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116話.再び、如何わしいお店へ行く。

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 ルーカスさんの紹介で、ドラゴン肉のお店へ行き食事をした後――
 面白い店があるから付いて来いと言われたので、ルーカスさんの後について行っている。

 ん? この流れは――
 またやらかす流れのような気もするので、今回は警戒はしておこう。
 ルーカスの向かった先は、この街の歓楽街である。
 や、やっぱりか。

 しばらく歓楽街の中へ進んで行くと、「ここの歓楽街は面白い店があるんだ」と、ルーカスは意味深な言葉を言った。

 歓楽街というのは、結局そういう場所だから面白いといえば面白いが、エンタメ的な面白さではないよな。
 そんなことを考えながら歩いていると、ルーカスはお店の前で立ち止まった。

「ここだ、私が初めてこの店に来た時は驚いた」

「いや、まだお店に入ってないんで、何も解らないですよ」と、私は素で答えた。

「まぁ、入ってからのお楽しみだ!!」

 ルーカスに紹介されたお店の中に入ると、室内に入ると同時に雰囲気が一気に変わった。
 部屋全体に魔力を感じるぞ? 
【魔力視】を使い部屋を見回すと、瘴気ではないがソレに近いモノが漂っている。

 この建物は拙いと思い建物を出ようとすると……
 悪魔の格好をしたお姉さんに入り口を塞がれてしまった。

 コスプレか? いや、それにしては精巧すぎる気が……。
 まぁ、あまり私の好みの年齢ではない……一般的にはストライクゾーンな年齢だろうが。
 時々、彼女の魅了する為の魔力の塊がコチラに飛んできてるが、ことごとくソレを拒否している。
 三人ほど女の子が現れ、ルーカスが連れていかれた。

