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にゃん 10 子猫は齧られる *
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****R表現ががっつりあります。苦手な方はご注意下さい****
◇◆◇◆◇ 晃 side
「ああぁああんっっ…」
ビクン、ビクンと震えてイッた綾乃が呆然としたまま意識を無くす。
それでも勿論離すことなど出来ずにそのまま蜜を零す綾乃の秘部に唇を寄せて舐めとった。
「ふぁんっひぃんっっ」
ピチャピチャと舌を動かす度にピクピクと意識がないままに震える綾乃が愛おしくてたまらない。まさかこんな気持ちで女性の身体へ触れることがあるなんて俺でも信じられない気持ちだ。
ついそんな綾乃への愛おしさから、つい早く綾乃を自分の物にしたくて差し入れたままの指をならす為に三本に増やす。
「…くぅんっ、ひっ!」
くぷくぷと十分なぬめりを帯びている綾乃の中をかき回す。
「綾乃…綾乃…」
まだぼんやりと視点の合わない綾乃の額に、頬に、耳に、そして唇へと唇を落とした。
「ん…んんんぅ」
何度も角度を変えて唇をついばみ、少し開いている隙間から舌を口内へと侵入させる。
「んあっ、んんっ…?」
「気が付いたか?綾乃」
「ん…?晃、さん?」
「そうだ」
目に光が戻って来た綾乃の顔を覗き込みながら顔中にキスをする。勿論その間も手は動かしている。
「ふぁあんっ…。ん?あんっ」
くいっと中で曲げた指がいい場所をさぐり当てたようだ。ビクンっと跳ねた身体を、そこを集中的に何度も攻める。
「や…な、なに?」
「ん?イイだろ、綾乃。このままもう一回イクか?」
「え?んあっ、ひっ、いやぁっっ!」
ぐちゅぐちゅと大きく抜き差ししながら見つけた場所を攻めると、あっけなくまた綾乃が身体を震わせて達した。引いた手にまとわりつくようにどろっと愛液が流れ落ちた。
これならそろそろ大丈夫か?
「綾乃、そろそろいいか?俺も早く綾乃と一つになりたい。好きだ、綾乃」
また達したからかぼんやりとしている綾乃の耳元に口づけながら囁き、素早く服を全部脱ぐとまた綾乃に覆いかぶさった。
そっと綾乃の足を抱えあげ、そっと位置を調整する。ぐちゅっと先が花芯へと辺り、濡れた音が響く。それと同時に痛い程張りつめたものが更に膨れ上がる。
くっ。
「綾乃、力抜いていてくれ」
そう囁くと、状況も分かっていないだろう綾乃の中へと突き進んだ。
◇◆◇◆◇ 綾乃 side
「ひいっ、いたっ、痛いっっ!」
なに?一体どうなってるのっ?
何が何だか分からない内に晃さんに色々されて。恥ずかしくて、それでいて体中が痺れて熱くなって。気が付いたら自分のものとも思えない甘い声なんか上げていて。
イタイ!イタイイタイイタイ!何がどうなっているの?
「もうちょっとだから、綾乃、力を抜いて」
ホラ、と晃さんの指に花芯を摘ままれて、ビクンっと身体が飛び跳ねた。イタイのに、何?
その瞬間に痛みに強張った身体から力が抜けたのか、一気に晃さんが腰を進めて来た。
「きゃ…あぁっ!痛いっっ!」
「…ふ、う。大丈夫、もう入ったから。綾乃、分かるか?俺が綾乃の中に居るの」
じくじくとする痛みと灼熱に煽られているような熱い塊が自分の中にあるのが分かる。
「な?繋がっているんだ」
繋がる…。っっ!!これって晃さんとエッチしちゃってるってことぉおおおっっ!って今更なんだけれどっっ!どうなっているのっっ?
