13 / 93
反発と理解
現実からの逃走
しおりを挟む
一度抱いてしまった疑念は、限りなく膨らみ、全てを塗りつぶす。
そして、朦朧としながらも、青年の頭は現実を受け入れようと働いていた。
じっとりとした風、流れ出す汗、それは現実である。そして現実は語り掛ける。
ここは、お前の世界ではない。
青年は知っている、噂で聞いた事がある。
この世には、渡りという奇妙な能力があると。その能力を使えば、文字通り世界を渡る事が出来る。
その噂を聞いた時、青年は笑い飛ばした。
何故かそんな記憶が、青年の中に蘇る。そして記憶は告げている。
それが、お前をこの地に送った力だ。
ここが神の国ではなく、現実だとするなら、あの老婆は何が目的でこんな場所に連れて来た?
いや、あの老婆は自分を助けてくれた、治療できる場所に連れて来てくれただけだ。
なら、ここは何処だ?
どうやったら、帰る事が出来る?
いや、違う。
帰ってどうする。
あのとき見た夢が、本当の事だったら、村は無い。それに、畑だって荒らされている。
もしかしたら、国すら無いかもしれない。
そんな場所に帰ってどうする?
いや、あれは夢だ!
冒険者達は、逃げ切れたはずだ。そして、村の人達も逃げる事が出来たのだ。そして、国のお偉いさんがこの事を聞き、兵隊を派遣してくれる。
今頃は、あの化け物は駆逐されただろう。
冒険者達は、仲間を一人失った。でも、生き残った冒険者も居るのだ。僅かな報酬を受け取って、あの冒険者は次の仕事に赴いたはずだ。
そして、村の人達は、元の生活に戻ったはずだ。
だけど……。
どっちが現実的なのかと言えば、前者の方だろう。そして自分が見たのは、夢にしては現実感がある。
淡い期待をしても、無駄なのだろう。
受け入れろ。
青年の頭は、そう告げる。だが、納得はしたくない。
帰れば、仲間が待っている。あの老婆には申し訳ないが、ここが違う世界なら、帰るべきなのだ。
どれだけ現実が残酷であったとしても。
だが、帰る方法は?
渡りなどという、奇妙な力を自分は持っていない。母なら、母なら持っている可能性が有ったかもしれない。でも、母はこの世にいない。
残してくれたのは、ネックレスだけ。
困った時は、形見のネックレスを握り、神へと祈る。それが、青年の習慣であった。
いつもそこに有った物がなく、少し寂しくなった胸の前で、青年は握りこぶしを作る。
誰に何を祈っていいのか、わからずに。それでも、何かに縋りたい。
青年の心は、訴えていたのだろう。
こんな現実は、認めない。
認めて堪るか!
診療所から、山道口付近まで、歩いてもそう時間はかからない。そして、道は一本で、迷う事もない。
青年は既に三十分ほど、徘徊していた。間隔は広く、あまり役に立っていないが、無いよりはマシ程度の街灯を頼りに、フラフラと歩いていた。
頭と心が、激しく衝突している間に、青年は辿り着いていた。薄暗いがわかる。ここが、霧を抜けた後に到着した場所だ。
既に霧は無くなっている。それでも、青年は祈った。
帰りたいと、そう祈った。
だが、本当にこれが現実なら、帰る方法などない。
その瞬間、青年の中に色んなものが押し寄せて来た。
最初から知っていたはずなのだ。
それなのに、自分を偽った。そして、神の国だと思い込んだ。
そうすれば、残酷な現実から目を背ける事が出来たから。死と直面した時に見た光景は、現実なのだ。
帰っても何も無い。
老婆に懐いたゴブリン達も、同じだ。彼らは、あの集落の生き残りだろう。そして、彼らも帰る場所はない。それをどこまで認識しているかは、わからない。
だが、置かれている状況は、自分と大差ない。
全て失ったのだ。
自分は全て失って、ここに居るのだ。
死んだほうが良かったのか?
あの時、生きる事を望まない方が良かったのか?
あの老婆が、神ではない事は、わかっていたはずだ。
ただの人間で有る事は、わかっていたはずだ。
だが、ゴブリンを手懐ける人間など、見た事もない。
そして、見ず知らずの自分を、生かそうと懸命に蘇生処置をしてくれた。
そんな人を見たら、聖人か神のどちらかだと勘違いするだろ? 仕方がないじゃないか!