「あら、お兄さん。このお店は初めて?」

 流石にヤバイ状況かもしれないと思い、[鑑定]のスキルをお姉さんに使った。

 その結果――
 種族:悪魔(サキュバス)と、[鑑定]の結果が出た。

 私は、悪魔を警戒するように、半歩下がって身構えるようにして様子を見る。

「ご安心下さい、お客様。
 私達は決してお客様に危害を加えたり致しません」

「それでも、君達は悪魔なんだよね?
 人間とは、相入れない存在のような気がするけど……」

 正体を察した私の反応に気づいて、「お話だけでも、聞いていただけませんか?」と、お姉さんが懇願してきた。

「なんで、正体がバレたのかしら……
 普通の鑑定じゃわからないはずなのに、もしかして魔王様?」

 ……と、彼女が小声で呟いていた。

「コチラの部屋でお話をしませんか?」

「私がココにいる事で、入り口を塞げれば君達は逃げれないと思うんだけど?」

「残念ですけど裏口がありましてよ……」

「そうか、それならその言葉を信じよう」と言って、サキュバスの後について行き別の部屋へ案内された。

 部屋に入り扉を閉めてお互いに話始めた。

「君達、悪魔が街の中で何をしている。
 何かの悪事でも企んでいるのか?」

「いいえ違います。むしろ奉仕の類いだと思いますわ」

「えっ、奉仕?」

「私達、サキュバスは淫魔といって、人間の発情や淫らな感情を食事しているのです」

「ふむ……それで?」

「低価格で、お客様の望む夢を見させて、私達は美味しく育った発情した感情と精を頂いて――
 お客様にもスッキリとしていただく画期的なお店なのです」

「サキュバスに感情と精を食事された場合の副作用は?」

「そんなものありません。
 だって男性は常々に女性の中に白いモノを吐き出したいと思っている方が多いから、このお店が繁盛してるんですモノ」

「教会は、このお店の存在を知っているのか?」

「教会がこのお店の存在を知ってしまったら。
 確実に潰しに来るでしょうね」

「私の嫁は教会側の人間だぞ……」

「そ、そんな。
 あなたは魔王様ではなかったのですか?」

「ん? なんでそれがわかる?」

「貴方の圧倒的な魔力――複数の女性を侍らせたいという邪な色情。
 今までの魔王様と同じく感じます」

「侍らせたいとは思ってないけど三人とは結婚してるし。
 メイドの子とも良い関係ではあるが……」と、思い当たる節を考えながら話を切り替えた。

「教会側から敵視される勢力なら、私は教会に報告する必要がある」

「そ、そんな!!」と、お姉さんがこちらに向かって、魅了してくるが全く効いていない。

「どういうことなの?
 この部屋に連れてきたら、どんな男も魅了にかかりやすくなるようにしてるのに」

「やはり、そういうことか!!
 人の感情など、二の次で操ろうとしてくる類いか!!」と言って、私は戦闘態勢を取ろうと身構えた。

 その時、扉が開いた。

「違うもん!! お姉さんは私達に生きる方法教えてくれた人だもん」と、私のストライクゾーンに入っている見習いのサキュバスが部屋に入ってきた。

「ちょっと、リリス。
 今お客様と大事なお話をしているの邪魔したらダメよ」

「まぁ、待て!! そこのリリスちゃんの言い分を聞いてみよう。
 正直言うと、お姉さんは綺麗ではあるけど私のストライクゾーンから外れちゃってて」

「えっ……!! 私はこの店の一番人気なのよ」 と言って、彼女は軽くショックを受けていた。

「あ、いや。なんかすまない」と、お姉さんに謝っておいた。

「それで、リリス。
 君達は、人間に害する気は無いんだね?」

「男の人は、お金をくれるし。
 私達に食事をさせてくれるから共存共栄の関係?
 人間は、サキュバスにとって凄く大切な存在」

 あぁ、リリスの魅了がガンガン効いてるのが解る。
 なんだろう・・・リリスの発言を否定する事が出来なくなっている事に何となく気づいていた。

「わかった。教皇へ報告するのは止めておこう」

「えっ!?  教皇ですか?
 そんな大物に貴方は会える立場なのですか?」と、お姉さんが言った。

「うーん? 国王にお屋敷貰ったんで、お返しを何にしようか教皇に相談しようと考えてた。
 そのにココの件を報告しようかなと……」

 お姉さんは、ホッと胸をなで降ろしたようだった。
 その時、彼女の豊満な胸が揺れていたが私の視界には微塵も刺さらなかった。

「リリス。このお店の為にも貴方はこの殿方に仕えなさい」

「えっ!?」

「解った!! 私、このお兄ちゃんロリコンに仕えるよ」

「貴方のお名前は?」と、お姉さんが私に尋ねてきた。

「二階堂です」

「二階堂さん。この子はまだ若いので、出来れば本番は後一年ほど我慢してあげてください。
 その他のお仕事は全て出来ますので……」

「あー、大丈夫。
 元より私は本番禁止なんだよ。
 本番やると魔王になるらしくてね」と言って、私は言わなくて良い事まで口走ってしまった。

「そういう事もあって、夢でもそういう事が出来るのはありがたいというか――
 正直、嫁が三人もいて何もできないのが欲求不満なんだよね」

 ……と、正直に話してしまって非常にバツが悪かった。

「だが、私も商人だ。
 キミ達の存在が必要だと理解できれば、君達が悪魔だろうと黙認してもらうように教皇に頼んでみるよ」

「リリス。貴方の活躍に私達の命運がかかっているわよ」

「任せて!! このお兄ちゃんを私の魅力で籠絡させてみせるね」

「んー? なんか違うような気もするするけど?
 リリスが私に仕えるのかな?」

「それで、お兄ちゃん。
 初めての相手は誰が良いの?」と、リリスが聞いてきた。

「そりゃ、エミリーに決まってる」

「他の子とはしなくても良いの?」「それは別の話でお願いします」

「気が多いけど、尻にひかれるタイプの典型的な男ね。
 押されたらそのまま押し込まれて、三人とも結婚したみたいな人ね」と、お姉さんに呆れられた。

「それは、良いけど……
 リリスを大事にしてあげてね」

「大事というか生活に不満は持たないと思うよ?
 この街の外れの大きな屋敷が、この子の新しい家になるよ」

「二階堂さん、貴方は一体何者?」

「セカンタの町の町長で商人をやってます」

「イミワカンナイ……」

「それで、リリスには週に何回くらい食事を与えれば良いのかな?」

「毎日ーー!!」と、リリスが言った。

「ロリサキュバスと言えど――
 一人の男性が毎日、食事を与えてたら男性が先に死んでしまうわ。
 貴方はこの子に住む場所と、最低でも週一で食事を与えて頂戴」

「あぁ、わかった。
 その条件は守る努力をするよ」
 ……と言って、リリスと一緒に屋敷へ帰った。

 屋敷についた後、リリスに私の記憶を探られた。

 一人目がエミリーさん、可愛いけどみんなのお姉さんって感じかな、今日はこの人。
 二人目はシェリーちゃん、ちっちゃくて金髪の可愛い子だね。
 三人目がキャリーさん、こう見えてもエミリーさんと同じ年なんだぁ……
 四人目は、アリアちゃんね……褐色の肌を汚したいって、お兄ちゃんの欲望ダダ漏れだね。
 五人目が、エッ!! 女神ノルン様!! お兄ちゃんって罰当たりな人なのかなぁ?

 私が寝ている間、リリスに良い夢を見させて貰っていた。
 翌日の朝、私の隣にはリリスが一緒のベッドに寝ていた。
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