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魔法が使える娘 (マシェリー)
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サンタフェリカ学園に入学してから、1年が経ちました。
今日は新学期!
2年生になった初日ですのよ。先程メアリーに手伝って貰い、薄い黄色のブラウスとブルーのサロペットワンピースで合わせて貰いましたの。組み合わせで雰囲気が結構変わるので、楽しいですわ。
この1年、お父様お母様フェンリーと離れて暮らし、淋しい時もありましたがメアリー、エマ、エドウィン様、レオナルド様やクラスメイト達のおかげでどうにか乗り切れましたの。勿論! 夏休暇や冬休暇等、大きなお休みはお屋敷に帰っておりましたわよ。
わたくしも今日から2年生ですので、遅刻は避けたいのですが、何故かエマが迎えに来てくれるはずなのに、寮の部屋で待っても来ないのです……おかしいですわね。
「ごめんごめん、ちょっと遅くなった!」
エマが息を切らせながら駆け込んできましたわ。
「仕方ないですわね。さぁ学園へ急ぎましょう!」
2人少し早足で歩いて行きながら。
「ねぇ マシェリー聞いて聞いて! レオナルド様が5年生に進級で、今日の新学期から生徒会長でしょ。副会長がパトリック・カロナイナ様で、グリーンの髪で濃い茶色の瞳の落ち着いた方でね。素敵なのよ! お父様は王宮内で魔法学の専門部所の所長をされてる方でさ、後の書紀.会計は、レオナルド様の腰巾着のルイス様とヘンリー様なのが、気に入らないけどね。
補佐の方は、4年生の優秀な方を数名リストアップされて選ばれてるんだけど、これが今年度の生徒会メンバーなんだけどね。そのメンバー 数人が、今朝からヤバイ事になってんだけど! ちょーっと時間もヤバイから教室でね!」
遅刻しそうなので、もう少し速度を上げて走りましたが……後からあんな話を聞くことになるなんて……思ってもいませんでしたわ。
どうにか教師が来る前に、教室に着きましたわ。エマとエドウィン様共、同じクラスでとても嬉しいです。今も、わたくしの机にもたれ掛かり、小声で話していますもの。
「ねぇねぇさっきの続きね! 今年の1年の中で、魔法が使える娘が居るらしいわよ。なんでも平民で、母親と二人暮しで細々と暮らしてたんだけど、魔法を使って周りの人々を助けてたんだって、そしたら聖女様って噂になってね。
有名になってわかった事が、その娘ファーマン男爵が昔、使用人に産ませた後、行方不明になってた母娘だったんだって。直ぐに引き取って魔法が使えるって、大々的に言いふらしているみたいよ。魔法が使えるのは本当みたいで、今さっきもレオナルド様の前で切り傷を治してみせてたわ。まぁそれだけなら良いんだけど、何気にベタベタベタベタ触るのよね。別に勝手にすればって感じなんだけど、あの娘って男限定で甘えまくってんのよ。観ていてあまり良い気分じゃないわね。
私、あーゆうタイプ苦手なんだよね。えっ!?………どうしたのマシェリー顔色悪いわよ?真っ青なんだけど大丈夫? じゃないよね! 先生には言っとくから保健室か部屋に行こう!」
「エマ…………わたくし……部屋に戻っていますわ……」
必死で笑顔を作りましたが、全身がいきなり不調をきたしたのを、知らないふりをしてどうにか部屋迄と頑張って帰ろうとしていると。
「おい、俺が部屋まで連れていくから背中に乗れ。お前歩けないだろ、お姫様抱っこが良いか?」
エドウィン様が声を掛けて下さいました。助かりました。自分でも歩ける自信が無かったので。
「背中でよろしくお願いします」
「エドウィン様、マシェリーの事よろしくね。私も後で行くから!」
廊下に出るとわたくしを、背負っているエドウィン様は、皆様の注目の的でしたが、わたくしはその時そんな余裕もなく、ただただ恐怖で身体か震えるのを止めるのでいっぱいいっぱいでした。
「おい、何があった?ただの体調不良ではないだろう」
「……………………………………………………………………………」
「まぁいい、もし何か言いたい事や相談があるならいつでも言え」
わたくしは返事もできず、ただただエドウィン様の背中に顔を隠して居ました。微かに、ドアを開ける音と、安心する居心地の良い匂いがフワッとわたくしを包み込みました。
「マシェリー様! どうされたのですか!? とにかく中へ、エドウィン様ベッド迄お願いします!」
わたくしをベッドに座らせ、メアリーが寝かせてくれましたが、わたくしは人形の様に皆様の声に反応するだけしかできません。とにかく震えが治りません……
「……じゃあ俺は帰る。マシェリーさっき言ったこと忘れるんじゃないぞ」
,,パタン,,
「お嬢様……」
「メアリーごめんなさい。1人にしておいて……」
「わかりました。お嬢様」
………………どうしましょう………
今日は新学期!
