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流れる時、流される人、流れを作る影
再会、再開、最下位
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オクトが仕事を始めて
しばらくしたある日
葉月が声をかけてきた
「機関長が会いたいらしいが
今から時間は大丈夫か?」
とオクトに声をかけてから
オクトが掃除中の部屋の
研究者の方をみた。
研究者は「俺に断る権利はない」
とでも言いたいのか
オクトに向かって
あっちに行けと言うように
手をヒラヒラとさせた。
「よし」とオクトの返事も聞かず
葉月は手を引いた
水の入ったバケツに
使っていた雑巾だけ彫り込んだ。
「トイレにだけ、よらせてください。」
と部屋を出てすぐに葉月に言うと
ちょうどトイレの前だったので
葉月は立ち止まって
「早く行け!
機関長は忙しいのでな」
用をたして、手を入念に洗い
トイレを出ると
葉月は無言で、今度手を引かず
スタスタと早足で歩き始めたので
慌てて小走りで追いかけてた
急いでいる割に
入り組んだ道を
あっちこっち通った気がする。
「機関長には普通の人が
たどり着けないように
最新の注意を払っているから
どうしても道が複雑になる。」
と聞いてもいないのに
葉月がいい始めた。
その時、あまり興味のないオクトが
なんとなく周りをみると
カンナがいた?
一瞬なのでわからなかったが
おそらくカンナだ。
なぜここに?
不安や疑問が混ざったまま
機関長の部屋の前についた。
部屋に入って驚いた。
アニメなどで見る
「謎の指令」のように
くらい部屋の奥で
大きな椅子に座り
ゆるい逆光で顔がみえない。
「うわ、ホントにこんな事あるんだ」
思わず口にしてしまうと
葉月が「余計な事言うな!」
ときつくたしなめる。
「良い。ホントの事だ。
顔を見せられないので
よくある演出をマネしている」
その声は変声機を使って変えていた。
声も聞かれたくないのか?
オクトの疑問は
「不死の病の患者を
一度直に見たいと思い呼んだんだ
すまないな。ワガママで。」
返事に困る…で、口から出たのは
「いえ、お会いできて光栄です」
謎の指令に対する態度?
「お前は面白いな。
いいかもな」
謎の言葉が、さらに謎の指令感を上げる。
葉月が
「この者も仕事があるので
よろしければ帰しますが」
と入ってくれた。
「そうだな。これ以上のワガママは
いろいろと苦情が来そうだ。
わざわざすまなかったな。
会えてよかった。ありがとう」
「こちらこそ、光栄です」
部屋を出ると急に葉月が
笑い出した。
「お前はバカか!
なんだあの返事は。
相手は少し特殊な機関の上官で
別に闇の組織とかじゃないぞ」
と言われて、オクトも
「なんて言っていいか
わからなかったんです!」
と返しから大笑いした
そして先程作業していたところに
戻る時に
やはりカンナをみたような
と、オクトは思ったが
葉月には聞けなかった。
その日から1週間後のある日
また葉月がきた。
そして、明日の15時から
この会議室をつかうので
蛍光灯のチェックや
プロジェクターの作動確認など
準備しておいて欲しい。
との事だったので
明日なら、朝10時から空いてるので
その時間にしておきます。
と返事をした。
翌日、朝からいくつかの部屋の
ゴミを集めて、集積所に置き
指定された会議室へ向かった。
目の前を、葉月に連れられたカンナが
通路を横切っていった。
葉月とは、目があった!はず。
しかし、立ち止まる事なく
二人は歩き去っていく。
急いでその通路に行ったが
すでに姿はみえなかった。
探すのは諦めて、会議室に行き
準備を整えた。
そして、その日から一か月後
働き出して三か月が過ぎていた。
葉月からはたまに連絡があり
あそこに行って欲しい
何かを取りに行って欲しい
など、様々な雑用を頼まれる事が
多くあったが
葉月に頼まれた仕事の行き帰りの道
どちらかで必ずカンナを見た
ような気がする。
あくまで偶然だろう。
と、思う反面、会いたくて
見かけると可能な限り追いかけるが
必ず見失うので、途中から
「見間違い」と思うようになり
追いかけるのも、あえて探すのもやめた
昔の歌手が歌っていた
「探し物は、探すのをやめたときに
見つかるので、歌いましょう」
何気に鼻歌を歌いながら
床を磨き上げていると
後ろから「オクト!!!」
とカンナの声が、聞こえた。
イヤホンで音楽を聴きながら
仕事をしていたので
一瞬聞き間違いかと思ったが
目の前にカンナが現れると
イヤホンをしたまま
「カンナ!!!」
と叫んでしまい
少し先にあるトイレから出てきた人に
睨まれた。ような気がする。
しかし、再会の嬉しさは
オクトの日常を変えるのに
充分だった。
まさか、その次の日から
あんな事が起こるとは
思っても見なかったが…
カンナと再会した夜
部屋で思わずニヤけていると
オクトのスマホが
ブブブと音を立てる。LINE。
嫌な予感がする。
母親からだった
「久しぶりに稼がせてあげる!」
悩んだ
【今は普通の仕事してて
その仕事なくて大丈夫だから
いかない】
か
【わかった。いつ?どこで?】
断るのか、受け入れるのか
悩んだ結果
『今普通の仕事もしてるけど
行くよ、母さんのためにも
いつ?どこでするの?』
一応意思を残しつつ了承
で、送ったメールに返信
「明後日、渋谷
ずいぶん偉そうになったね?
