上 下
148 / 198

135話.ドワーフ娘を嫁にする。

しおりを挟む
 新しい剣が完成し、[フォースの城下街]から自宅のある[セカンタの町]へ帰ってきた。

 辺りは暗くなり――三号店は閉店していたので、ドワルドさんの為に3号店のお風呂に湯張りをする事を皆に伝えた。
 当然、その事を伝えると……この場にいる全員が三号店に行くという流れになった。

 ドワルドが着替えを取りに帰る為に一度家に帰ってから、三号店に来るらしい。
、なので、私が今一緒にいるのは3名の嫁とメイドである。

 ドワルドさんの武器完成の報酬として、フローラが私の嫁になる事を皆に伝えた。

 一同、驚いてはいたみたいだが……
 女性陣は、フローラの私に対しての好意について知っていたらしい。

「それで、ハジメさんはどうするつもりなんですか?」

「ドワルドさんの頼みを断れないし……
 フローラさんの事を嫌ってもいないのと、私自身も好意的に思ってるので受けるつもりです」

「お兄さん。
 また、お嫁さん増やすんですねぇ。
 私達だけじゃ足りないんですか?」

「いや、そういうわけじゃ……」

「それなら、お屋敷にいるノルニルさんはなんなんですか?」と、エミリーがツッコミを入れてきた。

 ぐぬっ!!

「私達の知らない間に、ノルニルさんの部屋ができていて驚きましたよ!!」

「いやさ……
 お屋敷の部屋が多すぎてさ、彼女に屋敷に住まないかと提案したんだよ」

「これだから、ハジメさんは……」

「え? どういう事なの?  お兄ちゃんのお嫁さんが増えるの?」

「あー、お兄さん。私は問題ないですよ。
 三号店でも、お兄さんの事気にしてる子多いですから」

「ご主人様の考えなら、メイドの私は何も言いません」

「わかりました。
 ハジメさん。これ以上は増やさないでくださいね!!」

「どうなるかわからないけど、努力はしてみるよ。
 いかんせん押しや流れに弱くてさ……」と、かなり情けない返答をしてエミリーに呆れられた。

「今後は、こうなる前に報告してくださいね」「うん、そうするよ」

 ……と、こんな流れで彼女達には納得してもらえたみたいだ。

「それでさ、2号店の2階の客間を潰してしまったんで……
 2階には空き部屋がないので、フローラさんにはお屋敷の部屋に住んでもらう予定です。
 なので、エミリー達もお屋敷の部屋を選んでもらって良いよ」

「いえ、私とシェリーはこの町にいる事が多いので、今までの寝室でいいですよ」

「私も職場が近いほうが安心するんで、ここでいいです」

「ご主人様がご希望であれば、私はお屋敷に移りましょうか?」

「そう、お願いできるかな?」「はい」

「アリアの部屋と私の寝室を誰か使いなよ。
 そうすれば、みんなが個室を持てるでしょう」

「えっ?  ハジメさんはお屋敷に住むんですか?」

「私としては、皆に部屋を持ってもらいたいからね。
 エミリーとキャリーが、この町から動きたくないのもわかるし、シェリーにも姉の二人が付いてたほうがいいだろうしな」

「ハジメさんは、この町の町長ですけど……
 この町に、いなくても大丈夫ですか?」

「そこは、ホラ……元から【転送魔法】があるから、距離の実感があまりないんだよね。
 いつも飛んで回って仕事してるし、それとお屋敷のベッド広いから、みんなと一緒に眠れそうだし」

「わかりました。
 部屋別けは三人で決めますね」

「うん、よろしくね。
 それじゃ、ドワルドさんが待ってるかもしれないから三号店に行こうか?」

 みんなで、裏庭の橋を渡って三号店に移動した。

「お兄さん。この橋はホント便利ですよ!!
 これで毎日3分は寝坊できます……」

「ははは、キャリーらしいね。
 寝坊して仕事に遅刻はしないようにね。
 けど、この橋を作った理由は、そんな感じだからね」

「話してたら、すぐに3号店に着きましたね。 お兄さん」

「そしたら、みんな先に入って男湯と女湯の準備しててよ。
 私は、ドワルドさんが来るの待ってるから」

「わかりました」とキャリーが言って、皆は建物の中に入っていった。

 誰かが、走ってコチラに来ている。
 人影としては小さいなドワルドさんかな?
 少しずつ人影が近づいてきて、フローラが近づいてきているのが解った。
 そして、小さな人影が私の目の前で止まり私に話しかけて来た。

