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番外編
秘密の部屋と決意
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学生のうちにアインス様と結婚することになったのは
彼がこのままだとまた私が逃げていくからだということで
在学中に式をあげようとアインス様は躍起になった。
彼の両親である王様や王妃様もうちの両親もさすがに卒業後でいいのではないか
という言葉を無視して強硬手段に出た時は
さすがに肝を冷やしたけども。
それもそんな行動を起こさせたのが自分だと思うと居たたまれない。
でもやっぱり多少は嬉しかったりする。
いやすごく嬉しいです。
こんな自分が王妃になるなんて大丈夫だろうか。
そういう不安もあるけど彼の傍に入れるなら頑張ろうと思えた。
アインス様はまた私が逃げるのではと思っているみたいだけど
これからは何に対しても逃げたくないって思っている。
今までは色んなことに逃げてアインス様からも逃げようとした。
自分からも…。
本の世界だと思うと未来が怖くて。
でもあの日。
アインス様が震えながら私を抱き締めてくれた時
この人から逃げたらいけないと思った。
今更自分の大切な人を傷つけてしまったと後悔した。
あの時この世界は現実なんだとようやく気付いた。
ヒロインやストーリーに憑りつかれたみたいに
無理やり型にはめようとしていた。
本の中だと思い込んでいたからアインス様の気持ちに気づかず
彼を傷つけてしまった。
馬鹿だからそんな時になってようやく理解するなんて。
だからこれからは絶対に逃げたくない。
きっとこんな自分を見抜いて私を認めていない人はたくさんいると思う。
現に自分自身このままでは彼の傍にいる資格がないと思う。
だからこそしっかり地に足をつけて
彼からもこの世界からも自分からも逃げないって決めた。
学園の中庭で盛大に祝ってくれた皆やアインス様の前で決意したの。
何年かけてでも自分で自分を認められるように
***
「シェニーの部屋は今日からここだよ。」
式が終わって披露宴も終えた夜遅い時間に
アインス様と王城に帰ってきた。
今日から私は王城の居住区域で住むことになっている。
しかし案内された場所は以前から何回もお泊りさせてもらっていた部屋だった。
部屋を開けると寝台はなかったが
相変わらず可愛い家具や壁紙に包まれた部屋だった。
そして前にはなかった奥に扉が設置されていた。
思わず扉付近で立ち止まっていると
アインス様に肩を掴まれてソファまで連れていかれ座らされる。
そしてアインス様も肩に手を置いたまま私の隣に座る。
私付きの筆頭侍女に任命されたメアリーさんに
紅茶の用意を頼むとアインス様はこの部屋の説明をする
「この部屋は代々王太子妃が住まう部屋だ。」
「この部屋がですが?じゃあこの家具とかは今の王妃様のご趣味でしょうか?」
それにしてはつい最近のものに見えるけれども
だいたい4.5年くらいの年代の家具ばかりで
一番古いものでも10年もないくらいだと思う。
うちの家も頻繁に家具の入れ替えをするので
パッと見た感じで大体わかったりする。
しかも女性ものの家具はここ5年でようやく流通するようになったと
先日母がさっそく購入していたのを思い出す。
王族が住まう部屋の家具は公爵家でさえも手に入れることの難しい
高級家具なのだろうか?
「ああ。これは…その…。」
「アインス様がお小さいころからシェニー様のためにコツコツと
家具を新調していたんですよ。」
しどろもどろになるアインス様に変わり
紅茶を持ってきたメアリーさんが教えてくれる。
「小さいころから?」
私が聞き返すとアインス様はそっぽを向いてしまう。
彼の耳は真っ赤だった。
「ええ。最初はシェニー様と一緒に読んだご本から始まりました。
王様の視察についていかれる際はその都度小物など。家具も…「メアリー。」
驚きながらメアリーさんの話を聞いていると
少し冷静さを取り戻したアインス様が言葉を遮る。
しかし顔は未だに赤いままだった。
「後は自分で話すからもう下がって。」
「ふふ。そうですね。少し話過ぎました。ではまた湯あみの時に
お迎えに上がりますね」
クスクスと楽しそうにそして優しい笑顔でメアリーさんは一礼すると
部屋から出ていいた。
そして少しの静寂が部屋を包んだあと
横に座っていたアインス様がギュッと私を抱き締めると徐に話し出す。
「…シェニーと婚約が決まった時。嬉しくて母…王妃にこの部屋を譲ってもらったんだ。
将来シェニーの部屋になるからって。王家では代々王太子妃の部屋は王太子自らが
家具など誂え嫁いでくる王太子妃を出迎える。」
「部屋を譲り受けるのは通常結婚1年前くらいからだ。だけどどうしても嬉しくてさ。
子供のころに譲ってもらったんだ。」
少し恥ずかしそうに言うアインス様。
その瞳には昔のことを思い出して懐かしんでいるかのよう。
「小さかったしその頃はシェニーと一緒に読んだ絵本から置いていった。
それから色んなものを視察の時に見て回ってシェニーの好きそうなものを集めては
この部屋に飾っていった。5年前くらいに国一番の名匠に頼んで女性専用の家具を
作ってもらった。この机の脚部分とかあっちの棚の形とか…。」
そう言って家具に指をさしながら言う。
「名匠ってもしかしてあの人ですか?
