上に凶悪な何かを感じるよ」
「こんな一撃で我が家を破壊されたら、感傷に浸る事も出来ませんね。
それじゃ、新しく仕事を始めますね。例の泡の出る水は三号店のスイーツスタッフの二人に届ければいいですか?」
「はい、それで!!」と、ジッパーに答えておいた。
「ドワルドさん。
私の作った見取り図をたたき台にして、貴方の集大成と思える建築を楽しんで完成させて下さい!!」
「おう、任せろ!! 社長に恥は欠かせないさ」
そんな感じに……本日の午前中の業務は終了した。
昨日の出来事があったので、エミリーが私の寝室にいるはずだが……
彼女は既に起きて寝室から出て行ったみたいだ。
私達の朝食の準備する為に早起きしてるんだろうなと思い、彼女には感謝するしかなかった。
さてと、[サドタの街]の4号店も仕事もひと段落ついたし、注文を受けたマジックミラー擬きを注文主に配るとしようかな。
代金は額も額なので売掛の形で販売するとしよう。
マジックミラー擬きに対しての主な出費(製造費)は鏡代くらいなのだ。
取引相手に代金を一割ほど頭金として貰えれば利益が出るので、先方に恩を売る為にも売掛販売の方向で動いていく予定だ。
そんな事を考えながら、[セカンタの町]にある自宅へ戻り、エミリーの用意してくれた朝食を食べていると……
仕事がなくなると突撃しにくる二名が案の定、私の元へ突撃しにきた。
「社長!! お話が!!」「社長!! 仕事をくれ!!」
ドワルドと私の嫁のフローラである。
ドワーフって働くのが好きなのかねぇ……?
「どうしたの? ……と、言いたいところだけど次の仕事の件だよね」
「そうじゃ!!(そうです!!)」と、即答で二人が答えてきた。
「5号店に関しては半年後みんなとの挙式をあげるんで、作業開始はその後になりそうなんですよね。
まずは、その土地を用意しないとねぇ」
「社長!! ウチの娘とも挙式をあげてくれるのか?」
「はい、当然じゃないですか? 義父親」
「社長!! それはやめてくれ恥ずかしいわい」
フローラは、自分の事を言われてるので少し照れていた。
「多分? フローラから話を聞いてると思いますが、半年後に嫁に来るのが人物が少しばかり大物すぎて何も無しで嫁にする訳には行かなくて……。
忙しいので皆と挙式あげる暇もなかったのが正しいですけど」
「あぁ、聞いとる。
姫さんが社長の嫁に来るんじゃろ?」
「そ、そうです。
花嫁姿のお披露目と5号店の力のお披露目パーティーみたいな感じになるんですよね」
「なぁ、社長。 ワシも来ていいよな?
娘の花嫁姿を見たいぞ!!」
「はい、ぜひ来てください。
既に、フローラの花嫁衣装を発注済みですよ」
「あの社長!! 土地はお屋敷の入り口辺りを改装するのは……どうでしょうか?」
たしかに屋敷には無駄に広い土地があるし……
お屋敷の囲いを調整すればできなくはないか?
「うん、行けなくはなさそうだね。
ただし頑丈な囲いを壊す行為になるから変な輩に襲われないように対処方法は考えておいてね。
それなら5号店は今日から建築を始めてもらって構わないよ。
城下街のギルドには、5号店を建築をする人間を手配するように頼んでもらっていいかい?
