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馬車の中で
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麗華はいま馬車の中にいた。
買われたあとの手続きは意外とすんなり済んで足の鎖を外され、代わりに太めの首輪をかけられ、新しいご主人が手をかざすと光って何かを唱えて手続きが終了した。
新しいご主人は何も喋らずずっとこちらを見ている。
突然着ていたコートを差し出してきた。
そういえばスッケスケの服着てたんだった。
奴隷に服を差し出してくるなんてなんて紳士なんだ!と思いお礼の意を込めてニッコリと笑ってお辞儀をしたけれど相変わらずずっとだんまり。
とりあえず自分を指さして自己紹介してみた。
「レイカ」
「...!?」
突然話したのでわからなかったのだろうか?
もう1回言ってみることにした。
「レイカ」
仮面の男は私の名前を理解したようで
「レイカ?」
と私を指さして問いかけてきた
うんうん。合ってる、合ってる。
そう満足気にうなずいていると今度は仮面の男が自分を指さして
「ベルナード」
と言った。おそらく彼の名前。
私が口を開くのを待っているかのようにじっと見ていたのでとりあえず言ってみた。
「ベゥナード?」
発音が違うみたい。
「ベルナードだ」
ともう一度彼が言った。
エルの発音が違うのか?
難しい。
「ベ、ル、ナード」
「ベル、ベルでいい」
自分の名前が言いにくいことに気づいたらしい。
ベルだけでいいみたいだ。
「ベル」
改めてそう呼ぶと仮面の奥で小さく笑ったような気がした。
自己紹介のようなものをしているうちに馬車が止まった。
買われたあとの手続きは意外とすんなり済んで足の鎖を外され、代わりに太めの首輪をかけられ、新しいご主人が手をかざすと光って何かを唱えて手続きが終了した。
新しいご主人は何も喋らずずっとこちらを見ている。
突然着ていたコートを差し出してきた。
そういえばスッケスケの服着てたんだった。
奴隷に服を差し出してくるなんてなんて紳士なんだ!と思いお礼の意を込めてニッコリと笑ってお辞儀をしたけれど相変わらずずっとだんまり。
とりあえず自分を指さして自己紹介してみた。
「レイカ」
「...!?」
突然話したのでわからなかったのだろうか?
もう1回言ってみることにした。
「レイカ」
仮面の男は私の名前を理解したようで
「レイカ?」
と私を指さして問いかけてきた
うんうん。合ってる、合ってる。
そう満足気にうなずいていると今度は仮面の男が自分を指さして
「ベルナード」
と言った。おそらく彼の名前。
私が口を開くのを待っているかのようにじっと見ていたのでとりあえず言ってみた。
「ベゥナード?」
発音が違うみたい。
「ベルナードだ」
ともう一度彼が言った。
エルの発音が違うのか?
難しい。
「ベ、ル、ナード」
「ベル、ベルでいい」
自分の名前が言いにくいことに気づいたらしい。
ベルだけでいいみたいだ。
「ベル」
改めてそう呼ぶと仮面の奥で小さく笑ったような気がした。
自己紹介のようなものをしているうちに馬車が止まった。
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