「落ち着いて、綾乃。綾乃、好きだ。綾乃は?俺のこと好き、だよな?こうされて嫌か?」
「…嫌、じゃない、ですけど。それに晃さんのことは好き、です。好き、ですけど」
そう、晃さんのことは好き、なんだ。超イケメンな晃さんには私なんてふさわしくないって思うけれど。でもだからこうやって、…エッチするのだっていきなりだったし気持ちの整理が追い付かなかったから驚いたし、うん、驚いたけれどっ!でも、イヤ、ではない。けど。でも。
「ですけど、はいらないし聞かない。これで綾乃は俺の物だ。そうだろ?」
うっ。ずるい。晃さんはずるすぎるっっ!何でそんなイケメンのキレイな顔で凄くうれしそうに微笑んで、なんで私の顔をそんな愛おしそうになでるの?
うわああああああああっっっ!もうっっ!恥ずかしさで死ねるっっ!今なら恥ずかしさで死ねる気がするっっ!!
そう思うのにキュウゥンと高鳴る胸がドキドキバクバクしてもうどうにかなっちゃいそう!
「くっ。凄い。綾乃が俺のこと締め上げてる。ふふふ。感じてくれたんだ?うれしいよ綾乃」
え?え?何?締め上げる?感じるって?
「じゃあ、もう、いいよね?」
動いて。
そう言われた後はもうどうなったのか分からなくなって覚えてない。
「ひいっ、あっ…あっ…いたっ…うぅんっっ!」
「痛いだけ?ねえ、綾乃?」
「ふぁあぁっんっ。く…あぁあぁんっっ」
「可愛い、綾乃。これで綾乃は俺の物だ。もう放さないよ?」
だから痛いんだから熱いんだかなんなのかもう感覚さえ分からない中に、熱い飛沫を注がれたのもその時は気づきもしなかったのだ。
◇◆◇◆◇ 晃 side
腕の中の柔らかい、暖かい温もりをそっと抱きしめる。
こうやって自分が他人と熱を分けて一つのベッドで寝てるなんて、綾乃に会う前なら自分でも信じられないだろう。この腕の中の温もりを心地よく感じるなどとは。
「ふふふ。可愛かったよ、綾乃」
強引にこの寝室に連れ込んだ自覚も、事に及んだ自覚もちゃんとある。でもこの自分にとってはどうでもいい顔のせいで綾乃にまで「好きでも恋人として付き合うのはちょっと」と避けられるのは我慢ならなかったのだ。
だからここまでの計画を立てた。計画の残りは最後の仕上げのみ。ここまで来たからにはどうやっても計画を完遂させる。例え綾乃の気持ちが追い付いて来てなくても、だ。
「それに好きって言って貰ったしな」
その言葉を貰えたから、後はその気持ちが変わらないようにさせればいい。
いくらでもその言葉を俺に言って来た女性はいたけれど、俺がうれしいと思ったのは綾乃のみだ。一言も言葉を交わしたこともないのに、人を呼び出して「好きです」って言う気がしれないが。
まあ最初の頃以外は全部無視したんだがな。
学生時代に学校であの手この手で渡された手紙を思い出すとため息しか出ない。最も手紙には応じなくてもいきなり「好きです」と言われたこともあるのだが。
そっと抱きしめた綾乃の顔を覗き込むと、少し腫れぼったい唇が目に入る。
こんなに「好きだ」と想う相手が出来ることも、そんな相手とすることがこんなに気持ちいいことも知らなかった。
触れるだけでも愛しいという気持ちが湧き上がり、ましてや一つになった時は。綾乃の甘い声を聞くだけで達しそうになったのだ。
女性に興味がないのと同じ位に、性にも無関心でいたのに。何度も何度も求めそうになった。
まあこうやって初めてだった綾乃を攻め立てて気を失うまで追い込んでしまったんだが。
気を失った綾乃に、なんとか二度目を仕掛けるのを諦めた。でも今もこうやって裸の綾乃を抱きしめているだけも目がさえて眠れそうにない。
早く朝にならないか。そうしたら計画の仕上げをして、完全に綾乃を手に入れることが出来るのに。
そっとあどけない寝顔を覗き込んで、ついと額に唇を落とした。
「…ん…」
そんな寝言さえも愛おしく感じるなんて。
さあ。もうすぐ夜が明ける。綾乃。大人しく俺の手に落ちておいで。
◇◆◇◆◇ 綾乃 side
「ん…」
んんん?