自分の傷は深かったはずだ。
あの老婆は確かに、自分を救ってくれた。だけど、自分の傷を治してくれたのは、母の力だ。
母が祈りを籠めた、宝石に宿った力だ。
助けて欲しいと願ったから、あの老婆が現れた。
生きたいと願ったから、宝石の力が自分の傷を癒してくれた。
そして、老婆が願ったから、この場所に辿り着いた。
もう、帰る術はない。
みっともなく足掻くな、理解しろ!
村に帰っても、誰もいない。みんな、あの化け物に殺されたんだ。
認めろ! 現実を受け入れろ!
お前は、この見知らぬ世界で、生きていくしかないんだ!
青年は泣いていた。
涙を流して泣いていた。
声を上げて泣いていた。
青年は幸運だっただろう。
化け物に襲われて、瀕死の状態であったにも関わらず、生きているのだから。
そして、見知らぬ世界で治療を受け、自力で歩けるまでに回復したのだから。
同時に青年は、不幸なのだろう。
あの時、体から分離した魂は、倒れた後に起きた事を、見させられたのだから。
冒険者が、村の人達が、蹂躙されていく様を、目に焼き付けさせられたのだから。
だから、全ての現実を否定した。そして、全てを偽った。
だが、それはあくまでも一時のまやかしでしかない。
現実は残酷に、突きつける。
自分の置かれた状況を、はっきりと教えて来る。
「どうして! どうして! 僕はなんで死ななかった! なんで、僕はのうのうと生きている! みんな死んだんだ! 僕だけ、生き延びたんだ! そんなものに、何の意味がある! 僕みたいなのが生き延びて、何の意味がある! どうしてだ! どうして!」
青年は蹲り、何度も路面を叩きながら、泣き叫んでいた。拳から伝わる痛みよりも、現実を受け止める痛みの方が強い。
どうしようもない痛みが、青年の心を抉っていた。
生きている幸運すらも否定し、泣き叫ぶ青年は、正にどん底に有るのだろう。
そして一方では、兄妹達が走っていた。
ゴブリンの兄妹は、青年よりも少しだけ、冷静に事実を受け止めていたのかもしれない。
何より兄妹は、ここが慣れ親しんだ森ではない事を、理解している。
幼い為、森から出て人里に行った事はない。だけど、仲間達からある程度は聞いている。
人間と、人間の里についてを。
人間は、自分達と違って、食べ物を作る。だから、森の実りが無くなったら、人間が育てた物を奪え。
だが、人間は狡猾だ。罠を仕掛けて、自分達が来るのを待ち伏せている。罠にかかって、死んだ仲間は沢山いる。
気を付けろ、人間は恐ろしい生き物だ。
気を付けろ、本当に怖いのは、森の奥に住むヌシ達ではなく、人間なのだ。
兄妹は知っている。
自分達を助けてくれた、あの人間は優しい。信用が出来る。
兄妹は聞いている。
人間に関わるな。人間を見たら、直ぐに逃げろ。
多分、どちらも正解なのだ。兄妹は、特に理由は無く、漠然とそう考えた。
恐らく兄妹は、己の心に従っただけなのだ。
食事をくれて、見た事の無い化け物がいる場所から、別の場所に連れて来てくれた。おまけに別の人間が、治療までしてくれた。
そんな人間が、怖いはずがない。
だが、怖い人間もいるんだろう。
仲間達が嘘を言っているのではない。たまたま、怖い人間と出会っただけなのだ。
だけど、森から逃げた時に出会った、あの傷ついた人間からは、敵意を感じなかった。死にかけだったから、そう感じただけかも知れない。
少なくとも、ここに辿り着くまで、あの人間は自分達を排除しようとはしなかった。
ただ、間違いなく感じているのは、人間は人間、ゴブリンはゴブリン。
住む場所が違えば、交わる事が無い。
そんな人間とゴブリンが関わったから、あの優しい人間が仲間に責められていた。
あの優しい人間には、迷惑をかけたくない。
助けてくれたのだから。
優しくしてくれたのだから。
仲間から責められるのが、一番つらい事だ。仲間から、見捨てられるのが、一番いやな事だ。
だから、あの優しい人間が、仲間外れにされない様に、せめて遠くへ。
森ならば、生きる術を知っている。
だから、あの山へ。
ゴブリン達は、走る。畑を抜けて、その向こうへ。
妹の手を兄が引いて、がむしゃらに走る。そして、木が生い茂る場所まで辿り着く。
だが、ゴブリン達を待っていたのは、懐かしい故郷と同じ匂いでは無かった。
そして、悪夢は蘇る。
それは、どれだけ悲鳴を上げても、決して救われない残酷な過去。そして、目の前を覆い尽くす、真っ暗な闇であった。
そして、朦朧としながらも、青年の頭は現実を受け入れようと働いていた。
じっとりとした風、流れ出す汗、それは現実である。そして現実は語り掛ける。
ここは、お前の世界ではない。
青年は知っている、噂で聞いた事がある。
この世には、渡りという奇妙な能力があると。その能力を使えば、文字通り世界を渡る事が出来る。
その噂を聞いた時、青年は笑い飛ばした。
何故かそんな記憶が、青年の中に蘇る。そして記憶は告げている。
それが、お前をこの地に送った力だ。
ここが神の国ではなく、現実だとするなら、あの老婆は何が目的でこんな場所に連れて来た?