私の名前だしてもらっていいからね。
私の嫁だってフローラが言っておけば、ギルド職員の反応がきっと変わるよ」
「はい、わかりました」
「後、5号店の裏手にスペースがかなり余ると思うから兵士の詰所を作ってくれないか?」
「お店の建築の前に詰所を先に建築しますね……」
「囲いを壊す代わりに少しは防犯対策をしておかないとね」
「囲い壊したとしても、防犯対策を怠るつもりはないので安心して下さい」
「そっか、それなら大丈夫。
好きに建物を作ってくれ」
フローラへの指示はこんなものだろう。
「ドワルドさんは、今日は私と一緒に酒問屋の主人に会いに行きますよ。
ドコに建物を建築すればいいか解ってないからね」
「おう!!」
朝食を食べ終えて、ドワルドを酒問屋のロイズのいる歓楽街の酒場へと案内した。
「ロイズさん!! 例の物件の事だが、ウチの建築班のトップが対応するよ!!
先日、[サドタの街]で4号店の建築を終わらせたばかりだけど、次の仕事が欲しいらしいので」
「おう、そうか。
社長はドクタージッパー氏の家を知ってるか?」
「あぁ……あのお化け屋敷みたいな所か?」
「それだ……。
当人も住まなくなって取り壊していいようになったんでな。
歓楽街の住人としてはジッパー氏は恩人みたいな所があるからな。
景観をぶち壊しのあの建物だが本人が望まぬ形で取り壊しはできなかったんだよ。
それで、実はあの建物の裏庭がかなり広くてな建物の解体さえすれば大きな建物が建てれるんだ。
建物の解体作業が終わり次第工事に入ってもらって構わんよ」
「そっか、一度ジッパーさんに聞いてから解体は私がするとするよ。
それとコレが今回の建物見取り図な!!」
……と言って、ロイズとドワルドの二人に見取り図を手渡した。
「さ、三階建てだと!? そんな大型施設になるのか?」
「あぁ、何だかんだ言って性産業は強いからな。
そこでエロの殿堂を目指してもらうよ……!!」
「エロの殿堂か……」
「まぁ見取り図はあくまで土地が狭かった時のイメージだから。
土地が広ければ、もう一度見取り図作り直す予定だよ。
それより、覗きが大丈夫なキャストと覗かれたくないキャスト。
本番NGな、ショーキャストみたいなのも作れるんじゃないかな?
お客によっては覗かれたくない人もいるだろうし……ここは金銭的なサービスで調整かな」
「オイオイ……
まるで、そういうお店を知ってるような物言いだな?」
「あぁ、それならああいうお店の早朝の価格割引きサービスとかは割と定番だよな」
「まさか、社長がこっちの業界にも明るい人物だったとはな……」
「いやいや、これでも真剣に考えた結果を話してるだけなんで、明るいとか詳しいとかは殆どないですよ」
魔法使い喪失の為に、いつか行こうと下調べだけは万全にしてたからなぁ。
ソレが役に立つとは何とも恥ずかしい話だ……。
「それじゃ、一度ジッパーさんを連れてから建物の解体作業に入りますね」
「ドワルドさんは、ココで待ってて下さい!!」
「おう!!」
その後、町の研究室に移動してジッパー氏に元住居の解体の旨を伝えた。
「そうですか……。
とうとう私の家を解体するんですね」
「あの建物に大切な物とかは残してたりはしないかい?
感傷に浸る事も出来ない位に、すぐ解体作業が終わっちゃうので……」
「すぐにですか? それじゃ、最後の姿だけでも見に行ってもいいですか?」
「あぁ、構わないよ!!
それと例の鏡なんだけど、注文分は出来上がってるかな?」
「あっ、ハイ。出来てますよ。
梱包して倉庫に積んでますんで持って行って下さい」
「ちょっとだけ倉庫に行ってくるから、ココで待っててね」
倉庫に移動して、注文された分の60枚のマジックミラー擬きを【アイテムボックス】に詰め込んだ。
一枚5万ゴールドで全部で300万ゴールドか……
大商いココに極まりだな。
昼からは配送に回ろう……等と考えながら、再び研究室へ戻って来た。
「早かったですね。町長」
「まぁね。
それじゃ行こうか……酒場でドワルドさんを拾っていくから」
「はい」
ジッパー氏と歩きながら、扇風機と洗濯機の話を始めた。
「コーラの研究もお願いしたんだけどさ……
扇風機と洗濯機の進捗はどんな感じだい?」
「その二つは、来月くらいにはお披露目できると思いますよ」
「そっかそっか、順調ならそれでいいよ」
「しかし、あのコーラという飲み物は不思議なモノですね」
「そうだね。自分も正直どうやって出来てるのかがよくわからない。
聞いた事があるのは眉唾レベルの話をくらいだしな。
とりあえず、炭酸水が作れれば一気に開発が進むんだけどね」
「あの泡のシュワシュワですか?
