Nice Love

MM

文字の大きさ
上 下
8 / 15

失う希望

しおりを挟む
某日 
私は午前の授業を終え、お昼を食べようとしていた。
今日は珍しく友と学食に行った。
「友、授業に…玲欧居なかったね、どうしたんだろ」
「そういえばそうね、屋上で昼寝してバックレてんのかしら」
「そうなのかな…」
(いくら屋上が好きでもこんなの初めてだ…授業に遅れそうになることはあってもサボることなんてないのに…)
「…」
「心配?」
「う…うん…玲欧も学食誘ったし…」
「大丈夫よ、きっとすぐ学食に来るわよ」
「そうだといいんだけど…」
私は何だか気がかりでソワソワした。
「津奈、メニュー何にする?」
「え…?えーっと…じゃあ…エビドリアセット」
「私は~…このモチもちハンバーグ定食にするわ!津奈の分も頼んどくし、席取って待ってて」
「うん、ありがとう」
私は友の荷物も持って、席へとついた。
(今日は混んでるなぁ~…)
ぼんやり食券販売機に並ぶ生徒たちを見ていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、」
「えっ…?」
「あなた、霧村津奈さんよね?」
「は…はい、そうですが…」
(月鏡アリス先輩だ…私に何の用だろう…)
「ちょっと来てくれない?話があるの」
「えっ…でも…私っ…」
「来てくれるわよね?」
私はアリス先輩に強引に腕を引っ張られ、連れていかれた。
(友のこと…待ってなきゃいけないのに…!)
「ちょ…!アリス先輩…私…友を…友だちを待ってなきゃいけないんです!」
「だから何?そんなの私に関係ないわ」

「あれー?津奈ったらどこに行ったのかしら、荷物放ったらかしで…」

私はアリス先輩に強引に旧校舎棟へと連れてこられた。
強引に引っ張ったかと思うと、壁にほいっと打ち付けられた。
「あなた、ちょっと調子に乗ってるんじゃない?」
「えっ…」
「玲欧の幼なじみだからって図に乗ってんじゃないわよ!いい?私は月鏡家の令嬢なのよ、私に相応しい相手が玲欧なの!あなたみたいな凡人が玲欧とつるむんじゃないわよ!」
アリス先輩は私を言葉で罵倒しながら、蹴りを入れたり、拳で殴ってきたりした。抗うすべもなく私はただただ暴力を受けるしか無かった…。
「玲欧もなんでこんなみすぼらしい子と一緒にいるのかしら、私が玲欧に相応しい相手なのに…どうしてこんな!」
アリス先輩の力は次第に強くなっていき、私の足や顔はアザだらけになった。
「身の程知らずの貧乏人が…もう二度と玲欧に近づかないで!」
そう言い捨ててアリス先輩はボロボロになった私を残し、行ってしまった…。
「れ…お…」
何も出来ない悔しさと悲しさ、情けなさでいっぱいになり、涙と共にぽつりと玲欧の名を呼んだ…。
「玲欧…れ、おっ…」
何度も…何度も玲欧の名を呟いた…。
呼んだって…呟いたって…私の元に来るはずはないのに…
拠り所を探し…呟いてしまう…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

処理中です...