「おはよう、綾乃」
え?何?晃さんの声が聞こえ…。
パチッと目を見開くと目の前には超絶美形の蕩けるような笑顔が。
「ほわぁあああああああああっっっ!」
んあぁ?何?何で目の前に晃さんが?あれ?そういえば昨日って確か…。
「身体は大丈夫か?昨日そのまま気を失ったからな」
そう、昨日は晃さんと待ち合わせをして、待ち合わせ場所に行ったらピカピカの晃さんが居て。慌てたら晃さんの家に連れて来られて?あれ?そして…。
回らない頭で昨日のことを思い出して行く。
そして…?晃さんに好きだって言われて寝室で押し倒されて?それで気を失った…。
「きゃああっっっ!!」
思い出した!思い出した!思い出しちゃったよーーーーーーーっっっ!
私、昨日、晃さんに好きだって押し倒されてそのままエ、エッチまでしちゃったんじゃっっ!!
思い出すと同時にやっとのことで目の前の晃さんに自分が裸のままベッドで抱きしめられていることに気が付いた。それに。
あ、あ、晃さんまで裸のままってーーーーーーーーーっっ!
ボフンッと一気に顔に火がついて、パニック状態に陥る。
「ちょっ、な、なんでっっ!」
とりあえず離して貰おうと腕で晃さんの裸!裸の胸を押したのにビクともしないんですけどっっ!
「なんでって綾乃を離したくなかったからな。だから昨日もちょっと拭いただけなんだ。気持ち悪いだろう?起きたからお風呂に入ろうか」
え?拭いただけ?気持ち悪い?何が?
と思った時にあられもない場所からドロっとしたものが零れ落ちる感触が…。
「ひゃああっっっ!!」
うっわああああっっ!何?何?あれ?もしかして晃さん、私には今まで縁は無かったけれどエッチする時の必需品なゴムをつけてなかった?え?えええっっ?
『俺は綾乃との子供なら欲しい。綾乃との子供なら愛して育てられそうだから』
わたわたとから回りばかりでパニック状態の頭に、ふっと昨夜の意識朦朧とした中で言われた言葉が蘇った。
「ふおおおおおおっっ!」
うわぁ!何、え?そんな言葉言われたの?ええっっ?
「ふふふ。綾乃は見ていて飽きないな」
チュッという音と柔らかい感触でキスされたことに気づき、またボフンッとなっている間に立ち上がった全裸!!な晃さんにひょいっと抱き上げられた。
「ふあっ!ちょっ、晃さんっ!どこにっ!」
私も全裸なんですけれどぉーーーっ!晃さんの裸の胸と私の胸がくっついているんですけどぉーーーーっ!
「ん?だから風呂入ろうかって。身体、洗おうな」
チュッっとまた頬へキスされた。
風呂!裸!洗う!!
とまた頭が真っ白パニック状態のままお風呂へ晃さんに運ばれてそのまま全身くまなく洗われましたよ…。もう抵抗しても無駄っていうか。あらぬ場所までもう丁寧に。そのまま昨夜の続きになだれ込んで、いつの間にかまた洗われてましたよ…。晃さん、恐ろしい人だ!!
