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学園5
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「うぇん………………辞めてよサミュエルそんなに優しくされたら涙が止まらないでしょ……
人前で無くのなんて、初めてよ……
もう…うううう……内緒だからね。いわないでよぉ…………もう泣き止め私! 私は強いから大丈夫よ!
サミュエル、私決めた。お父様に婚約破棄してもらうから!そして、私も好きな人探す!」
キャサリンが、先程の私みたいに両腕を上げて空に向かって宣言している。さっきの私も、こんな感じに見えたのか……もう人前ではしない方が良いと反省した。
「ではキャサリン、私と一緒に好きな人探し隊を結成しようではないか! お互いに良さそうな感じの相手見つけたら、協力しあおう! どうだ? 一人より二人だ」
「好きな人探し隊ねぇ……ネーミングセンスは置いといて、なんだが楽しそう。サミュエルと二人なら良い人探せそうだわ」
「だろう! お互い運命の相手を見つけて幸せになろうではないか!」
私とキャサリンはニコリと笑い合い、お互いに決意を固め頷きながら握手をした。
「ねえ、剣術なら私が相手になろうか? さっき騎士に頼むって言ってなかった?私で良かったら相手するよ」
走り込む準備をしていた私にキャサリンが問いかけてきた……が、キャサリンの剣の腕前は、直に見たことがないので良く判らないが、周りの奴らの言う事からは、かなりの腕前だとは聞いている。
「私は未だ筋力がない……多分お前とは無理だ」
「大丈夫だって!素振りだけだといつまで経っても、筋力つかないし感覚も養えないよ。大丈夫、大丈夫! 私に任せなさいよ。サミュエルの綺麗な顔に傷つけないから安心して」
「私は綺麗なのか?」
「サミュエルは痩せたら綺麗でしょ!」
初めて綺麗等言われたが、悪くない……以前の私は幼いながらも男らしい身体だったので、精悍だの凛々しいだの強靭な身体つきをしていると皆に言われていたから、反対の綺麗と言われるとそれはそれで嬉しいな。
よし!もっともっと痩せて綺麗な男を目指すのも良いかもしれんな。私は目標を決めると達成させないと気持ち悪くなるんだ。スッキリする気分になるまで痩せてやるぞ!
「キャサリン、剣の稽古をしよう! 相手になってはくれまいか」
「良いわよ! 私も久しぶりに剣で汗を流したかったのよ。ビシビシ行くからね」
「宜しく頼む」
それから二時間私達は剣を合わせた。やはり、サミュエルの身体は力も無いし筋肉も無いから、圧倒的にキャサリンの方に分配は上がる。
しかし、私も第二王子として長年稽古をしてきたので、ある程度の実力を持っていると自負しているから、そう簡単にはやられたくは無い。実力を補うセンスでどうにか切り抜け続けている。
「終了ーーーー! 休憩しましょう! サミュエル、あんた本当に剣使った事ないの? 力は無いけど、何だろう使い慣れている感があると言うか……素人ではない剣捌き。不思議だわ」
目の前で汗を拭きながら頭を傾げているキャサリンは、やはり強かった。女のくせに基礎が備わってるから力は多少弱くとも強い。5歳の頃からやっていたと言っていたからだな。
「サミュエルも水飲まないと汗かいたんだから、新陳代謝をきちんとしないと痩せないわよ。それにしても本当にサミュエルって変わったわね。
ねえ、お願いがあるんだけど良いかな? 時々で良いから、剣術の相手になってくれない?
私ね昔は嫌々やってたんだけど、剣を振り回すの嫌いじゃあないのよ。でも……女の子は普通誰もやらないし、師匠以外は誰も相手にしてくれないの。駄目かな?」
うっ……何だ……首を傾げてのお願いなんてされると、可愛く見えてしまう。サミュエルになってから、キャサリンの別人振りに私は振り回されているな。しっかりしろよ! 私は王子だったんだぞ。惑わされるな。
「私も相手が欲しいから剣術の稽古してくれると嬉しい……でも、お前程の腕前なら騎士団でも行けば良いではないか?何故行かん?」
「だからね、女だからよ。女は大人しくしとけって言われるの」
「あ………………」
「でしょ! サミュエルも、思ってる?」
「嫌……前なら思ったかも知れないが、今なら理解できる。何事も男や女などと隔ててはならないのだな。反省した」
私は間違っている事は、素直に反省できる王子だからな。反省をきちんとして、次に生かせるのだ。私は凄い!!
