Nice Love

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(玲欧視点)俺の願いは

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翌日
早速、俺はアリス先輩を校舎裏に呼び出した。
「何かしら?話って」
「…先輩」
「もーう、恋人同士なんだから先輩はやめて?アリスって呼んでよ」
「もう俺が先輩の名を呼ぶことはありません」
「…えっ」
アリス先輩は嬉しそうな表情から一変
無表情になった。
「俺、もうあなたの暴挙には付き合いきれません」
「…暴挙って、なんの事?身に覚えがないんだけど?」
「そうやってシラを切るのもいい加減にしてくださいね、俺だって怒るんですよ」
「…そう、で?あなたはどうしたい訳?」
「俺は…」
(自分で決めたことだ、決して友に流されてるわけじゃない。俺は…あいつを幸せにしたいんだ!)
「俺、アリス先輩とは別れたいんです」
「…どうなるか分かってて言ってるの?お父様に…」
「どうぞ、言いつけてくださって構いません」
「…なによ…何か策でもあるのかしら?」
「俺には俺のやり方、人生があります」
「そう?じゃあ私にも考えがあるわ?」
そう言ってアリス先輩はスマホを取り出した。
そして、誰かに電話をかけ始めた。
「あぁ、芹沢くん?お願いがあるのぉ~アリス今、校舎裏にいるからぁちょっと来てくれない?」
(芹沢って…あの芹沢道場の…!?)
アリス先輩は電話を切り、俺に不敵な笑みを見せる。
「あなたが反抗するなら私は2倍3倍あなたに反抗するってことをよく覚えておきなさい?」
「こんの…」
「きゃー!助けてぇー芹沢ぁー!」
アリス先輩が大声をあげるとどこからともなく、地響きのような足音が近づいてくる。
「おい…アリス嬢に何しやがる」
「べ、別に何も…」
「助けてぇ芹沢ぁ、玲欧ったらアリスに殴りかかろうとしたのよ?」
「な!そんなことしてねぇだろ!言いがかりつけてんじゃねぇ!」
「あらあらそんなこと言っていいの?芹沢ぁちょ~っとこの子を頼むわね?」
「うっす」
俺は芹沢先輩に羽交い締めにされ、アリス先輩はニヤニヤしながらどこかへ行ってしまった。

…なんだか嫌な予感がする…

「…アリス嬢は天下一のお方だ、お前みたいな雑魚がアリス嬢と付き合えることは幸運なんだ、なぜ抗うのだ」
「あの女が天下一?何ふざけたこと言ってんですか!俺はあの女に脅迫されて仕方なく付き合ってたんですよ!」
「アリス嬢がそんなことするはずない
俺の尊敬するお方をそんな風に侮辱するとは許せん…!!」
芹沢先輩は渾身の力を俺の体にかけてきた。
「いたたたたたたたたた!!!!」
「痛かろう…しかし、俺の心の方がお前の肉体の痛みより遥かに痛む。侮辱される側の気持ちを思い知るがいい!」
(この人本当に…高校生だよね…?)
三途の川が見える勢いで俺は芹沢先輩にロック技をかけられる。
「そ…それ柔道の技じゃないですよね…?先輩は空手家では…?」
「そんなの知ったことか、相手を屈服させるのに技法は関係ない、お前は俺の尊敬するお方を侮辱したんだ」
(それしか言わないじゃん…)

(頼む…!俺の大切な幼なじみたちには手を出さないで居てくれ…!)
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