女性専用家具を作り出した…。」
「ああ。彼だ。」
国一番の名匠は知っている。
その人はまさに先日母が購入した家具を作った人だ。
5年前に彼が女性専用家具を披露したとき
貴族の女性すべてが彼の家具を買い求めた。
これまで家具というのはどこか重々しく
どちらかといえば男性よりのものが多かった。
そんな中で彼が手掛けたデザインの家具は
今までの重々しさをなくし明るい色味と可愛らしいデザインで
数多くの貴族女性を虜にしたのだ。
こぞって彼の家具を求めるものだから
元々名匠と呼ばれるほどの腕を持つ彼が
以前から手掛けている家具の注文もあり
生産が追い付かず5年かけてようやく普及してきたのだ。
それがまさか王太子であるアインス様が発案者だったなんて。
驚きについ目を瞠って、アインス様をジッと見つめてしまう。
「俺は婚約をした時からずっとシェニーがこの部屋に住むのを夢見て
今日まで来たんだ。…さすがに引いたか?」
話し終えるとすこし不安そうにこちらを見つめてくる。
確かにまさかこの部屋が世の女性を虜にした家具の原点だと
思うとすごく驚いたし
アインス様が小さいころから私を迎える準備をしていてくれていたなんて
思いもよらなかったけども。
抱き締める彼の胸に顔をくっつけながら答える。
「いいえ。全然引きませんわ。あなたが私のためにしてくれたと思うと
嬉しすぎてとっても幸せです。」
こんなに私のことを想っていてくれてたなんて
知らなかった。
この部屋の一つ一つのものが
自分を思って選んでくれたものだって思うと
彼に包まれている気持ちになる。
不思議と気持ち悪いなんて思わなかった。
純粋に嬉しかった。
「よかった。さすがにここまでいくと気持ち悪いなって自分でも思っていたから。
さあシェニー立って。もう一つの部屋を紹介する。」
そう言って先に立った後私の右手を掴んで立たせた後
手をつないで以前になかった扉のほうに向かう。
扉を開けると天蓋付きの大人3,4人が寝れるほどの
大きな寝台が部屋の真ん中に鎮座してあり
壁際に鏡台とランプだけがある寝室だった。
そしてさらに奥にもう一つ扉があった。
「ここは二人の寝室だよ。奥の部屋が俺の部屋になる。結婚したから
自分の部屋を移してもらった。せっかくだから寝室は一緒にしたいと思ったから。」
だからあっちの部屋に置いてあった寝台がなくなっていたのかと理解する。
「シェニー。今日から一緒だ。」
そっと屈むとアインス様は私の耳元で囁く。
ドキッとして彼を見やると
ニヤニヤと意地悪い笑みを向けたアインス様と目が合う。
「今日、結婚した日だしな。」
急激に顔が火照っていき
彼が何をしようとしているのか察してしまう。
口をハクハクするも言葉が出てこない。
「明日は昼までゆっくりできるそうだぞ。」
ポンと肩に手を置かれてにいっと上から
私を見下げる彼に私の羞恥は頂点に達した。
前言撤回したい。
やっぱり私は今すぐここから
逃げ…
「シェニーもう逃げるのは無しだからな?」
「うう…。」
ぎゅっとこぶしを握って
彼を睨むも余裕な笑みで返された後
チュッと私の額にキスを落とした。
○○○○○
少しだけ番外編書いていきます!
彼がこのままだとまた私が逃げていくからだということで
在学中に式をあげようとアインス様は躍起になった。
彼の両親である王様や王妃様もうちの両親もさすがに卒業後でいいのではないか
という言葉を無視して強硬手段に出た時は
さすがに肝を冷やしたけども。
それもそんな行動を起こさせたのが自分だと思うと居たたまれない。
でもやっぱり多少は嬉しかったりする。
いやすごく嬉しいです。
こんな自分が王妃になるなんて大丈夫だろうか。
そういう不安もあるけど彼の傍に入れるなら頑張ろうと思えた。
アインス様はまた私が逃げるのではと思っているみたいだけど
これからは何に対しても逃げたくないって思っている。
今までは色んなことに逃げてアインス様からも逃げようとした。
自分からも…。
本の世界だと思うと未来が怖くて。
でもあの日。
アインス様が震えながら私を抱き締めてくれた時
この人から逃げたらいけないと思った。
今更自分の大切な人を傷つけてしまったと後悔した。
あの時この世界は現実なんだとようやく気付いた。
ヒロインやストーリーに憑りつかれたみたいに
無理やり型にはめようとしていた。
本の中だと思い込んでいたからアインス様の気持ちに気づかず
彼を傷つけてしまった。
馬鹿だからそんな時になってようやく理解するなんて。
だからこれからは絶対に逃げたくない。
きっとこんな自分を見抜いて私を認めていない人はたくさんいると思う。
現に自分自身このままでは彼の傍にいる資格がないと思う。
だからこそしっかり地に足をつけて
彼からもこの世界からも自分からも逃げないって決めた。
学園の中庭で盛大に祝ってくれた皆やアインス様の前で決意したの。
何年かけてでも自分で自分を認められるように
***
「シェニーの部屋は今日からここだよ。」
式が終わって披露宴も終えた夜遅い時間に
アインス様と王城に帰ってきた。
今日から私は王城の居住区域で住むことになっている。
しかし案内された場所は以前から何回もお泊りさせてもらっていた部屋だった。
部屋を開けると寝台はなかったが
相変わらず可愛い家具や壁紙に包まれた部屋だった。
そして前にはなかった奥に扉が設置されていた。
思わず扉付近で立ち止まっていると
アインス様に肩を掴まれてソファまで連れていかれ座らされる。
そしてアインス様も肩に手を置いたまま私の隣に座る。
私付きの筆頭侍女に任命されたメアリーさんに
紅茶の用意を頼むとアインス様はこの部屋の説明をする
「この部屋は代々王太子妃が住まう部屋だ。」
「この部屋がですが?じゃあこの家具とかは今の王妃様のご趣味でしょうか?」
それにしてはつい最近のものに見えるけれども
だいたい4.5年くらいの年代の家具ばかりで
一番古いものでも10年もないくらいだと思う。
うちの家も頻繁に家具の入れ替えをするので
パッと見た感じで大体わかったりする。
しかも女性ものの家具はここ5年でようやく流通するようになったと
先日母がさっそく購入していたのを思い出す。
王族が住まう部屋の家具は公爵家でさえも手に入れることの難しい
高級家具なのだろうか?
「ああ。これは…その…。」
「アインス様がお小さいころからシェニー様のためにコツコツと
家具を新調していたんですよ。」
しどろもどろになるアインス様に変わり
紅茶を持ってきたメアリーさんが教えてくれる。
「小さいころから?」
私が聞き返すとアインス様はそっぽを向いてしまう。
彼の耳は真っ赤だった。
「ええ。最初はシェニー様と一緒に読んだご本から始まりました。
王様の視察についていかれる際はその都度小物など。家具も…「メアリー。」
驚きながらメアリーさんの話を聞いていると
少し冷静さを取り戻したアインス様が言葉を遮る。
しかし顔は未だに赤いままだった。
「後は自分で話すからもう下がって。」
「ふふ。そうですね。少し話過ぎました。ではまた湯あみの時に
お迎えに上がりますね」
クスクスと楽しそうにそして優しい笑顔でメアリーさんは一礼すると
部屋から出ていいた。
そして少しの静寂が部屋を包んだあと
横に座っていたアインス様がギュッと私を抱き締めると徐に話し出す。
「…シェニーと婚約が決まった時。嬉しくて母…王妃にこの部屋を譲ってもらったんだ。
将来シェニーの部屋になるからって。王家では代々王太子妃の部屋は王太子自らが
家具など誂え嫁いでくる王太子妃を出迎える。」
「部屋を譲り受けるのは通常結婚1年前くらいからだ。だけどどうしても嬉しくてさ。
子供のころに譲ってもらったんだ。」
少し恥ずかしそうに言うアインス様。
その瞳には昔のことを思い出して懐かしんでいるかのよう。
「小さかったしその頃はシェニーと一緒に読んだ絵本から置いていった。
それから色んなものを視察の時に見て回ってシェニーの好きそうなものを集めては
この部屋に飾っていった。5年前くらいに国一番の名匠に頼んで女性専用の家具を
作ってもらった。この机の脚部分とかあっちの棚の形とか…。」
そう言って家具に指をさしながら言う。
「名匠ってもしかしてあの人ですか?