いや、あの老婆は自分を助けてくれた、治療できる場所に連れて来てくれただけだ。
なら、ここは何処だ?
どうやったら、帰る事が出来る?
いや、違う。
帰ってどうする。
あのとき見た夢が、本当の事だったら、村は無い。それに、畑だって荒らされている。
もしかしたら、国すら無いかもしれない。
そんな場所に帰ってどうする?
いや、あれは夢だ!
冒険者達は、逃げ切れたはずだ。そして、村の人達も逃げる事が出来たのだ。そして、国のお偉いさんがこの事を聞き、兵隊を派遣してくれる。
今頃は、あの化け物は駆逐されただろう。
冒険者達は、仲間を一人失った。でも、生き残った冒険者も居るのだ。僅かな報酬を受け取って、あの冒険者は次の仕事に赴いたはずだ。
そして、村の人達は、元の生活に戻ったはずだ。
だけど……。
どっちが現実的なのかと言えば、前者の方だろう。そして自分が見たのは、夢にしては現実感がある。
淡い期待をしても、無駄なのだろう。
受け入れろ。
青年の頭は、そう告げる。だが、納得はしたくない。
帰れば、仲間が待っている。あの老婆には申し訳ないが、ここが違う世界なら、帰るべきなのだ。
どれだけ現実が残酷であったとしても。
だが、帰る方法は?
渡りなどという、奇妙な力を自分は持っていない。母なら、母なら持っている可能性が有ったかもしれない。でも、母はこの世にいない。
残してくれたのは、ネックレスだけ。
困った時は、形見のネックレスを握り、神へと祈る。それが、青年の習慣であった。
いつもそこに有った物がなく、少し寂しくなった胸の前で、青年は握りこぶしを作る。
誰に何を祈っていいのか、わからずに。それでも、何かに縋りたい。
青年の心は、訴えていたのだろう。
こんな現実は、認めない。
認めて堪るか!
診療所から、山道口付近まで、歩いてもそう時間はかからない。そして、道は一本で、迷う事もない。
青年は既に三十分ほど、徘徊していた。間隔は広く、あまり役に立っていないが、無いよりはマシ程度の街灯を頼りに、フラフラと歩いていた。
頭と心が、激しく衝突している間に、青年は辿り着いていた。薄暗いがわかる。ここが、霧を抜けた後に到着した場所だ。
既に霧は無くなっている。それでも、青年は祈った。
帰りたいと、そう祈った。
だが、本当にこれが現実なら、帰る方法などない。
その瞬間、青年の中に色んなものが押し寄せて来た。
最初から知っていたはずなのだ。
それなのに、自分を偽った。そして、神の国だと思い込んだ。
そうすれば、残酷な現実から目を背ける事が出来たから。死と直面した時に見た光景は、現実なのだ。
帰っても何も無い。
老婆に懐いたゴブリン達も、同じだ。彼らは、あの集落の生き残りだろう。そして、彼らも帰る場所はない。それをどこまで認識しているかは、わからない。
だが、置かれている状況は、自分と大差ない。
全て失ったのだ。
自分は全て失って、ここに居るのだ。
死んだほうが良かったのか?
あの時、生きる事を望まない方が良かったのか?
あの老婆が、神ではない事は、わかっていたはずだ。
ただの人間で有る事は、わかっていたはずだ。
だが、ゴブリンを手懐ける人間など、見た事もない。
そして、見ず知らずの自分を、生かそうと懸命に蘇生処置をしてくれた。
そんな人を見たら、聖人か神のどちらかだと勘違いするだろ? 仕方がないじゃないか!
