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失う希望
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某日
私は午前の授業を終え、お昼を食べようとしていた。
今日は珍しく友と学食に行った。
「友、授業に…玲欧居なかったね、どうしたんだろ」
「そういえばそうね、屋上で昼寝してバックレてんのかしら」
「そうなのかな…」
(いくら屋上が好きでもこんなの初めてだ…授業に遅れそうになることはあってもサボることなんてないのに…)
「…」
「心配?」
「う…うん…玲欧も学食誘ったし…」
「大丈夫よ、きっとすぐ学食に来るわよ」
「そうだといいんだけど…」
私は何だか気がかりでソワソワした。
「津奈、メニュー何にする?」
「え…?えーっと…じゃあ…エビドリアセット」
「私は~…このモチもちハンバーグ定食にするわ!津奈の分も頼んどくし、席取って待ってて」
「うん、ありがとう」
私は友の荷物も持って、席へとついた。
(今日は混んでるなぁ~…)
ぼんやり食券販売機に並ぶ生徒たちを見ていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、」
「えっ…?」
「あなた、霧村津奈さんよね?」
「は…はい、そうですが…」
(月鏡アリス先輩だ…私に何の用だろう…)
「ちょっと来てくれない?話があるの」
「えっ…でも…私っ…」
「来てくれるわよね?」
私はアリス先輩に強引に腕を引っ張られ、連れていかれた。
(友のこと…待ってなきゃいけないのに…!)
「ちょ…!アリス先輩…私…友を…友だちを待ってなきゃいけないんです!」
「だから何?そんなの私に関係ないわ」
「あれー?津奈ったらどこに行ったのかしら、荷物放ったらかしで…」
私はアリス先輩に強引に旧校舎棟へと連れてこられた。
強引に引っ張ったかと思うと、壁にほいっと打ち付けられた。
「あなた、ちょっと調子に乗ってるんじゃない?」
「えっ…」
「玲欧の幼なじみだからって図に乗ってんじゃないわよ!いい?私は月鏡家の令嬢なのよ、私に相応しい相手が玲欧なの!あなたみたいな凡人が玲欧とつるむんじゃないわよ!」
アリス先輩は私を言葉で罵倒しながら、蹴りを入れたり、拳で殴ってきたりした。抗うすべもなく私はただただ暴力を受けるしか無かった…。
「玲欧もなんでこんなみすぼらしい子と一緒にいるのかしら、私が玲欧に相応しい相手なのに…どうしてこんな!」
アリス先輩の力は次第に強くなっていき、私の足や顔はアザだらけになった。
「身の程知らずの貧乏人が…もう二度と玲欧に近づかないで!」
そう言い捨ててアリス先輩はボロボロになった私を残し、行ってしまった…。
「れ…お…」
何も出来ない悔しさと悲しさ、情けなさでいっぱいになり、涙と共にぽつりと玲欧の名を呼んだ…。
「玲欧…れ、おっ…」
何度も…何度も玲欧の名を呟いた…。
呼んだって…呟いたって…私の元に来るはずはないのに…
拠り所を探し…呟いてしまう…。
私は午前の授業を終え、お昼を食べようとしていた。
今日は珍しく友と学食に行った。
「友、授業に…玲欧居なかったね、どうしたんだろ」
「そういえばそうね、屋上で昼寝してバックレてんのかしら」
「そうなのかな…」
(いくら屋上が好きでもこんなの初めてだ…授業に遅れそうになることはあってもサボることなんてないのに…)
「…」
「心配?」
「う…うん…玲欧も学食誘ったし…」
「大丈夫よ、きっとすぐ学食に来るわよ」
「そうだといいんだけど…」
私は何だか気がかりでソワソワした。
「津奈、メニュー何にする?」
「え…?えーっと…じゃあ…エビドリアセット」
「私は~…このモチもちハンバーグ定食にするわ!津奈の分も頼んどくし、席取って待ってて」
「うん、ありがとう」
私は友の荷物も持って、席へとついた。
(今日は混んでるなぁ~…)
ぼんやり食券販売機に並ぶ生徒たちを見ていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、」
「えっ…?」
「あなた、霧村津奈さんよね?」
「は…はい、そうですが…」
(月鏡アリス先輩だ…私に何の用だろう…)
「ちょっと来てくれない?話があるの」
「えっ…でも…私っ…」
「来てくれるわよね?」
私はアリス先輩に強引に腕を引っ張られ、連れていかれた。
(友のこと…待ってなきゃいけないのに…!)
「ちょ…!アリス先輩…私…友を…友だちを待ってなきゃいけないんです!」
「だから何?そんなの私に関係ないわ」
「あれー?津奈ったらどこに行ったのかしら、荷物放ったらかしで…」
私はアリス先輩に強引に旧校舎棟へと連れてこられた。
強引に引っ張ったかと思うと、壁にほいっと打ち付けられた。
「あなた、ちょっと調子に乗ってるんじゃない?」
「えっ…」
「玲欧の幼なじみだからって図に乗ってんじゃないわよ!いい?私は月鏡家の令嬢なのよ、私に相応しい相手が玲欧なの!あなたみたいな凡人が玲欧とつるむんじゃないわよ!」
アリス先輩は私を言葉で罵倒しながら、蹴りを入れたり、拳で殴ってきたりした。抗うすべもなく私はただただ暴力を受けるしか無かった…。
「玲欧もなんでこんなみすぼらしい子と一緒にいるのかしら、私が玲欧に相応しい相手なのに…どうしてこんな!」
アリス先輩の力は次第に強くなっていき、私の足や顔はアザだらけになった。
「身の程知らずの貧乏人が…もう二度と玲欧に近づかないで!」
そう言い捨ててアリス先輩はボロボロになった私を残し、行ってしまった…。
「れ…お…」
何も出来ない悔しさと悲しさ、情けなさでいっぱいになり、涙と共にぽつりと玲欧の名を呼んだ…。
「玲欧…れ、おっ…」
何度も…何度も玲欧の名を呟いた…。
呼んだって…呟いたって…私の元に来るはずはないのに…
拠り所を探し…呟いてしまう…。
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