◇◆◇◆◇ 晃 side
ぐったりしている綾乃にバスローブを着せて居間へと抱きかかえて運び、そっとソファに座らせた。
昨夜は腕の中の綾乃の温もりがうれしくて、ついついずっと寝顔を見ていたからそんなに寝てないのだが。起きた綾乃を首尾よく一緒に風呂へと入り、全身洗うことにも成功した。
まあ、つい自分を抑えられなかったのは仕方ないだろう。綾乃が湯気で赤くなった顔で可愛い声を上げるから。我慢なんて、昨夜は綾乃が気絶したからしぶしぶ一回で止めただけに出来る訳ない。
今でも風呂場に響いた綾乃の甘い声を思い出すと煽られそうになる。
でも今は計画を実行しなければならないのだ。
まだ呆けている綾乃に水を手渡してゆっくりと飲ませてから、あるものを取りに行く。昨日の花束は玄関に置いたままだがいいだろう。
「綾乃」
「…ん?あ、晃さん」
そっと綾乃の前に膝をついて座り、そっと下から頬に手を当てて呼びかける。茫然としていた焦点があって、綾乃の瞳に光が戻り、今の状況も理解したようだ。
そっと頬を撫でてから手を放し、今度は左手を手に取るとそっと手の甲に口づけた。
「えっ!あ、晃さん?」
「綾乃、好きだ。俺と結婚して欲しい」
「…!!け、けっ、結婚?ってえええっ。結婚って結婚、ですよね?」
「そうだ。結婚して欲しい」
手に持った箱をそっと開け、取り出した指輪を綾乃の左手の薬指にはめた。うん、良かった。サイズはあってたようだ。そしてもう一度左手の甲に口づけを落とした。
「っっ!え、指輪っ、左手の薬指って…」
「そう。プロポーズだよ、綾乃。返事は?」
「プロポーズ…。プロポーズっってえええええっっ!だ、だって私達まだ付き合ってもいないしっっ!」
「婚約してから付き合ったっていいだろう?ダメ?」
あわあわと顔を真っ赤にしてあたふたしている綾乃を眺め、そのまま手を取ったまま綾乃の隣に座り、肩を抱き寄せて頬に口づけをした。
「俺は綾乃と結婚したいんだ」
そう。結婚なんて今まで考えたことなどなかったが。綾乃となら。綾乃となら結婚したいと思ったから。綾乃の隣で綾乃を見ながらこれからの人生を過ごすのは、楽しそうだと思えたから。
だから。ねえ、綾乃。頷いて?俺は君を逃したりはしないから。
*****
長くなるので次話に持ち越しで!恐らく次話で終わるかな?と。番外もあるかも?
完結まであと一歩。もうちょっとお待ちくださいです。
チキンなので夜中にこっそり更新おば(久々にRなんて書いたので( ;∀;)
お気に入り登録100いきました!ありがとうございます!大賞にも入れてくれた方、ありがとうございます!
◇◆◇◆◇ 晃 side
「ああぁああんっっ…」
ビクン、ビクンと震えてイッた綾乃が呆然としたまま意識を無くす。
それでも勿論離すことなど出来ずにそのまま蜜を零す綾乃の秘部に唇を寄せて舐めとった。
「ふぁんっひぃんっっ」
ピチャピチャと舌を動かす度にピクピクと意識がないままに震える綾乃が愛おしくてたまらない。まさかこんな気持ちで女性の身体へ触れることがあるなんて俺でも信じられない気持ちだ。
ついそんな綾乃への愛おしさから、つい早く綾乃を自分の物にしたくて差し入れたままの指をならす為に三本に増やす。
「…くぅんっ、ひっ!」
くぷくぷと十分なぬめりを帯びている綾乃の中をかき回す。
「綾乃…綾乃…」
まだぼんやりと視点の合わない綾乃の額に、頬に、耳に、そして唇へと唇を落とした。
「ん…んんんぅ」
何度も角度を変えて唇をついばみ、少し開いている隙間から舌を口内へと侵入させる。
「んあっ、んんっ…?」
「気が付いたか?綾乃」
「ん…?晃、さん?」
「そうだ」
目に光が戻って来た綾乃の顔を覗き込みながら顔中にキスをする。勿論その間も手は動かしている。
「ふぁあんっ…。ん?あんっ」
くいっと中で曲げた指がいい場所をさぐり当てたようだ。ビクンっと跳ねた身体を、そこを集中的に何度も攻める。
「や…な、なに?」
「ん?イイだろ、綾乃。このままもう一回イクか?」
「え?んあっ、ひっ、いやぁっっ!」
ぐちゅぐちゅと大きく抜き差ししながら見つけた場所を攻めると、あっけなくまた綾乃が身体を震わせて達した。引いた手にまとわりつくようにどろっと愛液が流れ落ちた。
これならそろそろ大丈夫か?