女性専用家具を作り出した…。」
「ああ。彼だ。」
国一番の名匠は知っている。
その人はまさに先日母が購入した家具を作った人だ。
5年前に彼が女性専用家具を披露したとき
貴族の女性すべてが彼の家具を買い求めた。
これまで家具というのはどこか重々しく
どちらかといえば男性よりのものが多かった。
そんな中で彼が手掛けたデザインの家具は
今までの重々しさをなくし明るい色味と可愛らしいデザインで
数多くの貴族女性を虜にしたのだ。
こぞって彼の家具を求めるものだから
元々名匠と呼ばれるほどの腕を持つ彼が
以前から手掛けている家具の注文もあり
生産が追い付かず5年かけてようやく普及してきたのだ。
それがまさか王太子であるアインス様が発案者だったなんて。
驚きについ目を瞠って、アインス様をジッと見つめてしまう。
「俺は婚約をした時からずっとシェニーがこの部屋に住むのを夢見て
今日まで来たんだ。…さすがに引いたか?」
話し終えるとすこし不安そうにこちらを見つめてくる。
確かにまさかこの部屋が世の女性を虜にした家具の原点だと
思うとすごく驚いたし
アインス様が小さいころから私を迎える準備をしていてくれていたなんて
思いもよらなかったけども。
抱き締める彼の胸に顔をくっつけながら答える。
「いいえ。全然引きませんわ。あなたが私のためにしてくれたと思うと
嬉しすぎてとっても幸せです。」
こんなに私のことを想っていてくれてたなんて
知らなかった。
この部屋の一つ一つのものが
自分を思って選んでくれたものだって思うと
彼に包まれている気持ちになる。
不思議と気持ち悪いなんて思わなかった。
純粋に嬉しかった。
「よかった。さすがにここまでいくと気持ち悪いなって自分でも思っていたから。
さあシェニー立って。もう一つの部屋を紹介する。」
そう言って先に立った後私の右手を掴んで立たせた後
手をつないで以前になかった扉のほうに向かう。
扉を開けると天蓋付きの大人3,4人が寝れるほどの
大きな寝台が部屋の真ん中に鎮座してあり
壁際に鏡台とランプだけがある寝室だった。
そしてさらに奥にもう一つ扉があった。
「ここは二人の寝室だよ。奥の部屋が俺の部屋になる。結婚したから
自分の部屋を移してもらった。せっかくだから寝室は一緒にしたいと思ったから。」
だからあっちの部屋に置いてあった寝台がなくなっていたのかと理解する。
「シェニー。今日から一緒だ。」
そっと屈むとアインス様は私の耳元で囁く。
ドキッとして彼を見やると
ニヤニヤと意地悪い笑みを向けたアインス様と目が合う。
「今日、結婚した日だしな。」
急激に顔が火照っていき
彼が何をしようとしているのか察してしまう。
口をハクハクするも言葉が出てこない。
「明日は昼までゆっくりできるそうだぞ。」
ポンと肩に手を置かれてにいっと上から
私を見下げる彼に私の羞恥は頂点に達した。
前言撤回したい。
やっぱり私は今すぐここから
逃げ…
「シェニーもう逃げるのは無しだからな?」
「うう…。」
ぎゅっとこぶしを握って
彼を睨むも余裕な笑みで返された後
チュッと私の額にキスを落とした。
○○○○○
少しだけ番外編書いていきます!
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❄︎
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