殺されても、死なないって思ってる?
次にそんな口聞いたら
許さないよ」
一生逃げれないかも?
オクトは少し泣いた。
母親に優しくされい。
部屋で一人、夜中に
閉じた目の中で
カンナがオクトの頭を撫でていた。
救われない。カンナに会いたい
願いは通じる
朝、母親からの電話の音で
目が覚めたが、出る直前で切れた。
寝起きですぐに返せずにいると
LINEがきた。
「昨日は言い過ぎたかも?
今日渋谷のハチ公前ね。
とりあえず7時半予定
会えるの楽しみにしてるよ」
昨日は機嫌が悪かっただけか。
と思うと、フフッと笑ってしまつた。
朝食の準備ができたので、椅子に座り
テレビをつけると占いコーナーだった。
オクトは、最下位だった。
「朝からいい事あったのに最下位って…」
とつぶやきながら
そして、最悪な日々が
今日から始まるとは
思えなかった。
自分が一番好きな感じに焼けた
バタートーストをかじり
「今日のは最高!
最下位って嘘だ」
とパンを見てしまい
詳しい内容は見なかった。
しかし書かれていたのは
《今日は外出は控えて下さい!
今日会う人達とは
トラブルが続きそう》
しばらくしたある日
葉月が声をかけてきた
「機関長が会いたいらしいが
今から時間は大丈夫か?」
とオクトに声をかけてから
オクトが掃除中の部屋の
研究者の方をみた。
研究者は「俺に断る権利はない」
とでも言いたいのか
オクトに向かって
あっちに行けと言うように
手をヒラヒラとさせた。
「よし」とオクトの返事も聞かず
葉月は手を引いた
水の入ったバケツに
使っていた雑巾だけ彫り込んだ。
「トイレにだけ、よらせてください。」
と部屋を出てすぐに葉月に言うと
ちょうどトイレの前だったので
葉月は立ち止まって
「早く行け!
機関長は忙しいのでな」
用をたして、手を入念に洗い
トイレを出ると
葉月は無言で、今度手を引かず
スタスタと早足で歩き始めたので
慌てて小走りで追いかけてた
急いでいる割に
入り組んだ道を
あっちこっち通った気がする。
「機関長には普通の人が
たどり着けないように
最新の注意を払っているから
どうしても道が複雑になる。」
と聞いてもいないのに
葉月がいい始めた。
その時、あまり興味のないオクトが
なんとなく周りをみると
カンナがいた?
一瞬なのでわからなかったが
おそらくカンナだ。
なぜここに?
不安や疑問が混ざったまま
機関長の部屋の前についた。
部屋に入って驚いた。
アニメなどで見る
「謎の指令」のように
くらい部屋の奥で
大きな椅子に座り
ゆるい逆光で顔がみえない。
「うわ、ホントにこんな事あるんだ」
思わず口にしてしまうと
葉月が「余計な事言うな!」
ときつくたしなめる。
「良い。ホントの事だ。
顔を見せられないので
よくある演出をマネしている」
その声は変声機を使って変えていた。
声も聞かれたくないのか?
オクトの疑問は
「不死の病の患者を
一度直に見たいと思い呼んだんだ
すまないな。ワガママで。」
返事に困る…で、口から出たのは
「いえ、お会いできて光栄です」
謎の指令に対する態度?
「お前は面白いな。
いいかもな」
謎の言葉が、さらに謎の指令感を上げる。
葉月が
「この者も仕事があるので
よろしければ帰しますが」
と入ってくれた。
「そうだな。これ以上のワガママは
いろいろと苦情が来そうだ。
わざわざすまなかったな。
会えてよかった。ありがとう」
「こちらこそ、光栄です」
部屋を出ると急に葉月が
笑い出した。
「お前はバカか!
なんだあの返事は。
相手は少し特殊な機関の上官で
別に闇の組織とかじゃないぞ」
と言われて、オクトも
「なんて言っていいか
わからなかったんです!」
と返しから大笑いした
そして先程作業していたところに
戻る時に
やはりカンナをみたような
と、オクトは思ったが
葉月には聞けなかった。
その日から1週間後のある日
また葉月がきた。
そして、明日の15時から
この会議室をつかうので
蛍光灯のチェックや
プロジェクターの作動確認など
準備しておいて欲しい。
との事だったので
明日なら、朝10時から空いてるので
その時間にしておきます。
と返事をした。
翌日、朝からいくつかの部屋の
ゴミを集めて、集積所に置き
指定された会議室へ向かった。
目の前を、葉月に連れられたカンナが
通路を横切っていった。
葉月とは、目があった!はず。
しかし、立ち止まる事なく
二人は歩き去っていく。
急いでその通路に行ったが
すでに姿はみえなかった。
探すのは諦めて、会議室に行き
準備を整えた。
そして、その日から一か月後
働き出して三か月が過ぎていた。
葉月からはたまに連絡があり
あそこに行って欲しい
何かを取りに行って欲しい
など、様々な雑用を頼まれる事が
多くあったが
葉月に頼まれた仕事の行き帰りの道
どちらかで必ずカンナを見た
ような気がする。
あくまで偶然だろう。
と、思う反面、会いたくて
見かけると可能な限り追いかけるが
必ず見失うので、途中から
「見間違い」と思うようになり
追いかけるのも、あえて探すのもやめた
昔の歌手が歌っていた
「探し物は、探すのをやめたときに
見つかるので、歌いましょう」
何気に鼻歌を歌いながら
床を磨き上げていると
後ろから「オクト!!!」
とカンナの声が、聞こえた。
イヤホンで音楽を聴きながら
仕事をしていたので
一瞬聞き間違いかと思ったが
目の前にカンナが現れると
イヤホンをしたまま
「カンナ!!!」
と叫んでしまい
少し先にあるトイレから出てきた人に
睨まれた。ような気がする。
しかし、再会の嬉しさは
オクトの日常を変えるのに
充分だった。
まさか、その次の日から
あんな事が起こるとは
思っても見なかったが…
カンナと再会した夜
部屋で思わずニヤけていると
オクトのスマホが
ブブブと音を立てる。LINE。
嫌な予感がする。
母親からだった
「久しぶりに稼がせてあげる!」
悩んだ
【今は普通の仕事してて
その仕事なくて大丈夫だから
いかない】
か
【わかった。いつ?どこで?】
断るのか、受け入れるのか
悩んだ結果
『今普通の仕事もしてるけど
行くよ、母さんのためにも
いつ?どこでするの?』
一応意思を残しつつ了承
で、送ったメールに返信
「明後日、渋谷
ずいぶん偉そうになったね?
殺されても、死なないって思ってる?
次にそんな口聞いたら
許さないよ」
一生逃げれないかも?
オクトは少し泣いた。
母親に優しくされい。
部屋で一人、夜中に
閉じた目の中で
カンナがオクトの頭を撫でていた。
救われない。カンナに会いたい
願いは通じる
朝、母親からの電話の音で
目が覚めたが、出る直前で切れた。
寝起きですぐに返せずにいると
LINEがきた。
「昨日は言い過ぎたかも?
今日渋谷のハチ公前ね。
とりあえず7時半予定
会えるの楽しみにしてるよ」
昨日は機嫌が悪かっただけか。
と思うと、フフッと笑ってしまつた。
朝食の準備ができたので、椅子に座り
テレビをつけると占いコーナーだった。
オクトは、最下位だった。
「朝からいい事あったのに最下位って…」
とつぶやきながら
そして、最悪な日々が
今日から始まるとは
思えなかった。
自分が一番好きな感じに焼けた
バタートーストをかじり
「今日のは最高!
最下位って嘘だ」
とパンを見てしまい
詳しい内容は見なかった。
しかし書かれていたのは
《今日は外出は控えて下さい!
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