「綾乃、そろそろいいか?俺も早く綾乃と一つになりたい。好きだ、綾乃」
また達したからかぼんやりとしている綾乃の耳元に口づけながら囁き、素早く服を全部脱ぐとまた綾乃に覆いかぶさった。
そっと綾乃の足を抱えあげ、そっと位置を調整する。ぐちゅっと先が花芯へと辺り、濡れた音が響く。それと同時に痛い程張りつめたものが更に膨れ上がる。
くっ。
「綾乃、力抜いていてくれ」
そう囁くと、状況も分かっていないだろう綾乃の中へと突き進んだ。
◇◆◇◆◇ 綾乃 side
「ひいっ、いたっ、痛いっっ!」
なに?一体どうなってるのっ?
何が何だか分からない内に晃さんに色々されて。恥ずかしくて、それでいて体中が痺れて熱くなって。気が付いたら自分のものとも思えない甘い声なんか上げていて。
イタイ!イタイイタイイタイ!何がどうなっているの?
「もうちょっとだから、綾乃、力を抜いて」
ホラ、と晃さんの指に花芯を摘ままれて、ビクンっと身体が飛び跳ねた。イタイのに、何?
その瞬間に痛みに強張った身体から力が抜けたのか、一気に晃さんが腰を進めて来た。
「きゃ…あぁっ!痛いっっ!」
「…ふ、う。大丈夫、もう入ったから。綾乃、分かるか?俺が綾乃の中に居るの」
じくじくとする痛みと灼熱に煽られているような熱い塊が自分の中にあるのが分かる。
「な?繋がっているんだ」
繋がる…。っっ!!これって晃さんとエッチしちゃってるってことぉおおおっっ!って今更なんだけれどっっ!どうなっているのっっ?
「落ち着いて、綾乃。綾乃、好きだ。綾乃は?俺のこと好き、だよな?こうされて嫌か?」
「…嫌、じゃない、ですけど。それに晃さんのことは好き、です。好き、ですけど」
そう、晃さんのことは好き、なんだ。超イケメンな晃さんには私なんてふさわしくないって思うけれど。でもだからこうやって、…エッチするのだっていきなりだったし気持ちの整理が追い付かなかったから驚いたし、うん、驚いたけれどっ!でも、イヤ、ではない。けど。でも。
「ですけど、はいらないし聞かない。これで綾乃は俺の物だ。そうだろ?」
うっ。ずるい。晃さんはずるすぎるっっ!何でそんなイケメンのキレイな顔で凄くうれしそうに微笑んで、なんで私の顔をそんな愛おしそうになでるの?
うわああああああああっっっ!もうっっ!恥ずかしさで死ねるっっ!今なら恥ずかしさで死ねる気がするっっ!!
そう思うのにキュウゥンと高鳴る胸がドキドキバクバクしてもうどうにかなっちゃいそう!
「くっ。凄い。綾乃が俺のこと締め上げてる。ふふふ。感じてくれたんだ?うれしいよ綾乃」
え?え?何?締め上げる?感じるって?