「ふぅーーんっ 頑張ってんじゃん王子さま。思ってたより面白くなってきたなぁ! おっ隠れてんのバレるかも! あの子は気配に聡いな気をつけよっと」
人前で無くのなんて、初めてよ……
もう…うううう……内緒だからね。いわないでよぉ…………もう泣き止め私! 私は強いから大丈夫よ!
サミュエル、私決めた。お父様に婚約破棄してもらうから!そして、私も好きな人探す!」
キャサリンが、先程の私みたいに両腕を上げて空に向かって宣言している。さっきの私も、こんな感じに見えたのか……もう人前ではしない方が良いと反省した。
「ではキャサリン、私と一緒に好きな人探し隊を結成しようではないか! お互いに良さそうな感じの相手見つけたら、協力しあおう! どうだ? 一人より二人だ」
「好きな人探し隊ねぇ……ネーミングセンスは置いといて、なんだが楽しそう。サミュエルと二人なら良い人探せそうだわ」
「だろう! お互い運命の相手を見つけて幸せになろうではないか!」
私とキャサリンはニコリと笑い合い、お互いに決意を固め頷きながら握手をした。
「ねえ、剣術なら私が相手になろうか? さっき騎士に頼むって言ってなかった?私で良かったら相手するよ」
走り込む準備をしていた私にキャサリンが問いかけてきた……が、キャサリンの剣の腕前は、直に見たことがないので良く判らないが、周りの奴らの言う事からは、かなりの腕前だとは聞いている。
「私は未だ筋力がない……多分お前とは無理だ」
「大丈夫だって!素振りだけだといつまで経っても、筋力つかないし感覚も養えないよ。大丈夫、大丈夫! 私に任せなさいよ。サミュエルの綺麗な顔に傷つけないから安心して」
「私は綺麗なのか?」
「サミュエルは痩せたら綺麗でしょ!」
初めて綺麗等言われたが、悪くない……以前の私は幼いながらも男らしい身体だったので、精悍だの凛々しいだの強靭な身体つきをしていると皆に言われていたから、反対の綺麗と言われるとそれはそれで嬉しいな。
よし!もっともっと痩せて綺麗な男を目指すのも良いかもしれんな。私は目標を決めると達成させないと気持ち悪くなるんだ。スッキリする気分になるまで痩せてやるぞ!
「キャサリン、剣の稽古をしよう! 相手になってはくれまいか」
「良いわよ! 私も久しぶりに剣で汗を流したかったのよ。ビシビシ行くからね」
「宜しく頼む」
それから二時間私達は剣を合わせた。やはり、サミュエルの身体は力も無いし筋肉も無いから、圧倒的にキャサリンの方に分配は上がる。
しかし、私も第二王子として長年稽古をしてきたので、ある程度の実力を持っていると自負しているから、そう簡単にはやられたくは無い。実力を補うセンスでどうにか切り抜け続けている。
「終了ーーーー! 休憩しましょう! サミュエル、あんた本当に剣使った事ないの? 力は無いけど、何だろう使い慣れている感があると言うか……素人ではない剣捌き。不思議だわ」
目の前で汗を拭きながら頭を傾げているキャサリンは、やはり強かった。女のくせに基礎が備わってるから力は多少弱くとも強い。5歳の頃からやっていたと言っていたからだな。
「サミュエルも水飲まないと汗かいたんだから、新陳代謝をきちんとしないと痩せないわよ。それにしても本当にサミュエルって変わったわね。
ねえ、お願いがあるんだけど良いかな? 時々で良いから、剣術の相手になってくれない?
私ね昔は嫌々やってたんだけど、剣を振り回すの嫌いじゃあないのよ。でも……女の子は普通誰もやらないし、師匠以外は誰も相手にしてくれないの。駄目かな?」
うっ……何だ……首を傾げてのお願いなんてされると、可愛く見えてしまう。サミュエルになってから、キャサリンの別人振りに私は振り回されているな。しっかりしろよ! 私は王子だったんだぞ。惑わされるな。
「私も相手が欲しいから剣術の稽古してくれると嬉しい……でも、お前程の腕前なら騎士団でも行けば良いではないか?何故行かん?」
「だからね、女だからよ。女は大人しくしとけって言われるの」
「あ………………」
「でしょ! サミュエルも、思ってる?」
「嫌……前なら思ったかも知れないが、今なら理解できる。何事も男や女などと隔ててはならないのだな。反省した」
私は間違っている事は、素直に反省できる王子だからな。反省をきちんとして、次に生かせるのだ。私は凄い!!
「ふぅーーんっ 頑張ってんじゃん王子さま。思ってたより面白くなってきたなぁ! おっ隠れてんのバレるかも! あの子は気配に聡いな気をつけよっと」
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