それに近いモノなら、作れますよ?」
私はジッパー氏の両肩を掴み問い詰めた。
「本当か? それは飲めるのか? 味は? 匂いは? 原価は? 製造方法は?」
「待ってください!!
一気に質問攻めされても困りますよ!!」
「研究してた時にできた副産物みたいな感じだったんですけど、舐めても問題なかったですね。
後味と匂いはないです」
「原価に関しては水に薬品を混ぜるだけなので安価です」
「その方法を知っているのは?」
「町長は私が何と言われてたか知ってるでしょ。
私の発明を堂々と認めてくれたのは、貴方が初めてだ」
「そういう意味では、スミス神父も貴方の発明を認めていたのでは?」
「私達3人は同期なんですよ。
ミルコよりはスミスの方が幾分か、私の発明に興味を示してくれたという感じですね。
だから、私みたいな馬鹿な事をやっているのはそういませんよ」
「ソレの作り方は、秘匿する事はできますか?」
「町長には教えていいんですよね?」「ああ、ソレは構わん」
「大丈夫です!! 町の研究員の前に貴方に評価してもらった研究家です。
町長の言われる通りに私は動きますよ……」
「あははは、炭酸水が出来れば……。
あとはスイーツ組の二人次第じゃないか!!」
そんな話をしていたら歓楽街にある酒場についた。
酒場にいたドワルドと合流し、ジッパー氏の元住居の所まで移動した。
「それじゃ解体始めますけど……いいですか二人とも?」
「社長!! アレをやるんだな」
「はい、やりますよ。
ただし今回は[聖域]の魔法を二重に張るつもりです。
運命剣で性能で魔法の威力が上がりすぎてさ……
この前[聖域]を二発で突き破って来たんだよ」
「あははは、本当に恐ろしすぎる武器を作ってしまったんじゃな。
久しぶりの社長の解体作業を楽しみにしてるぞ!!」
建物の周りを移動して、一点に魔石を二つずつ設置した。
それを計4カ所に設置して、[聖域]の魔法を2度使い二重の結界を完成させた。
運命剣を構えて声を上げて気合を入れた。
久々に[ビッグボイス]が発動した気がする。
「行きますよ!! [エクスプロージョン]」
……
…………
結界の中で爆音が響き爆炎と爆風が荒れ狂っていた。!!
一撃で建物が綺麗さっぱりと破壊された。
あまりの魔法の威力に、ドワルドとジッパーが目を点にしていた。
「解体完了……」と言って、壊れずに残っていた[聖域]を解除した。
「ついでに整地もして来るから少し待ってて!!」
[アースウォール]を利用した整地もささっと終了させた。
「社長と運命剣の組み合わせは鬼に金棒というよりは……
ソレ以上に凶悪な何かを感じるよ」
「こんな一撃で我が家を破壊されたら、感傷に浸る事も出来ませんね。
それじゃ、新しく仕事を始めますね。例の泡の出る水は三号店のスイーツスタッフの二人に届ければいいですか?」
「はい、それで!!」と、ジッパーに答えておいた。
「ドワルドさん。
私の作った見取り図をたたき台にして、貴方の集大成と思える建築を楽しんで完成させて下さい!!」
「おう、任せろ!! 社長に恥は欠かせないさ」
そんな感じに……本日の午前中の業務は終了した。
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