「じゃあ、もう、いいよね?」
動いて。
そう言われた後はもうどうなったのか分からなくなって覚えてない。
「ひいっ、あっ…あっ…いたっ…うぅんっっ!」
「痛いだけ?ねえ、綾乃?」
「ふぁあぁっんっ。く…あぁあぁんっっ」
「可愛い、綾乃。これで綾乃は俺の物だ。もう放さないよ?」
だから痛いんだから熱いんだかなんなのかもう感覚さえ分からない中に、熱い飛沫を注がれたのもその時は気づきもしなかったのだ。
◇◆◇◆◇ 晃 side
腕の中の柔らかい、暖かい温もりをそっと抱きしめる。
こうやって自分が他人と熱を分けて一つのベッドで寝てるなんて、綾乃に会う前なら自分でも信じられないだろう。この腕の中の温もりを心地よく感じるなどとは。
「ふふふ。可愛かったよ、綾乃」
強引にこの寝室に連れ込んだ自覚も、事に及んだ自覚もちゃんとある。でもこの自分にとってはどうでもいい顔のせいで綾乃にまで「好きでも恋人として付き合うのはちょっと」と避けられるのは我慢ならなかったのだ。
だからここまでの計画を立てた。計画の残りは最後の仕上げのみ。ここまで来たからにはどうやっても計画を完遂させる。例え綾乃の気持ちが追い付いて来てなくても、だ。
「それに好きって言って貰ったしな」
その言葉を貰えたから、後はその気持ちが変わらないようにさせればいい。
いくらでもその言葉を俺に言って来た女性はいたけれど、俺がうれしいと思ったのは綾乃のみだ。一言も言葉を交わしたこともないのに、人を呼び出して「好きです」って言う気がしれないが。
まあ最初の頃以外は全部無視したんだがな。
学生時代に学校であの手この手で渡された手紙を思い出すとため息しか出ない。最も手紙には応じなくてもいきなり「好きです」と言われたこともあるのだが。
そっと抱きしめた綾乃の顔を覗き込むと、少し腫れぼったい唇が目に入る。
こんなに「好きだ」と想う相手が出来ることも、そんな相手とすることがこんなに気持ちいいことも知らなかった。
触れるだけでも愛しいという気持ちが湧き上がり、ましてや一つになった時は。綾乃の甘い声を聞くだけで達しそうになったのだ。
女性に興味がないのと同じ位に、性にも無関心でいたのに。何度も何度も求めそうになった。
まあこうやって初めてだった綾乃を攻め立てて気を失うまで追い込んでしまったんだが。
気を失った綾乃に、なんとか二度目を仕掛けるのを諦めた。でも今もこうやって裸の綾乃を抱きしめているだけも目がさえて眠れそうにない。
早く朝にならないか。そうしたら計画の仕上げをして、完全に綾乃を手に入れることが出来るのに。
そっとあどけない寝顔を覗き込んで、ついと額に唇を落とした。
「…ん…」
そんな寝言さえも愛おしく感じるなんて。
さあ。もうすぐ夜が明ける。綾乃。大人しく俺の手に落ちておいで。
◇◆◇◆◇ 綾乃 side
「ん…」
んんん?
「おはよう、綾乃」
え?何?晃さんの声が聞こえ…。
パチッと目を見開くと目の前には超絶美形の蕩けるような笑顔が。
「ほわぁあああああああああっっっ!」
んあぁ?何?何で目の前に晃さんが?あれ?そういえば昨日って確か…。
「身体は大丈夫か?昨日そのまま気を失ったからな」
そう、昨日は晃さんと待ち合わせをして、待ち合わせ場所に行ったらピカピカの晃さんが居て。慌てたら晃さんの家に連れて来られて?あれ?そして…。
回らない頭で昨日のことを思い出して行く。
そして…?晃さんに好きだって言われて寝室で押し倒されて?それで気を失った…。
「きゃああっっっ!!」
思い出した!思い出した!思い出しちゃったよーーーーーーーっっっ!
私、昨日、晃さんに好きだって押し倒されてそのままエ、エッチまでしちゃったんじゃっっ!!
思い出すと同時にやっとのことで目の前の晃さんに自分が裸のままベッドで抱きしめられていることに気が付いた。それに。
あ、あ、晃さんまで裸のままってーーーーーーーーーっっ!
ボフンッと一気に顔に火がついて、パニック状態に陥る。
「ちょっ、な、なんでっっ!」
とりあえず離して貰おうと腕で晃さんの裸!裸の胸を押したのにビクともしないんですけどっっ!
「なんでって綾乃を離したくなかったからな。だから昨日もちょっと拭いただけなんだ。気持ち悪いだろう?起きたからお風呂に入ろうか」
え?拭いただけ?気持ち悪い?何が?
と思った時にあられもない場所からドロっとしたものが零れ落ちる感触が…。
「ひゃああっっっ!!」
うっわああああっっ!何?何?あれ?もしかして晃さん、私には今まで縁は無かったけれどエッチする時の必需品なゴムをつけてなかった?え?えええっっ?
