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「ねえ! 皆んなお疲れ様。今日は忙しかったのに用事が入って皆んなに任せてごめんなさいね。

 新人さんも良くやってくれて……って。貴女は誰かしら? 私が面接した子とは違うわね」

「「「「「「「「えっ」」」」」」」」

「ご、ごめんなさい! い、言えなくて……私……バイト探してまして、見学に来たんですが……何故かこんな事に……ごめんなさい」

「あー 悪いーー 俺のせいだわ! ちゃんと聞かずに又やっちまったーー 社長ごめんなさい。私のはやとちりのせいです」



お客の帰った後のお店で、さっき来たオーナー社長からの労いの言葉の途中、和やかな雰囲気だったのに、今は誰もが黙り深刻な空気が漂っています。

 どうしよう私のせいで……



「わかったわ。大丈夫だから、皆んなは遅いから帰りなさい。

 外に送迎の車来てるから順番に送ってもらいなさいよ。何かあったら直ぐに電話してね。

 お疲れ様。ダンは話を聞きたいから残りなさい」

「はい。わかりました」


今の時間は12時過ぎです。

 私……眠くて目蓋が落ちそう。さっき迄は気が張ってたから平気だったけど、今は駄目かも。


「貴女達はこっちに来なさい」


奥にある個室に連れて行かれた。そこは小さな部屋で、パソコンと書類が沢山置いてあった。社長室なのかな。


「狭くてごめんなさいね。外は片付けしてるから邪魔になるでしょ。此処で我慢してね。

 さて!先ずは貴女の名前を教えてくれるかしら」


「はい、霧山歩です。大学2年です。こちらへは、バイトを探していまして見に来ました」

「そう、このお店はどう?」

「お客様もスタッフの方もとて気持ちの良い感じのお店だと思いました。

 最初は戸惑う事が多かったのですが、皆さん優しく教えてくださいましたし」


「社長!アイザックはすっごい飲み込み早くて、お嬢様方はメロメロでした!

 初心者なんて思えなかったです。それにこの見た目で、てっきり今日来るはずの子だと勝手に勘違いして働かせてしまいました。すみませんでした」


「そうねー ダンは軽率だったわね。

 でも、こんな完璧な外見で来られたらお客様だとは思えないわね。

 貴女…アイザックは、どういった気持ちで今日お嬢様達を接待したのかしら?」


「少し前に2.5次元ミュージカルを観たので、それを元になりきりました」

「ふぅ~ん。それは良いわね。皆んなにも見る様に進めようかしら。で、アイザックこの店に働く気ある?」


私は、少し考えて自分が今思っている事を素直に口に出したの。


「はい!働きたいです」

「そう。それなら今日書類持って帰って記入して、提出する物も有るから全て揃ったらいつでも良いから持って来なさい。

 チェックして大丈夫なら、その日から働いてもらうわよ。今日働いた分はきちんとつけておくから安心してね。

 このお店は、コンセプトカフェの男装カフェになるわ。表の扉の焼印はお店の至る所に有るんだけど、お店の紋章よ。
 
 出勤日は、一週間ごとのLINEでのやりとりになるわ、いつ出れるのか教えてね。

 時間は16時から24時迄水曜お休みね。何か質問は有るかしら?」


「えっと今のところは大丈夫です」

「そう。何かあったら聞いてね。もう遅いから私が送って行くから着替えて来なさい。あっ私とLINE交換先にしましょうね」


何だかスムーズに進んで此処で働く事になりました。これでよかったのかな?
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