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(玲欧視点)反撃と津奈の思い
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芹沢先輩の羽交い締めを何とかすり抜けて、津奈を探し回った。
(もうすぐ昼休みが終わるから教室に戻ってればいいけど…)
そう思い、教室に戻ってみるが津奈の姿はなかった。
もう一度校舎内を探そうと教室を出ようとしたその時、誰かとぶつかってしまった。
「いったぁ…」
友だった。
「玲欧!」
「友…」
「ねぇ、津奈が!津奈が居ないの!一緒に学食に行って、席で待っててもらってたら急にいなくなってて…」
「…俺も探してる…」
「人形女が…」
「そうだよ…俺が、俺が悪いんだ…」
(でも、覚悟決めたから何としてもあれは覆すことは出来ない)
「玲欧のせいじゃないわ、落ち込む暇なんてない!津奈を探すわよ!」
(友の言う通りだ、落ち込んでる暇があったら津奈を急いで探さなければ…)
「私は旧3年棟見に行ってみる」
「俺は、旧校舎棟の方」
俺と友は手分けして残り時間ギリギリまで津奈を探し回った。
「津奈!津奈、いるか!?」
旧校舎棟の方へ走っていくと、旧校舎棟の外に誰かが横たわっているのが見えた。
(あそこに誰かいる…!津奈か…?)
俺は階段を降りて、外へ向かった。
「津奈!」
「…」
返事はなく、気を失っているようだ。
制服は汚れ、顔のあちこちにアザがあった。太ももにも蹴られた跡が残っている…。
恐らく、アリス先輩の仕業だろう…。
(こんなに…こんなになるまで、津奈を痛めつけていたのか…)
「津奈!しっかりしろ!津奈!!!」
「れ…お…」
「津奈!」
(とりあえず、津奈を保健室に…)
「あり…がと…」
「津奈…」
「来て…くれ…て」
「もう…喋るな…お前、こんなボロボロに…」
「うぅ…」
やられたところがあちこち痛むようで津奈は顔をしかめている。
(許せない…あの女…俺の…大事な幼なじみをこんな目にあわせやがって!)
俺は急いで津奈を抱えて、保健室に向かった。
保健室
「先生!津奈が!」
「あら、どうしたの?木村くん」
「津奈が…怪我して…」
「見せて、
…ちょっとやだ…これ怪我ってレベルじゃないわよ!?」
「…先生、あとは任せていい?授業にも行かなきゃならないし…説明は放課後するから!」
「…分かったわ、授業は大事よね。手当ては任せて、行ってらっしゃい」
「ありがとう!」
(津奈…ごめんな、授業が終わったらすぐ来るから…!)
そう心で呟き、俺は教室へと戻った。
20分後…
「んっ…」
「あら、霧村さん気がついたのね!良かったわ」
「ここ…保健室…いっ!たた…」
「無理しちゃダメよ!木村くんがここに運んでくれたの」
「玲欧が…あ…私…」
「どうしてそんな怪我をしたの?」
「…か、階段から派手に転げ落ちちゃって…」
「…嘘よね?階段から落ちてそんな怪我にはならないわ」
「ご、ごめんなさい…」
「真実は話せないのかしら…」
「…先生、私のお願いを聞いてくれませんか…?」
「何?」
「今から言うことを他の先生には言わないで欲しいんです、大きなことにしたくないので…」
「…分かったわ」
全ての授業が終わり、俺は保健室へ向かった。
「津奈!」
「あら木村くん、待ってたわ」
「玲欧…」
「津奈…起きてて大丈夫なのか…?」
「うん…」
「無理すんな、寝てろ」
「…ありがとう」
「先生…」
「話は霧村さんから詳しく聞いたわ
月鏡さんがまさかね…」
「…うん、俺…許せなくて、大事な幼なじみにこんな仕打ちを…」
「分かるわ、大切な人が傷ついたら誰だって悲しいわよね、でも、やり返してはダメ」
「そんな!?アイツは津奈にこんな大怪我させたんだよ!?」
「暴力でやり返すのはダメよ!
この意味…分かる?」
「先生…!」
「…待って…仕返しは…どんな手であっても…私は…して欲しく…ない」
津奈が糸のような声で細々と喋る。
「で…でも…」
「…」
津奈はそれ以上話さなかった…。
なんで…あいつを責めないんだ…。
(もうすぐ昼休みが終わるから教室に戻ってればいいけど…)
そう思い、教室に戻ってみるが津奈の姿はなかった。
もう一度校舎内を探そうと教室を出ようとしたその時、誰かとぶつかってしまった。
「いったぁ…」
友だった。
「玲欧!」
「友…」
「ねぇ、津奈が!津奈が居ないの!一緒に学食に行って、席で待っててもらってたら急にいなくなってて…」
「…俺も探してる…」
「人形女が…」
「そうだよ…俺が、俺が悪いんだ…」
(でも、覚悟決めたから何としてもあれは覆すことは出来ない)
「玲欧のせいじゃないわ、落ち込む暇なんてない!津奈を探すわよ!」
(友の言う通りだ、落ち込んでる暇があったら津奈を急いで探さなければ…)
「私は旧3年棟見に行ってみる」
「俺は、旧校舎棟の方」
俺と友は手分けして残り時間ギリギリまで津奈を探し回った。
「津奈!津奈、いるか!?」
旧校舎棟の方へ走っていくと、旧校舎棟の外に誰かが横たわっているのが見えた。
(あそこに誰かいる…!津奈か…?)
俺は階段を降りて、外へ向かった。
「津奈!」
「…」
返事はなく、気を失っているようだ。
制服は汚れ、顔のあちこちにアザがあった。太ももにも蹴られた跡が残っている…。
恐らく、アリス先輩の仕業だろう…。
(こんなに…こんなになるまで、津奈を痛めつけていたのか…)
「津奈!しっかりしろ!津奈!!!」
「れ…お…」
「津奈!」
(とりあえず、津奈を保健室に…)
「あり…がと…」
「津奈…」
「来て…くれ…て」
「もう…喋るな…お前、こんなボロボロに…」
「うぅ…」
やられたところがあちこち痛むようで津奈は顔をしかめている。
(許せない…あの女…俺の…大事な幼なじみをこんな目にあわせやがって!)
俺は急いで津奈を抱えて、保健室に向かった。
保健室
「先生!津奈が!」
「あら、どうしたの?木村くん」
「津奈が…怪我して…」
「見せて、
…ちょっとやだ…これ怪我ってレベルじゃないわよ!?」
「…先生、あとは任せていい?授業にも行かなきゃならないし…説明は放課後するから!」
「…分かったわ、授業は大事よね。手当ては任せて、行ってらっしゃい」
「ありがとう!」
(津奈…ごめんな、授業が終わったらすぐ来るから…!)
そう心で呟き、俺は教室へと戻った。
20分後…
「んっ…」
「あら、霧村さん気がついたのね!良かったわ」
「ここ…保健室…いっ!たた…」
「無理しちゃダメよ!木村くんがここに運んでくれたの」
「玲欧が…あ…私…」
「どうしてそんな怪我をしたの?」
「…か、階段から派手に転げ落ちちゃって…」
「…嘘よね?階段から落ちてそんな怪我にはならないわ」
「ご、ごめんなさい…」
「真実は話せないのかしら…」
「…先生、私のお願いを聞いてくれませんか…?」
「何?」
「今から言うことを他の先生には言わないで欲しいんです、大きなことにしたくないので…」
「…分かったわ」
全ての授業が終わり、俺は保健室へ向かった。
「津奈!」
「あら木村くん、待ってたわ」
「玲欧…」
「津奈…起きてて大丈夫なのか…?」
「うん…」
「無理すんな、寝てろ」
「…ありがとう」
「先生…」
「話は霧村さんから詳しく聞いたわ
月鏡さんがまさかね…」
「…うん、俺…許せなくて、大事な幼なじみにこんな仕打ちを…」
「分かるわ、大切な人が傷ついたら誰だって悲しいわよね、でも、やり返してはダメ」
「そんな!?アイツは津奈にこんな大怪我させたんだよ!?」
「暴力でやり返すのはダメよ!
この意味…分かる?」
「先生…!」
「…待って…仕返しは…どんな手であっても…私は…して欲しく…ない」
津奈が糸のような声で細々と喋る。
「で…でも…」
「…」
津奈はそれ以上話さなかった…。
なんで…あいつを責めないんだ…。
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