「ハァっ!! ハァっ!!
 あの社長!! 話は聞きました。
 本当に、アタ……私を、お嫁さんにしてくれるんですか?」

「すでにお嫁さんがいる身だけど……
 それでも良ければ一緒に暮らしましょう」

「ハイ。ありがとうございます」と言って、フローラは泣き始めた。

 頭を撫でて、彼女を落ち着かせていたら。
 遅れてドワルドさんがやって来て、今の様子を見た後に……

「よう、社長!! 娘をよろしく頼むな」と、言った。

「フローラさんが考えてる、幸せを作りますよ」

「あはは、社長が言うのなら大丈夫だろう。
 どんな無茶だろうと、実行してるんだからな」

「期待に応えれるよう頑張ります。お義父さん」

「ガハハ、いうじゃないか社長!!
 それはそうと、嫁さん達もどうせ来てるんじゃろ?
 社長は家族サービスしてくればいい。フローラ、お前も行ってこい!!」

「男湯で熱い友情を語る展開じゃ?」

「ナイナイ、それより社長!! 酒を用意してくれ」

「わかりました。食堂に用意しておきますね」と言って、先に一本だけ[焼酎]をドワルドに手渡した。

「どうせ、隠して風呂場にお酒を持っていくつもりでしょ」「バレてたか……」

「お兄さん。お風呂の準備できましたよー」

「あぁ、今いくよ。
 ドワルドさん。一週間、お疲れ様でした!!」

「あぁ、ゆっくり休ませてもらうとするよ」

 その後、飲食スペースのテーブルにいろんな種類の[焼酎]を置いて、嫁さん達がいるであろう女風呂の脱衣所へ向かった。

 皆、着替えずに私が来るのを待っていた。
 この状況にフローラさんが固まっていた。

「みんな、先に入ってて良かったのに……」

「ハジメさん。紹介してください」と、笑顔でエミリーが言った。

 ぐぬっ、笑顔が逆に怖いぞエミリー。
 もっと健全な笑顔の君が好き……等とアホな事を考えてたら。

「ハジメさん、早くしてくださいよ。
 お嫁さんを増やすんですよね」

「はい、新しく私のお嫁さんになるフローラさんだ。
 みんな、よろしくな」

「はい」と、みんな言ってくれた。

 ふぅ……。
 アリアは嫁ではなくメイドだから、こういうのはなかったがコレは結構キツイな。
 旦那の責任というか、プレッシャーと言うべきか?
 そんな事を考えていたら、各々に着替えている。

 皆のそんな姿を見ていたら、下半身に悪影響が出て来た。
 あっ……。薬の影響がまだ残ってるぞコレ。
 後から、着替え始めたフローラは、ソレに気づいてぎこちないながらも、何度もご奉仕してくれた。
 お義父さんすみません。嫁にする許可頂いた当日にこんな事をさせてすいません。

 それでも治らない状態に、フローラが困惑していると……
 エミリーが、私達が大浴場に来ないので心配してやってきた。
 そのあとは、嫁全員(アリア含む)に洗い場で、ご奉仕をされなんとか落ち着くことができた。

「お兄さん。私は掃除して帰りますね……」

「すまない。
 疲れが酷くて魔道具屋の薬を使ったら、この状態が続いて身体の調子がおかしいんだ」

「お兄さんが薬の用法とかを間違ったとかですかねぇ」

「ハジメさん。ノルニルさんにも言われましたけど……
 魔道具屋で進められた薬はもう使用しないでくださいね。
 私達も無理させませんから」

「ノルニルさんは、キミにも注意したんだ」

「えぇ、的確でしたよ。
 ハジメさんが無理してるのに、私達が無理させるから薬に頼ってるって。
 私達がハジメさんの寿命を縮めてるって、彼女に言い切られました」

「物凄く温厚なノルニルさんがそういう事を言ったのか? 想像つかないな……
 今回の薬の件は、私が薬の用法を間違ってたんだと思う。
 詳しく用法を聞かなかった自分の落ち度だから、エミリー達は気にしないでくれ」
 ……と言った後、私は浴場に入り色んな疲れを癒した。