自分の傷は深かったはずだ。
あの老婆は確かに、自分を救ってくれた。だけど、自分の傷を治してくれたのは、母の力だ。
母が祈りを籠めた、宝石に宿った力だ。
助けて欲しいと願ったから、あの老婆が現れた。
生きたいと願ったから、宝石の力が自分の傷を癒してくれた。
そして、老婆が願ったから、この場所に辿り着いた。
もう、帰る術はない。
みっともなく足掻くな、理解しろ!
村に帰っても、誰もいない。みんな、あの化け物に殺されたんだ。
認めろ! 現実を受け入れろ!
お前は、この見知らぬ世界で、生きていくしかないんだ!
青年は泣いていた。
涙を流して泣いていた。
声を上げて泣いていた。
青年は幸運だっただろう。
化け物に襲われて、瀕死の状態であったにも関わらず、生きているのだから。
そして、見知らぬ世界で治療を受け、自力で歩けるまでに回復したのだから。
同時に青年は、不幸なのだろう。
あの時、体から分離した魂は、倒れた後に起きた事を、見させられたのだから。
冒険者が、村の人達が、蹂躙されていく様を、目に焼き付けさせられたのだから。
だから、全ての現実を否定した。そして、全てを偽った。
だが、それはあくまでも一時のまやかしでしかない。
現実は残酷に、突きつける。
自分の置かれた状況を、はっきりと教えて来る。
「どうして! どうして! 僕はなんで死ななかった! なんで、僕はのうのうと生きている! みんな死んだんだ! 僕だけ、生き延びたんだ! そんなものに、何の意味がある! 僕みたいなのが生き延びて、何の意味がある! どうしてだ! どうして!」
青年は蹲り、何度も路面を叩きながら、泣き叫んでいた。拳から伝わる痛みよりも、現実を受け止める痛みの方が強い。
どうしようもない痛みが、青年の心を抉っていた。
生きている幸運すらも否定し、泣き叫ぶ青年は、正にどん底に有るのだろう。
そして一方では、兄妹達が走っていた。
ゴブリンの兄妹は、青年よりも少しだけ、冷静に事実を受け止めていたのかもしれない。
何より兄妹は、ここが慣れ親しんだ森ではない事を、理解している。
幼い為、森から出て人里に行った事はない。だけど、仲間達からある程度は聞いている。
人間と、人間の里についてを。
人間は、自分達と違って、食べ物を作る。だから、森の実りが無くなったら、人間が育てた物を奪え。
だが、人間は狡猾だ。罠を仕掛けて、自分達が来るのを待ち伏せている。罠にかかって、死んだ仲間は沢山いる。
気を付けろ、人間は恐ろしい生き物だ。
気を付けろ、本当に怖いのは、森の奥に住むヌシ達ではなく、人間なのだ。
兄妹は知っている。
自分達を助けてくれた、あの人間は優しい。信用が出来る。
兄妹は聞いている。
人間に関わるな。人間を見たら、直ぐに逃げろ。
多分、どちらも正解なのだ。兄妹は、特に理由は無く、漠然とそう考えた。
恐らく兄妹は、己の心に従っただけなのだ。
食事をくれて、見た事の無い化け物がいる場所から、別の場所に連れて来てくれた。おまけに別の人間が、治療までしてくれた。
そんな人間が、怖いはずがない。
だが、怖い人間もいるんだろう。
仲間達が嘘を言っているのではない。たまたま、怖い人間と出会っただけなのだ。
だけど、森から逃げた時に出会った、あの傷ついた人間からは、敵意を感じなかった。死にかけだったから、そう感じただけかも知れない。
少なくとも、ここに辿り着くまで、あの人間は自分達を排除しようとはしなかった。
ただ、間違いなく感じているのは、人間は人間、ゴブリンはゴブリン。
住む場所が違えば、交わる事が無い。
そんな人間とゴブリンが関わったから、あの優しい人間が仲間に責められていた。
あの優しい人間には、迷惑をかけたくない。
助けてくれたのだから。
優しくしてくれたのだから。
仲間から責められるのが、一番つらい事だ。仲間から、見捨てられるのが、一番いやな事だ。
だから、あの優しい人間が、仲間外れにされない様に、せめて遠くへ。
森ならば、生きる術を知っている。
だから、あの山へ。
ゴブリン達は、走る。畑を抜けて、その向こうへ。
妹の手を兄が引いて、がむしゃらに走る。そして、木が生い茂る場所まで辿り着く。
だが、ゴブリン達を待っていたのは、懐かしい故郷と同じ匂いでは無かった。
そして、悪夢は蘇る。
それは、どれだけ悲鳴を上げても、決して救われない残酷な過去。そして、目の前を覆い尽くす、真っ暗な闇であった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる