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第6章 街コンカップリングパーティ
大成功のパーティー
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初回の街コンカップリングパーティは大成功に終わった。
今回ダメだった人たちも、何人かカップリングされたのを見て、次こそは自分が……!
という気持ちになってくれたようだ。早速、次はいつ開催か聞いてくる人もいた。
振られたもの同士で集まって2次会をしに行く人たちもいたし、ダメでも友達を増やすにはいい機会になったのだろう。
カフェの入り口では、カップリングした女性と次会う約束を取り付けているケビンの姿が。
照れながらも楽しそうに女性と話している彼を見て、ガッツポーズをとるアリサ。
「いやあ、残念でした。でも良い経験になりました」
気がつけば横にクレイが立っていて、頭を掻きながら恥ずかしそうに言ってきた。
全力を出し切ったのだから悔いはない、というように、いっそ晴々しい気持ちで、カフェの外にいる女性4番と男性9番の姿を見つめている。
「惜しかったですね。
本当は秘密なのですが、実はクレイさんの第一希望の女性は、クレイさんを第二希望にしてたんです……」
運営が参加者に内情をバラすのは前世では絶対禁止だったが、個人指導までしたクレイには少し教えてしまった。
「そうだったのですか」
「ええ。そして、第一希望の男性と両思いでしたので、その二人でカップリングとなりました」
順位が高い順に、選び合っていた方が優先される。
「なるほど……」
本当に惜しかったのだな、とクレイが悔しそうに口を歪める。
「でもでも、彼女はかなり人気な方でした。
そんな方の第二希望に選ばれたのだから自信を持ってください!
恋愛スイッチを入れて、褒めて共感していたの、すごくよかったです!」
相席居酒屋で、酔って仕事の愚痴を言っていたクレイとは比べ物にならないほどの成長に、アリサは驚いた。
「そう言っていただけるとありがたいです」
「本心です。次こそ成婚できるはずですよ!」
アリサの励ましの言葉に、クレイは栗色の髪をなびかせ、垂れ目がちな目を細めて笑った。
(ちょっと不器用なだけで、こんな真面目で優しい人が、幸せになれないはずがない!)
そう心で思い、頷くアリサ。
「やれやれ、ご苦労だったなクレイ」
店から客が去ってから、ようやくルビオは立ち上がり、アリサとクレイが話しているそばに寄ってきた。
彼も、カップリング組に呼ばれていないので、結果が出せなかったということだが。
フリータイムでは、ルビオと話したいという女性が三人以上いたので、話せる人数枠の奪い合いになるほど人気だった彼だが。
たまたま選んだ女性が、ルビオ以外男性を選んだのだろうか。
今回ダメだった人たちも、何人かカップリングされたのを見て、次こそは自分が……!
という気持ちになってくれたようだ。早速、次はいつ開催か聞いてくる人もいた。
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カフェの入り口では、カップリングした女性と次会う約束を取り付けているケビンの姿が。
照れながらも楽しそうに女性と話している彼を見て、ガッツポーズをとるアリサ。
「いやあ、残念でした。でも良い経験になりました」
気がつけば横にクレイが立っていて、頭を掻きながら恥ずかしそうに言ってきた。
全力を出し切ったのだから悔いはない、というように、いっそ晴々しい気持ちで、カフェの外にいる女性4番と男性9番の姿を見つめている。
「惜しかったですね。
本当は秘密なのですが、実はクレイさんの第一希望の女性は、クレイさんを第二希望にしてたんです……」
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「そうだったのですか」
「ええ。そして、第一希望の男性と両思いでしたので、その二人でカップリングとなりました」
順位が高い順に、選び合っていた方が優先される。
「なるほど……」
本当に惜しかったのだな、とクレイが悔しそうに口を歪める。
「でもでも、彼女はかなり人気な方でした。
そんな方の第二希望に選ばれたのだから自信を持ってください!
恋愛スイッチを入れて、褒めて共感していたの、すごくよかったです!」
相席居酒屋で、酔って仕事の愚痴を言っていたクレイとは比べ物にならないほどの成長に、アリサは驚いた。
「そう言っていただけるとありがたいです」
「本心です。次こそ成婚できるはずですよ!」
アリサの励ましの言葉に、クレイは栗色の髪をなびかせ、垂れ目がちな目を細めて笑った。
(ちょっと不器用なだけで、こんな真面目で優しい人が、幸せになれないはずがない!)
そう心で思い、頷くアリサ。
「やれやれ、ご苦労だったなクレイ」
店から客が去ってから、ようやくルビオは立ち上がり、アリサとクレイが話しているそばに寄ってきた。
彼も、カップリング組に呼ばれていないので、結果が出せなかったということだが。
フリータイムでは、ルビオと話したいという女性が三人以上いたので、話せる人数枠の奪い合いになるほど人気だった彼だが。
たまたま選んだ女性が、ルビオ以外男性を選んだのだろうか。
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