 ふう……。 生き返るわぁーー。

 身体の浄化は[クリア]の魔法頼みが続いていたし。
 身綺麗にするにしても、風呂の方が気持ちが癒される。
 今は、私の状況を察してくれて皆が別々の風呂に入っている。
 少しの欲情でさえ下半身が反応してしまうので、下手に暴走させて第二ラウンド突入はお互いに避けたいからだ。

 そういうこともあり極力、彼女達を見ないようにして大きい声出して、彼女達に連絡入れた。

「キャリー、申し訳ないけど。
 閉店作業をお願いするよ……。
 この状態なんで、みんなを意識するとまた酷い目にあうから。
 今日はお屋敷に帰るね。フローラさんとアリアも付いてきてね」

 ……と言って、私は風呂を上がった。
 先に風呂を上り着替えてから、脱衣所の出口でフローラとアリアの二人を待った。
 二人がしばらくして風呂から上がってきた。
 湯上りの石鹸のいい香りだ……そんな事を考えただけで下半身が暴走を始めた。
 暴走したソレを無視して、二人をお屋敷へと案内した。

「二人とも好きな部屋を選んで住んでもらっていいよ」

「ご主人様。ソレの処理はしなくていいんですか?」
 ……と、アリアが私の下半身を見ながら聞いてきた。

「ほら、リリスがいるから。
 食事してもらうよ……」

「わかりました」

「アリア、すまないけど……
 フローラさんに色々とルール関連を教えておいてもらえるかな」

「ルールがあるんですか?」

「色々、注意事項がありますので、フローラさんには後程教えます。
 ご主人様はお疲れでしょうし、お早目にお休みください」

「うん、ありがとう。
 二人ともおやすみなさい」と言って、私はリリスのいる地下室へ行った。

 その後、リリスに食事を与えるだけのつもりが……
 薬とサキュバスの魅惑の効果で悲惨な目にあったのは言わずもがなである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

改悛者の恋

Rachel
恋愛
「中の招待客にどうしても会わなきゃならない。入れてくれ、頼む!」舞踏会の会場入り口で招待状を持っていないがために入れずにいた男を気の毒に思い、伯爵令嬢エリーゼは連れのふりをして会場へと入れてやる。ところがこの男の目的は中にいた招待客への復讐だった……! 19世紀初頭のヨーロッパをモデルにした、変わり者の名門貴族伯爵令嬢と暗い過去を持つ商人の恋愛物語。 ※小説家になろうで掲載している『前科持ち商人と伯爵令嬢』から改題しました。ほぼ同じ内容になります。

月の箱庭

善奈美
ファンタジー
  一つの過ちが全てを呑み込んでいく……時を越えた先に待つものとは………。  約千年前に封印された邪悪な意識が目覚めようとしていた。全ての封印は解け始め、仮初めの平和が少しずつ狂い始める……。     ※表紙イラスト、挿し絵は他サイトの絵師、大神紅葉様に描いていただいたものです。 ※エブリスタ(公開中)、ポケクリ(非公開)、メクる(閉鎖)で公開していました。 ※章によって文字数が異なります。

いるだけ迷惑な最強勇者 〜ハズレスキル『味方弱化』が邪魔だと追い出されたので、この異世界で好き勝手させてもらいます!〜

束音ツムギ
ファンタジー
【完結保証!】  ——気づけば、クラスごと異世界に召喚されていた。  そんなクラスの中でも目立たない、ごく普通の男子『梅屋正紀』も勇者として召喚されたのだが、《味方弱化》という、周囲の味方の能力値を下げてしまうデメリットしかないハズレスキルを引いてしまう。  いるだけで迷惑になってしまう正真正銘のハズレスキルを手にした俺は——その場で捨てられてしまう。 「そんなに邪魔なら俺から出ていってやる」と、一人で異世界を旅する事になった俺は、旅の途中で《味方弱化》スキルに隠された効果が、Sランクスキルをも凌駕できるほどの最強の効果であった事を知る。  いるだけで迷惑な最強の勇者『梅屋正紀』が、異世界で無双するッ! 【小説家になろう】【カクヨム】でも連載中です!

