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第十章 うさぎ、心にウソをつく
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翌日の放課後、生徒会室の前でウロウロとしていた。
いつもならば。
『失礼します、今日も好きです、会長!』
とドアを開けていたのに、なんだか気まずい。
昨日の吉居先輩の一件もあるけれど、それ以上になっちゃん先輩への会長の気持ちを知った今、私の『好き』は邪魔な気がしていて。
いや、今までだって邪魔だったかもしれないけれど。
そんなこと考えることもなく、自然に口から『好き』があふれ出してた。
だけど……。
『俺の友達第一号は、生徒会長です。だから、親友になりたいです』
涙声だったという会長の声を思い浮かべてしまったら――。
なっちゃん先輩が差し伸べてくれた手が、今の会長を形作ったのだとしたならば、私が入り込む余地なんかミリ単位でない。
生徒会室のドアに額をくっつけて、大きなため息をついていたら。
「邪魔なんだが」
え? 振り向いたら、会長が立っていた。
生徒会室の中にいるはずの会長が、不機嫌そうな顔で私の後ろに立っている。
「お、おは、じゃなくて。こ、こ、こ、こ、こんにちは!」
「おまえはニワトリか」
ドアの前を退いた私をあわれむような顔をした会長が横目で見る。
生徒会室に入るその後に私も続いた。
いつものように会長席に座り、ノートパソコンを開く。私もいつものように、その隣に丸椅子に腰かけ並ぶ。
「今日は五通か」
週の終りとしては少ない方だと思う。
いつもならば。
『失礼します、今日も好きです、会長!』
とドアを開けていたのに、なんだか気まずい。
昨日の吉居先輩の一件もあるけれど、それ以上になっちゃん先輩への会長の気持ちを知った今、私の『好き』は邪魔な気がしていて。
いや、今までだって邪魔だったかもしれないけれど。
そんなこと考えることもなく、自然に口から『好き』があふれ出してた。
だけど……。
『俺の友達第一号は、生徒会長です。だから、親友になりたいです』
涙声だったという会長の声を思い浮かべてしまったら――。
なっちゃん先輩が差し伸べてくれた手が、今の会長を形作ったのだとしたならば、私が入り込む余地なんかミリ単位でない。
生徒会室のドアに額をくっつけて、大きなため息をついていたら。
「邪魔なんだが」
え? 振り向いたら、会長が立っていた。
生徒会室の中にいるはずの会長が、不機嫌そうな顔で私の後ろに立っている。
「お、おは、じゃなくて。こ、こ、こ、こ、こんにちは!」
「おまえはニワトリか」
ドアの前を退いた私をあわれむような顔をした会長が横目で見る。
生徒会室に入るその後に私も続いた。
いつものように会長席に座り、ノートパソコンを開く。私もいつものように、その隣に丸椅子に腰かけ並ぶ。
「今日は五通か」
週の終りとしては少ない方だと思う。
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