『俺は綾乃との子供なら欲しい。綾乃との子供なら愛して育てられそうだから』
わたわたとから回りばかりでパニック状態の頭に、ふっと昨夜の意識朦朧とした中で言われた言葉が蘇った。
「ふおおおおおおっっ!」
うわぁ!何、え?そんな言葉言われたの?ええっっ?
「ふふふ。綾乃は見ていて飽きないな」
チュッという音と柔らかい感触でキスされたことに気づき、またボフンッとなっている間に立ち上がった全裸!!な晃さんにひょいっと抱き上げられた。
「ふあっ!ちょっ、晃さんっ!どこにっ!」
私も全裸なんですけれどぉーーーっ!晃さんの裸の胸と私の胸がくっついているんですけどぉーーーーっ!
「ん?だから風呂入ろうかって。身体、洗おうな」
チュッっとまた頬へキスされた。
風呂!裸!洗う!!
とまた頭が真っ白パニック状態のままお風呂へ晃さんに運ばれてそのまま全身くまなく洗われましたよ…。もう抵抗しても無駄っていうか。あらぬ場所までもう丁寧に。そのまま昨夜の続きになだれ込んで、いつの間にかまた洗われてましたよ…。晃さん、恐ろしい人だ!!
◇◆◇◆◇ 晃 side
ぐったりしている綾乃にバスローブを着せて居間へと抱きかかえて運び、そっとソファに座らせた。
昨夜は腕の中の綾乃の温もりがうれしくて、ついついずっと寝顔を見ていたからそんなに寝てないのだが。起きた綾乃を首尾よく一緒に風呂へと入り、全身洗うことにも成功した。
まあ、つい自分を抑えられなかったのは仕方ないだろう。綾乃が湯気で赤くなった顔で可愛い声を上げるから。我慢なんて、昨夜は綾乃が気絶したからしぶしぶ一回で止めただけに出来る訳ない。
今でも風呂場に響いた綾乃の甘い声を思い出すと煽られそうになる。
でも今は計画を実行しなければならないのだ。
まだ呆けている綾乃に水を手渡してゆっくりと飲ませてから、あるものを取りに行く。昨日の花束は玄関に置いたままだがいいだろう。
「綾乃」
「…ん?あ、晃さん」
そっと綾乃の前に膝をついて座り、そっと下から頬に手を当てて呼びかける。茫然としていた焦点があって、綾乃の瞳に光が戻り、今の状況も理解したようだ。
そっと頬を撫でてから手を放し、今度は左手を手に取るとそっと手の甲に口づけた。
「えっ!あ、晃さん?」
「綾乃、好きだ。俺と結婚して欲しい」
「…!!け、けっ、結婚?ってえええっ。結婚って結婚、ですよね?」
「そうだ。結婚して欲しい」
手に持った箱をそっと開け、取り出した指輪を綾乃の左手の薬指にはめた。うん、良かった。サイズはあってたようだ。そしてもう一度左手の甲に口づけを落とした。
「っっ!え、指輪っ、左手の薬指って…」
「そう。プロポーズだよ、綾乃。返事は?」
「プロポーズ…。プロポーズっってえええええっっ!だ、だって私達まだ付き合ってもいないしっっ!」
「婚約してから付き合ったっていいだろう?ダメ?」
あわあわと顔を真っ赤にしてあたふたしている綾乃を眺め、そのまま手を取ったまま綾乃の隣に座り、肩を抱き寄せて頬に口づけをした。
「俺は綾乃と結婚したいんだ」
そう。結婚なんて今まで考えたことなどなかったが。綾乃となら。綾乃となら結婚したいと思ったから。綾乃の隣で綾乃を見ながらこれからの人生を過ごすのは、楽しそうだと思えたから。
だから。ねえ、綾乃。頷いて?俺は君を逃したりはしないから。
*****
長くなるので次話に持ち越しで!恐らく次話で終わるかな?と。番外もあるかも?
完結まであと一歩。もうちょっとお待ちくださいです。
チキンなので夜中にこっそり更新おば(久々にRなんて書いたので( ;∀;)
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しおりを挟んでくださっている皆様へ。
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