無敵の公爵令嬢 婚約破棄されてヤケクソになり世直しの旅に出る

緋色優希
恋愛
 ビスコッティ王国エクレーア公爵家の令嬢マリーは王宮舞踏会の最中に突然婚約者の王太子スフレより婚約破棄を突き付けられる。彼が執心していた隣国の男爵令嬢アリエッタに激しい嫌がらせをしていたと糾弾されたのだ。だが、そのアリエッタこそ実は悪徳男爵令嬢であり、このビスコッティ王国を侵略せんとする悪党どもの尖兵だった。最強の魔法使い『超姫』と最強の戦士である父との間に生まれた、無敵の公爵令嬢マリー。家で大人しく蟄居などせずに、宿敵アリエッタ一味の悪行の尻尾を掴まんと、美少年従者シナモンを連れて半ばヤケクソで世直しの旅に出た。果たして彼女は隣国の野望を打ち砕き、婚約者の目を覚まさせる事ができるだろうか。

父性覚醒~最凶の魔法使いは樹人の少女に絆される~

しろ卯
ファンタジー
 膨大過ぎて制御の効かない魔力を持つノムル・クラウは、わずかに感情が高ぶっただけで惨劇を招いてしまう。  それゆえに心を殺し、人と関わることは最小限に抑え、放浪の旅を続けていた。 孤独な日々を過ごす彼が出会ったのは、小さな樹人の少女ユキノだった。二人は互いの目的を叶えるため、行動を共にすることに。  魔物とは思えぬ言動を繰り返し、同族である人間にさえ恐れられるノムルを慕うユキノと行動を共にするうちに、徐々に変化が訪れていき……。    人間のおっさんと樹人の少女がゆっくりと親子の絆を結んでいく物語。     ※他サイトにも掲載中。

飛べない天使

紫月音湖(旧HN/月音)
ファンタジー
両親の仇を討つために聖なる力を欲していたシェリルは、偶然にも天使カインを召喚してしまう。 しかしこの天使、酒は飲むわ煙草は吸うわ、女性関係も派手でだらしない不良天使だった! 不本意ながらもカインと行動を共にする羽目になったシェリルは、その先で歴史から隠されたもうひとりの神の存在を知る。 ※小説家になろうからの、加筆・修正後の移行中※ ※ノベルアップ+にも投稿しています※ ※表紙は月城蓮水様からの頂き物です。完全版はサイトにて公開しております※

笑顔の絶えない世界~道楽の道化師の軌跡~

マーキ・ヘイト
ファンタジー
 人間と魔族、二種族による抗争が何代にも渡って繰り返されていた。時代が進むにつれ、状況は更に悪化、争いだけでは治まらず虐め、差別、裏切りが織り成す様になった。そんな世界で、高校生の少女が異世界転移を果たし、一人の道化師と出会い、仲間達と一緒に世界の運命を巻き込んだ冒険を始める。そんな道化師に対してある者は敬意を込め、ある者は親しみを込め、またある者は憎しみを込め、口を揃えてこう言う『笑顔だった』と、笑顔を絶やさない道化師に隠された裏の顔とは……。    この物語は、そんな道化師に振り回される人々のお話。  こちらの作品は無事完結致しました。またこの続編として、笑顔の絶えない世界 season2 ~道楽の道化師の遺産~を小説家になろうにて現在投稿しております。続きが気になる方は下に記載されているURLから直接飛んで頂けると幸いです。    https://ncode.syosetu.com/n0030fu/

久遠のプロメッサ 第一部 夜明けの幻想曲

日ノ島 陽
ファンタジー
【第一部 夜明けの幻想曲】  シアルワ王国の第三王子フェリクス。彼には存在を秘匿された姉がいた。  ある日、フェリクスが16歳になったことを祝う誕生祭が開かれる。少しでも姉に喜んで貰うため、土産物を用意しようと城を抜け出すフェリクスだが、その途中で並々ならぬ事情を抱えた女暗殺者に襲われてしまい……?  人間と精霊が歪な関係性を築く世界。世界の犠牲となった少年少女たちが紡ぐシリアスファンタジー。 ※ごく僅かですが、キャラクターを傷つけるような流血表現があります。 三部構成になる予定です。現在第一部3章を毎週水曜日に2話ずつ更新中。 Twitterにて久遠のプロメッサを含めた一時創作のイラストや設定をアップしておりますので、よろしければご覧ください。 長い連載になるとは思われますが、どうぞお付き合いくださいませ。 2020/02/26、第一部の本編完結しました! まだまだ続きます! どうぞよろしくお願いします! !

処理中です...