2年生になった初日ですのよ。先程メアリーに手伝って貰い、薄い黄色のブラウスとブルーのサロペットワンピースで合わせて貰いましたの。組み合わせで雰囲気が結構変わるので、楽しいですわ。
この1年、お父様お母様フェンリーと離れて暮らし、淋しい時もありましたがメアリー、エマ、エドウィン様、レオナルド様やクラスメイト達のおかげでどうにか乗り切れましたの。勿論! 夏休暇や冬休暇等、大きなお休みはお屋敷に帰っておりましたわよ。
わたくしも今日から2年生ですので、遅刻は避けたいのですが、何故かエマが迎えに来てくれるはずなのに、寮の部屋で待っても来ないのです……おかしいですわね。
「ごめんごめん、ちょっと遅くなった!」
エマが息を切らせながら駆け込んできましたわ。
「仕方ないですわね。さぁ学園へ急ぎましょう!」
2人少し早足で歩いて行きながら。
「ねぇ マシェリー聞いて聞いて! レオナルド様が5年生に進級で、今日の新学期から生徒会長でしょ。副会長がパトリック・カロナイナ様で、グリーンの髪で濃い茶色の瞳の落ち着いた方でね。素敵なのよ! お父様は王宮内で魔法学の専門部所の所長をされてる方でさ、後の書紀.会計は、レオナルド様の腰巾着のルイス様とヘンリー様なのが、気に入らないけどね。
補佐の方は、4年生の優秀な方を数名リストアップされて選ばれてるんだけど、これが今年度の生徒会メンバーなんだけどね。そのメンバー 数人が、今朝からヤバイ事になってんだけど! ちょーっと時間もヤバイから教室でね!」
遅刻しそうなので、もう少し速度を上げて走りましたが……後からあんな話を聞くことになるなんて……思ってもいませんでしたわ。
どうにか教師が来る前に、教室に着きましたわ。エマとエドウィン様共、同じクラスでとても嬉しいです。今も、わたくしの机にもたれ掛かり、小声で話していますもの。
「ねぇねぇさっきの続きね! 今年の1年の中で、魔法が使える娘が居るらしいわよ。なんでも平民で、母親と二人暮しで細々と暮らしてたんだけど、魔法を使って周りの人々を助けてたんだって、そしたら聖女様って噂になってね。
有名になってわかった事が、その娘ファーマン男爵が昔、使用人に産ませた後、行方不明になってた母娘だったんだって。直ぐに引き取って魔法が使えるって、大々的に言いふらしているみたいよ。魔法が使えるのは本当みたいで、今さっきもレオナルド様の前で切り傷を治してみせてたわ。まぁそれだけなら良いんだけど、何気にベタベタベタベタ触るのよね。別に勝手にすればって感じなんだけど、あの娘って男限定で甘えまくってんのよ。観ていてあまり良い気分じゃないわね。
私、あーゆうタイプ苦手なんだよね。えっ!?………どうしたのマシェリー顔色悪いわよ?真っ青なんだけど大丈夫? じゃないよね! 先生には言っとくから保健室か部屋に行こう!」
「エマ…………わたくし……部屋に戻っていますわ……」
必死で笑顔を作りましたが、全身がいきなり不調をきたしたのを、知らないふりをしてどうにか部屋迄と頑張って帰ろうとしていると。
「おい、俺が部屋まで連れていくから背中に乗れ。お前歩けないだろ、お姫様抱っこが良いか?」
エドウィン様が声を掛けて下さいました。助かりました。自分でも歩ける自信が無かったので。
「背中でよろしくお願いします」
「エドウィン様、マシェリーの事よろしくね。私も後で行くから!」
廊下に出るとわたくしを、背負っているエドウィン様は、皆様の注目の的でしたが、わたくしはその時そんな余裕もなく、ただただ恐怖で身体か震えるのを止めるのでいっぱいいっぱいでした。
「おい、何があった?ただの体調不良ではないだろう」
「……………………………………………………………………………」
「まぁいい、もし何か言いたい事や相談があるならいつでも言え」
わたくしは返事もできず、ただただエドウィン様の背中に顔を隠して居ました。微かに、ドアを開ける音と、安心する居心地の良い匂いがフワッとわたくしを包み込みました。
「マシェリー様! どうされたのですか!? とにかく中へ、エドウィン様ベッド迄お願いします!」
わたくしをベッドに座らせ、メアリーが寝かせてくれましたが、わたくしは人形の様に皆様の声に反応するだけしかできません。とにかく震えが治りません……
「……じゃあ俺は帰る。マシェリーさっき言ったこと忘れるんじゃないぞ」
,,パタン,,
「お嬢様……」
「メアリーごめんなさい。1人にしておいて……」
「わかりました。お嬢様」
………………どうしましょう………
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